千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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2018年下半期の住宅ローン金利はどうなる?変動3年10年20年固定金利タイプごとに主要銀行の金利を予想!

10月以降の金利動向は銀行ごとの営業戦略が見えてくる時期

どうも千日です。毎年10月以降の住宅ローンの金利というのは、銀行にとっては本決算の3月により多くの融資を実行するために自行の低金利を宣伝する時期とも言えるんですよ。

いくら低金利を宣伝したところで、融資を実行しないと銀行にとっては成果になりません。

その実行=住宅の引き渡しが一番集中する時期は、決算月の3月です。銀行としては、3月の住宅引き渡しが集中する時期に沢山の融資を実行できるようにするために、今から自行のイチオシ商品をアピールしておかなければならない時期なんです。

銀行の住宅ローンの決まり方や営業戦略というものを把握したうえで、融資を申し込む銀行を決めておけば…

「たまたま自分の融資実行のタイミングで銀行が金利を上げてきた!マジか!?」

というようなことは無くなります。では始めましょう。

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民間銀行の住宅ローン金利は営業方針から読める

民間銀行の住宅ローンの金利は、毎月の初めに発表されてそれがその月に適用されます。その金利は銀行が金融市場から住宅ローンで貸すお金を調達する金利に儲けを上乗せして設定するんです。

下図のようなイメージです。

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「お金を仕入れてお金を売る」みたいなイメージです。そのお金の値段が金利なんですよ。

金融って聞くとなんだかよく分からない世界だと思うかもしれませんが、案外単純なのです。

長期金利(=国債の利回り)というのは金融市場の様々な金利の中でも代表的なもので、全体を反映する金利として市場関係者が指標にするものなのです。

ですから、一般的に住宅ローンの金利が長期金利に連動するという風に言われているのはこうした理由からです。

ただこれはあくまで、大きなくくりで見た考え方であって、全ての銀行が同じ長期金利に連動させて金利を上げ下げしているわけではありません。

  • 長期金利が上がってもあえて融資を取りたいので金利を下げる銀行もあります。
  • 住宅ローンの金利タイプは様々あって、銀行によって力を入れる商品は違います。

特に9月から10月以降の銀行ごとのイチオシ商品の推移を見ていけば、おのずとその方針が見えてきます。

3年固定金利の金利予想

3年固定というと実質的に変動金利に近いです。

しかし三菱UFJ銀行の3年固定は、当初の3年間は変動金利よりも低金利で固定され、固定期間が終わった後の優遇幅も大きいので最近注目している金利タイプです。

3年固定 9月 10月予想
三菱UFJ銀行 0.4% 0.4%

三菱UFJ銀行は他行に先駆けて住宅ローン契約の電子化を導入するなど、営業戦略としてネット専用住宅ローンに力を入れています。

10月の予想は9月から横ばいの0.4%としています。見た目として一番インパクトのあるものですし、これを上げてしまうとネット銀行の変動金利に負けてしまいます。

当分は横ばいでくるだろうと予想しています。

3年固定金利の上手な使い方についてはこちらをどうぞ。

10年固定金利の金利予想

10年固定は住宅ローン控除の10年間の金利が固定されるのが魅力ですね。10年固定に力を入れている銀行はじぶん銀行、りそな銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行などです。

金利に差があるのは手数料型と保証料型の違いによるものです。

  • 手数料型:融資事務手数料として一律2.16%。払いきりで返金されない。
  • 保証料型:その人の属性と融資期間と残高に応じた保証料。期日前の全額繰上げ返済によって返金される。
10年固定 9月 10月予想
じぶん銀行(手数料2.16%) 0.67% 0.7%
りそな銀行(手数料2.16%) 0.695% 0.725%
みずほ銀行(保証料型) 0.8% 0.83%
三菱UFJ銀行 (保証料型) 0.8% 0.83%

10月の予想としては、米長期金利が3%台にまで上昇しており、日本の長期金利にも波及してくるか?という市場の見方があるため、ある程度上昇する可能性が高いです。

また、10年固定金利については、ここのところ市場の長期金利に対して敏感に反応して上がってきている傾向があります。

そこで9月から10月にかけては0.03%程度の上昇と予想しました。

10年固定金利について詳しくはこちらもどうぞ。

20年固定金利の金利予想

20年固定に力を入れているのは住信SBIネット銀行と三井住友信託銀行です。

20年固定 9月 10月予想
住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン 1.31% 1.36%
三井住友信託銀行(手数料型) 1.18% 1.23%

10月の予想としては、0.05%前後の上昇と予想しています。理由としては概ね10年固定と同じで長期金利が上昇傾向だからなのですが、フラット35の金利動向も影響すると見ています。

20年固定は35年の超長期のフラット35よりも少し金利が低ければ十分に競争力を維持できるからです。そのフラット35は9月から10月にかけて、0.03%上昇する見込みなんです。

フラット35団信込み 9月 10月予想
10年~20年 1.31% 1.34%
21年~35年 1.39% 1.42%

詳しくはこちらをどうぞ。

フラット35の「10年~20年」は借入期間も20年以内でないとダメですけど、民間銀行の20年固定は借入期間は35年で固定期間だけ20年ということですので、民間銀行の20年固定の方が使いやすいのです。

ですから、20年固定については、ちょっとくらい金利を上げたところで、フラット35よりも低金利である限りは競争力を維持できるんですね。

20年固定金利は、アラフォーで住宅ローンをスタートする人にうってつけの金利タイプです。

定年退職までに返済するのであれば、固定する期間は20年程度でちょうど良いからですね。

この場合、借入期間は最長の35年として、固定期間を20年とします。定年までに繰上げ返済資金を貯めていくという戦略です。詳しくはこちらをどうぞ。

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変動金利は年内は変わらず低金利

変動金利はどこも安いですけど、団信の疾病保障特約が無料で付くという点で、住信SBIネット銀行とじぶん銀行が2強ですね。

住信SBIネット銀行の団信には「全疾病保障」、じぶん銀行の団信には「ガン50%保障」が付いてきます。その上で下表のように最低金利で推移してきています。

変動金利 9月 10月予想
住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン(新規借入) 0.457% 0.457%
住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン(借り換え) 0.428% 0.428%
じぶん銀行 0.457% 0.457%

その変動金利ですが、当分は変わらずと予想しています。

住宅ローンの変動金利は日本銀行が民間銀行に融資をするときの政策金利の影響を強く受けます。

日銀はこの政策金利を操作することで民間銀行が融資するときの金利の手綱を握っているのです。

  • 日銀が政策金利を上げると銀行の変動金利が上がる。
  • 日銀が政策金利を下げると銀行の変動金利が下がる。

こんな感じです。

その日銀は9月18日から19日の金融政策決定会合で、当分の間、極めて低い長短金利水準を維持するというフォア―ドガイダンスを導入しています。つまり、民間銀行は変動金利を上げにくい状態ということなんです。

詳しくはこちらをどうぞ。

なので変動金利については、短期的に大きく上がるという心配をする必要はありません。

これから2018年度中に変動金利を選ぶなら、シンプルに現時点で低金利の銀行から選ぶことをお勧めします。引き渡しのタイミングでもそのままの低金利であり、その後も「当分の間」は低金利が維持されるでしょう。

気になるのは「当分の間」っていつまで?ということでしょうね。

「当分の間」=消費増税までは今の低金利が続くがその後は分からない

当分の間というのはズバリ消費税の増税が軟着陸するまでです。消費税増税自体は2019年10月を予定しています。

じゃあ、2019年10月から上がるの?ということではないです。政府が恐れているのは消費税の増税前に一時だけ「駆け込み」で消費が増えて、その後ごっそり減って景気が後退してしまうことです。

フォア―ドガイダンスの主旨としてはこの消費増税後も消費が冷え込まないようにするということなんですよね。

それに、今回の総裁選で3選を果たした安倍政権が2019年10月に消費増税をやるか?という問題もあります。安倍首相はこの消費増税を過去に2回延期しているんですよ。そういうこともあって、何年にと指定して予想するのは難しいところなんです。

ちなみに、千日が予想する変動金利上昇のタイミングは、日銀の政策や消費増税を横に置いて、それがいつになったとしても…という前提で行っています。良かったら読んでみてくださいね。

変動金利は上がった場合の準備が必要!

千日の予想にしても、他の専門家の予想にしても、あくまでそれは個人の予想ですから絶対にそうなるという保証なんてありません。違ってくることも多いにあり得るんです。

なので、予想に基づいて意思決定するというのは良くないです。

変動金利は上がる可能性があるからこそ、今は安いのです。ならば、上がった場合に対応できない人は変動金利で借りてはイケナイのですよ。これだけは言えることです。

だって上がることが想定されているのですから。これから何十年と続く住宅ローンの期間で金利が大きく上がったら、それはそれで想定内の出来事なわけです。

どんな準備が必要なのか?

  • 今の元利均等返済額の1.25倍でも払えるように、余裕をもっておく。
  • 金利が上がったら、相応の金額を繰上げ返済できるように資金を確保しておく。

ということです。具体的にはこちらをご一読くださいね。

まとめ~融資の申込から実行までの6週間を踏まえて

本当は10月の金利が出そろってからの方が、もう少し精密な読みが出来るのだろうと思うんですが、所詮、予想は予想ですからね。

融資の申込から実行まで、概ね6週間はかかります。6週間もあれば、金利をめぐる情勢なんていうのは180度ひっくり返ることは十分あるんですよ。

なので、複数の金融機関、金利タイプで本審査を通しておくことをお勧めしています。売り手は嫌がりますけどね。でも金利が上がった分を彼らが肩代わりしてくれるわけではありません。

ほぼA銀行で決めます。と言っていても、融資を実行するまでの間は変更することが出来ます。少しすったもんだしますが、出来ないことは無いです。

もし、複数の銀行で本審査を通しておけばそこの手続きはまだスムーズにいきます。だって別の銀行であってもちゃんと住宅ローンを組めて代金を払えるのなら、売り手の方もまあ納得する道があるからです。

しかし、その時点でこれから別の銀行で審査をスタートします。というのでは、まず無理でしょうね。

後悔先に立たずということです。

以上、千日のブログでした。

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《あとがき》

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2018年9月23日 

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