JAXAが、9月21日に探査機「はやぶさ2」から分離したMINERVAII-1が小惑星リュウグウに無事着地したと発表しました。MINERVAII-1は2機の探査ローバーで成り立っており、いずれもが小惑星表面に降りた世界初のローバーということになります。
「はやぶさ2」から分離のローバーが「リュウグウ」に着地。世界初の小惑星上移動探査に成功
小惑星を移動探査は世界初
はやぶさ2は、21日の午後にリュウグウ上空55mでMINERVA II-1を分離、重力がほとんどない小惑星でバウンドして宇宙空間にはね返されてしまわないよう、秒速数cmという非常にゆっくりした速度でそろりそろりとリュウグウに近づき、着地しました。
Rover-1AとRover-1Bの2機で構成されるMINERVA II-1は着地後、それぞれが正常に機能してており、リュウグウ表面を転がるように移動していることが確認されました。はやぶさ2プロジェクトマネージャー津田雄一氏は「世界初の小惑星表面での移動探査活動を実現できたことは、嬉しいの一言に尽きます」と語り、MINERVA II-1を担当する吉光徹雄氏も「小惑星表面でのホップ中の画像が届いたときには、小天体での移動メカニズムの有効性を確認することができて、長年の研究成果が実を結んだことを実感しました」と喜びのコメントを発表しています。
いまから13年前、小惑星を目指した初代はやぶさが小惑星イトカワに投下したMINERVAは、着地に失敗していました。今回の成功は、JAXAとしては執念のタッチダウンだったと言えそうです。
はやぶさ2はMINERVA II-1分離後、22日15時にはリュウグウから20kmほどのホームポジションと呼ばれる位置に戻っています。2機のローバーは今後、リュウグウ表面を移動しつつリュウグウの探査を行ないます。また10月にははやぶさ2自身もリュウグウに着地を予定しており、2019年春には人工クレーターを作って地中のサンプル採取をする予定。地球への帰還予定は2020年の暮れごろです。