特に予定もなく今更ダンまちをNetflixで見ていたのだが、はてブロからブクマ通知が来て、見てみたら半年も前の記事で珍しいこともあるもんだなあなんて放置していたら昼過ぎからやったらアクセスが高くなった。どうやらTwitter経由でどんどん拡散されたらしいが、リアクションの大半が怒り狂ったエンジニア達による凸であった。
該当の記事は燃やしてやろうとは思っておらず、時期的に僕がAngular1.X系列を利用したプログラムのメンテ案件に対応し始めた頃なので、多分うんざりしてサラッと愚痴がてら書いたものであったように思う。ちなみにAngularは現在6ぐらいである。
該当の記事は、はてブに少なくないイケているエンジニアの腹に据えかねたらしく、「エンジニアは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のクソブロガーをを除かなければならぬと決意した」みたいな状態にさせたらしい。リアクションの9割批判って「やっぱ、つれえわ」と言わざるを得ない。
ところでこの記事のタイトルについて聞き覚えがないだろうか。これはプログラマのオープンソースのコミュニティでまっさきにアピールしてくる慣用句である。製品の性能などのアピールもするが、それよりも「このOSSを使っても僕らがフレンドリーなので安心ですよ」ということを言っているのだ。
一般的にも似たような言葉を聞いたことがあるだろう。
「用法用量を守ってお使いください。」
「アットホームで働きやすい職場です。」
「日本人は謙虚な民族です。」
などなど。
こういうただし書きがなぜされるかに思いを馳せよう。
1つ目は、薬を使いすぎる愚か者がいるからできた言葉だ。
2つ目は、それ以外に言うことがなく、ブラック企業を見分ける判断にもなっている。
3つ目は、日本人ならいちいち解説するまでもあるまい。youは何しに日本へ?
ところで何故優秀なプログラマが作ったOSSのコミュニティでわざわざフレンドリーさをアピールする必要などあるのだろうか。わかりきっているし常識のようなことではないか。アピールポイントになりはしないような最も基礎的なことだ。
ところがOSSコミュニティではこういうことを標榜することがよくある。その答えがこの記事のTOPに上げた絶賛炎上中の記事のブコメにある。
まあ炎上した時点でリアクションの大半は予測可能であった。
「勉強しない、できないバカは死ね」である。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていないが、エンジニアがキャッチアップしないのは間違っているし万死に値する。
イケているエンジニアであればあるほど、「バカは死ね」と思う確率は高まってくる。Googleなんかが優秀な人以外は雇うなと言うのは、優秀なエンジニアが足手まといや技術的無知を嫌うからだ。
nuitsjp 「将来スタンダードになる技術以外の記事は吐き気を催す邪悪な記事」という邪悪な記事。自分の道くらい自分の責任で選びなよ
ykonomin 寄り道ばっかしてますが、使うくらいならすぐに追いつきますし、大切なことは歩みを止めてはいけないとことだと思います。
wwolf おっさん、投資は自己責任やで…
mizchi 四年前react推す記事書いたときに同じこと言われたよ
トップブコメから抜粋したが、これなんだよな。そしてディファクトだけ使いてえなあというのもこういうことを言われることがわかりきっているからなんだよ。
BackBone使って負債になったクソー、なんて言えねえ。
「お前がそういう会社とプロジェクト選んだんじゃん」
「Backbone使っても血肉に変えて次の技術に活かすことはできる。」
「フレームワークなんてどれも似たようなもんだよ。」
みたいな。正論だけどね。
まあだからこそ微妙技術選びたくねーってなるのだよ。偶然でもディファクトを選べたら楽ができるなあみたいなことである。ただそれだけである。だから公式を充実させる以外のスライドでこれがイケている!みたいなことを言われたところで、少ししたら優秀な人々は新しいのに飛びついて「それでついていけるしOK、ついていけないのは自己責任ね!」みたいに切り捨てられる未来が待っていることがわかっちゃうんだな。
いくら優秀と言っても人生のサポートまでしてくれるわけじゃないんだから。あたりまえだけど。そんなわけで新技術のスライドなんて少なくなってくれよなって思うわけだ。こなれた頃に「これ、ディファクトっす」って言ってくれればみんなハッピーじゃないか。そしたら社内のイケているエンジニアがいきなりこなれてない技術を選定する可能性も減って、会社は技術負債を抱える可能性を減らせて、みんなハッピー。
後出しでこの10年を振り返るとweb界隈だけで言えば、PHPとフレームワーク一本とXAMP、jQueryで食えたとも言える。あとはGitを使うぐらいか。
逆に言えば最先端!と言われた技術で10年食わしてくれたものはないんじゃないか?
VirtualBox + Vagrant + Chef/Pappet/Anssibleなんて学習量の割に3-4年も持ってなくねえか。今なんてDocker+Kubanateに替わられているし。
だけど希望もある。GAFAだ。
Google 、Amazon、Facebook、AppleをとってGAFA。
技術選定の際はこれらの企業がどれくらい金をかけているか、で判断するのがよろしいかもしれない。まあGoogleはいきなり切り捨てたりするけど。
大体において複数年名前を聞いているなってのは、GAFA謹製の技術だったりする。彼らは「うちはフレンドリー」と言う前に、公式を見ればその充実ぶりがわかる。チュートリアルから日本語訳まで取り揃えているし、公式検索するだけで技術内容がまとまっていて、切り捨てたAngular1.Xのドキュメントさえちゃんとまとまっていたりする。そういう意味では古くなってもメンテしやすいのがGAFA様である。
実際Angularの公式があれば、イケてるスライドってあんまりいらんかったりするしね。そういうところ金あると強いなあって思っちゃう。ありとあらゆる企業がすべてGAFA技術に飲み込まれたら、僕のような弱小エンジニアもそれなりに楽ができるんだろうねえ。
ところで僕の考えた技術選定まとめ
・シリコンバレーでディファクト
・日本製ではない(ぜってえ地雷負債にしかならねえ)
・GAFA製である
・お金たくさんかかっている
・公式ドキュメントがあれば大体どうとでもなるクオリティ
・GitとかGogole Trendですごい話題(競合技術のNo1だけでよい)
・とてもクールな機能はだいたいGAFAが買うか作ることに気をつける
こう言えるのも2010年代後半からGAFAの勢いがもうひっくり返しようのないレベルに到達したからだとは思う。2010-2015はOSSも混沌としていたので、結構しんどい技術変遷だったように思えるけど、次の10年はもうちょっとコントロールされた開発環境になることが期待できそうだ。
はよ支配してくれ。