「餃子食べる?」(2)

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「餃子食べる?」女史の名前が見えないとはいえ

そしていくら私がその話に衝撃を受けたとはいえ

何人かの人に向かってビックリ話を書いたのは

自分自身に後味の悪さがあった。

 

しかし

その後味の悪さを幾らかだが緩和する事があった。

 

私が今日まで通っている京都に

「餃子食べる?」女史が

明るく 屈託なく現れた。

 

反応の早い受け答え

若い頃の美人の面影が残る顔で

ニコニコと笑う。

 

裕福な商家のおかみさんで

お金に困ってもいない。

 

そして差し入れのお弁当に

「はい 1000円!」と私に言わない。

 

友達や知人が私に話したビックリ話。

嘘ではないだろう。

 

でも

私はその場に居合わせ

その現場の状況を見ていない。

 

「だからそんな話には

衝撃を受けるべきではないんだよ」

自分の目で見た事だけを信頼する。

 

「餃子食べる?」と言われた友達

そして、「餃子食べる?」女史。

共に彼らは私に誠実だ。

 

そして私は「餃子食べる?」と言う電話を

「餃子食べる?」女史からはまだ貰っていないのだから。