今回は、ブラックニッカの限定ボトル ディープブレンド エクストラスイートを飲んでみます。

甘みを追求したブレンド

db_es_2018年9月11日に限定販売が始まったエクストラスイートは、キーモルトとして、10年以上新樽で熟成した余市モルトと宮城峡モルトを採用した点にあります。

レギュラーのディープブレンドも新樽のモルトが主体ですが、エクストラスイートではさらに10年以上の熟成した原酒を使って甘みを追求したと言うことです。

なお、レギュラーのディープブレンドも、ラベルがリニューアルしています。

ちなみに9/18時点で、札幌市内ではまだ入荷していませんでした。
北海道胆振東部地震の影響でまだまだ物流が安定して居らず、通常なら東京より2日遅れで見られるものが1週間経過しても出回っていませんでした。
そのため、送料が高く付くのを覚悟で通販で入手しました。

限りなく広がる甘さ

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はノーマルな琥珀色、香りはラムレーズンがしっかりと鼻を通ります。

口に含むと、アルコールの刺激は少なく、グラスからやってきたラムレーズンの香りが口いっぱいに広がります。その後はライム、ナッツ、ウッディさが追いかけます。

味わいは、ほのかな酸味が先に来ますが、後からアルコールからの辛みが少々やってきますが、次に甘みが下に広がります。アルコール度数が46度とは思えないほどです。

次にロックにすると、柿や栗の甘い香りが先に現れます。その後はライムの爽やかな香りが続き、ラムレーズンも続きます。
加水が進むと、余市の持つ燻製のようなピートも目立ってきます。

味わいは、ストレート以上に酸味が明確に先立ちますが、後は甘みが一気に広がります。

最後にハイボールで飲むと、レーズンの甘い香りが目立ってきます。その後はほのかにライムとピートも得られます。
味わいも、酸味が一気に前に出てきて、甘みが抑えられていきます。

若者の言葉で一言言えば、「やばい」「ぱない」という印象です。

原酒がまだまだ足りず、こうした限定ボトルでやりくりしている現状ですが、ブレンダーズスピリット以来のビッグヒットに感じました。

現状で10年以上の熟成した原酒を使っているのはザ・ニッカ12年と竹鶴17年と数少なく、竹鶴に至っては入手がほぼ困難に至っています。

その中で、多くの人がニッカの長期熟成モルトの香りや味わいを忘れていることもあって、なおさらインパクトが強いようにも思えます。

全体的にも、エクストラスイートの名の通り、とても甘いウイスキーとなっていますが、特にロック、軽く加水した状態だと、その甘い香りや味わいが一気に引き立つように思えます。

とても甘いが故に、ホイホイと飲み進められるのですが、アルコール度数が46度なので、あっという間に泥酔しかねないので、注意が必要です。

レギュラーのディープブレンドでは、無理矢理ピートを強くした印象がありましたが、エクストラスイートでは甘い香りや味わいでどっしり構えた印象になっています。

700mL、アルコール度数46度、価格は2000円ほどです。
ブラックニッカとしては値段が高めですが、4000円を出せるほどの価値があります。

<個人的評価>

  • 香り AA: ラムレーズン、ライム、ナッツ。加水で柿、栗、そして余市の燻製のようなピート。
  • 味わい AA: ストレートではアルコールの辛みが見えるが、酸味の後に強い甘みが訪れる。
  • 総評 AAA: 久々にニッカならではの香りと味わいを堪能できるボトル。