静寂の中の君…君達へ
テーマ:私1
何て言えば良いだろう?
やあ、久しぶり?
それとも、気付かなくて悪かったね?
それとも、ごめんね…ボーッとしてたんだ?
どれも当てはまらないか。
だけどとても久しぶりに会った気がするよ、「君」に。
いいや、「君達」にかな。
一体どれくらいぶりなんだ?
あの頃も君達は、静寂の中にいた。
狂騒の中にある静寂の中心で、君達は感情で遊んでいたね。遊びと言うと、少し意味が違ってしまいそうだけれど。
君達はそこで自分というものをずっと見つめてもいたよね。
あの時も、あの時も。ずっと。
感情を我が身でどう表そうか、言葉でどう表そうかを、ずっと考えながら。
その場所にしか「自分」がいなかったから。
狂騒の中では、自分はすぐに埋もれてしまう。
埋もれるつもりは無くても、埋もれざるをえなくもなる。
それがこの世界だ。
静寂を時に私は自由とも呼ぶけれど、つい自由を連想してしまう鳥達も、雨の中で風の中で自由を簡単に失ってしまう。命というものがある限り、この世界に自由は存在しないのかもしれない。
だから私は静寂を自由と呼ぶ。
君達はあの時はああいうことをしていたね。
あの時はあんなことを。
どれをとってみても、今の私にあるんだよ。あるのだけど、久しぶりなんだ。
静寂を知りながらも狂騒の中にいたからね。
正直なところ、まだ安定しているとは言えないな。気を抜く?つられる?と、狂騒の中で戸惑うこともあるから。
だけど感じるんだ。
あの時やあの時、君達が何故静寂を選び、あんなことをしていたかを。そしてその身で表現した感情がどんなものだったのかを。
今は感じているんだ。
生まれて生き、そして死ぬ定めにあるこの世界で、何を選び表そうとしたのか…。
あの時の君を…感じるんだ。