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2018-09-22

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・ずいぶん昔に聞いた寓話を、たまに思い出す。

 山の向こうと、こっちにふたつの村が離れてあった。
 仮に「むこう村」と「こっち村」としておこうかね。

 「こっち村」に、ひとりの旅人がやってきた。
 えらく不機嫌な顔で、村人にたずねた。
 「昨日までむこう村にいたんだけれど、
 むこうの人はみんな不親切で、愛想もなくて、
 ほんとに嫌な村だったんだ。
 まさか、こっちの村はそんなことはないだろうね。」
 こっち村の村人は、それに答えた。
 「むこう村が、不親切で、無愛想で嫌な村だったなら、
 こっち村も、きっと不親切で無愛想で嫌な村だと思うよ」
 旅人は、「そうかやっぱり。こんな村に長居は無用だな」
 と、不愉快そうに歩いていった。

 そのあと、ふたりめの旅人がやってきた。
 「むこうの村からやってきたんだが、
 いやぁ、みんな親切で愛想がよくて、いい村だったよ。
 こっちの村も、よさそうだねぇ」と笑顔で言った。
 村人は、「そういうあんたには、きっと、
 この村は気に入ってもらえると思うよ。ようこそ!」

 ぼくは、この話がとても好きで、できることなら、
 いつも機嫌のいい旅人でありたいと思っている。
 いいところを見つける力のようなものを、
 たっぷり持ち合わせていたいし、
 わるいところを見つける感性を持っていたとしても、
 それに引きずられないようにしようと考えている。
 ぼくばかりじゃなく、「ほぼ日」の乗組員たちや、
 多くの関係者、お客さんたちもそういう感じだと思う。

 そういう姿勢でいて、嫌な思いをしたことはない。
 お人好しなのではなくて、生きる流儀のようなものだ。
 だってさぁ、「いい村」を旅していたいものね。
 「嫌な村から嫌な村への旅」を続けるのは、嫌だもの。
 正直に言ってますが、大阪にきた「生活のたのしみ展」
 ぼくも、みんなも、こころからたのしんでいる。
 この村の人たち、みんなほんとに…サイコーだよ!

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
昨日昼はねぎ焼き、夜は串揚げを食べた。今日の昼は京都。


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