概要
iPhone で SSH コマンドを実行したり、Webhook 連携を組み立てることが可能となりました。Apple 公式アプリの「ショートカット」を使って実現できます。
「ショートカット」アプリの概要と、簡単な活用事例をまとめました。
iPhone から SSH や curl が実行できる
「ショートカット」アプリでは、非常に多くのアクションが用意されています。その中には「SSH」や「URL 取得」なども含まれており、かなり遊べるアプリになりそうです。
URL 取得は GET
に限らず POST
や PUT
も可能で、簡単なリクエストであれば iPhone からサクッと実行できます。簡易 curl のようなイメージです。
SSH では複数のコマンドを一度に実行できるほか、他アクションとの連携も可能です。
iOS 12 で Apple 公式アプリ「ショートカット」を使用
これらの操作には、iOS 12 以降でサポートされている Apple 提供の無料アプリ「ショートカット」を使用します。
「ショートカット」アプリで実行できるアクションは多数ありますが、特に面白そうなものをピックアップすると、以下の通りです。
- 指定した URL にリクエストを送信する(POST も可)
- SSH 経由でコマンドを実行する
- iPhone のデバイス状態を変更する
プログラミングのように、ユーザ入力を受け付けたり、変数操作やループ処理を実行することもできます。(小さい画面でポチポチ組むのは辛いかもですが)
これらを組み合わせることで、幅広いアクションが可能となりそうです。
iPhone から SSH コマンドを実行する
App Store から「ショートカット」アプリをインストールしておきます。
アプリを起動後、ショートカットを作成
をタップします。
アクションの検索欄が出てくるので ssh
を検索して選択します。
接続情報とコマンドを入力し、上部中央にある実行ボタンで開始できます。
右上の変なボタンから、保存する際の名称やアイコンなどが設定できます。
ホーム画面やウィジェットからワンタップ実行
作成した処理は、ホーム画面やウィジェットにも追加することができます。
アイコンの色やロゴも、豊富な選択肢の中から選べるようです。
特にウィジェットは便利で、アプリを立ち上げずにサクッと実行できます。家電操作系のコマンドなどと相性が良さそうです。
iPhone で REST API を叩いて JSON をパースする
せっかくなので、一つ例を作ってみました。
以下の URL にリクエストを投げ、スプラトゥーン2の現在のステージ情報を JSON で取得、JSON をパースしてステージ情報だけを抜き出してみます。
https://spla2.yuu26.com/regular/now
今回の要件を実現するためには、3種類のコンポーネントを用います。
- URL コンポーネントで、REST API の情報を指定
- 取得コンポーネントで、URL のレスポンスを取得(メソッドは GET)
今回取得したいデータは、JSON 内の .result.maps[]
となります。
- パース用コンポーネントで、
.result
を抽出 - パース用コンポーネントで、
.maps
を抽出
テキストのみ抽出できました。取得結果が2件あるため、横フリックで確認できます。
仕上げとして、通知メッセージに出力します。
- 結合コンポーネントで、2項目を改行で繋げる
- 通知コンポーネントで、結果を通知させる
これで完成です。(作業中にステージが変わってしまいましたが)
ウィジェットから呼び出すと、ワンタップでステージ情報を確認できます。
なお、ここで使用した REST API の詳細については、イカの記事に書いてあります。
blog.yuu26.com
まとめ
iPhone で利用できる公式アプリ「ショートカット」について紹介しました。
利用できるアクションが非常に豊富なため、外部のシステムや API と連携させて遊べる面白いアプリです。iOS 12 を利用している方は、ぜひお試しください。