掃苔 とは 苔むして読みにくくなった墓の文字を掃いて読むこと
すなわち墓参りのことであるが
それにも人それぞれの思いを込めた 掃苔 というものがある
願わくは花のもとにて春死なん そのきさらぎの望月のころ と詠んだ西行は
その願い通り 建久元年二月十六日 満月のもとに逝ったが
先師先人の人生は如何であったのか
出会い 対することによって
私の 漂泊 を考えたい
折々の迷い道の先にある墓地に詣で
ひとつひとつの
朝を数えるように歩いてみよう
私の道は遠いのだから………