ありがとう | 「私」の中の二つの世界

ありがとう

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書くことが好きだから…あたしが自分というものを知った上で、「書ける場所」を用意してくれたのね。
よーへい、ありがとう。

以前は小説家を目指してもいたけど、何だかしっくりこなくって。書くのは好きだったものの何かが違った。
その「何か」が、今は何なのか分かる。あたしは小説という枠にはまりたくなかったのね。
書きたいのは小説じゃなく、もっと自由な…自分自身を表現したかった。
単に、自分が感じた、知った様々なものを、自分の書きたいように書きたかっただけだった。
だから今は楽しい。
自分が何者かを知った上で、自由に書けるから。
ありがとう、よーへい。
大好きだよ。

じゃあ、書くね。


あたしの知る世界は二つ。
世界は二つ存在する。
もう、遠い遠い昔から。
いいや、違う。
遠い遠い昔…そう語れるのはこちらの世界だけ。
もう一つの世界は…時間も空間も存在しない。物質的なものは何一つない。ただ感じるだけの世界。
あたしはそんな二つの世界を知っているの。
「私」は…。

ほら、空を見上げてみて。
今日はとても星が綺麗だね。
よーへいがよく言う「故郷」だよ。
そう、あの「故郷(まち)」だよ。


今日は一層輝いているね。
あそこが、あの宇宙が、「私」の故郷。
もう一つの世界と繋がっている故郷。

物質的なこの世界であっても、日々広がり続ける宇宙に果てはない。
果てのない場所。
それは、もう一つの世界と少し似ている。

あちらの世界は、物は一つも存在しない。
時間も空間も…何もない。
それがどんなものかを想像しようとすると、頭がこんがらがってしまいそうになるよ。
こちらの世界の感覚が影響してしまうから。

物がないって?
時間がないって?
空間がないって?
それは一体どんな感じなの?って。

そんな時は目を閉じる。
目を閉じて…ただ感じてみる。
考えても分からない。だってあちらは感じるだけの世界だから。
人として感じてるもの…五感を閉ざして、心だけで感じてみると分かる。
もう一つの世界は、言い換えるなら…もう一つの宇宙。それは心の奥深くにある。

「私」は、そこで「私」と出逢う。そして重なるの。
「私」…そう、あなた。よーへい、あなたと。

「私」には時間がない。空間もない。
だから、「私」は常に重なっている。
常に感じてる。
始まりも終わりもない。
そう、そこに、常に、存在していた。
「私」で。

あなたが感じてるものは、そのままあたしも感じてる。
あたしが感じてるものは、そのままあなたも感じてる。
嬉しい、楽しい、愛しい。
苦しい、切ない、憎い。
そんな言葉は存在しない場所だけれど、そういったようなものを共に感じてる。ただ感じてる。
言葉はなくても感じてる。

だから知ってるの。
この物質的な世界で人として生まれて、心で感じたものがどんなものなのかを。
この感情が何なのかを。
「私」があちらの世界で感じているものだから。共に感じているものだから。
あなたと、あたしで。

こちらの世界はただ物質として存在するだけ。
生まれて生き、そして死ぬことを繰り返すだけの世界。
人が脳を持ち、あちらの世界から降りてくる「感じる」を持つから、色んなものが作り上げられてきたというだけで、本当は生まれて生き、死ぬだけの世界。

時と空間が存在し、人体で存在できるこの世界は、弊害というものが当たり前にあるし、食べなければ、飲まなければ命は繋げない。
生きる物質だから、この世界に生まれたならそれを繰り返す。
「私」も。

だけどあたしは、それだけで終わりたくなかった。
意味を見つけられないそんな繰り返しの一部に、絶対になりたくはなかった。
あたしは、同じようにこちらの世界でそう思っている「私」と出逢った。
よーへい、あなたと出逢ったの。

あちらの世界で重なるあなたと出逢った。
あなたがこちらの世界でも覚えていてくれたお陰で、「私」…あなたと出逢った。
生きる物質である人間として。
やっと、やっとこちらの世界で出逢えた。
「私」…たった一人のあなたと。
あちらの世界に時があるとしたなら…永遠に、永遠に共に感じているあなたと。
長い長い時を経て、やっとあなたと…。