9月13日、防衛省が海上自衛隊の潜水艦を南シナ海へ向けて極秘で派遣。東南アジア周辺を長期で航海中の護衛艦部隊と合流させ、訓練を実施したという。海上自衛隊の訓練は、通常は日本の周辺海域で行われる。南シナ海での訓練は初である。
一体、何のためにこんなことをしたのか。
今、中国が南シナ海で軍事拠点化を進めていることに対し、日本は危機感を抱いているといわれている。確かに例えば、中国の南シナ海進出によって、日本の船舶の往来が阻害されているなら確かに問題である。しかし、そんなことは起きていない。日本の船舶は、南シナ海を自由に移動している。
僕は先日、防衛省の元防衛大臣ら2人に「こんな訓練をやる必要はあるのか」と問い質した。すると、2人とも「その必要はない」と答えた。日本は、対中国戦略をどこまで進めるのか。
さらにいくつか気になる報道があった。9月18日、エジプト東部のシナイ半島で、イスラエル軍とエジプト軍の活動を監視している多国籍監視軍(MFO)に、陸上自衛隊2人の派遣が検討されていると報じられた。
また、日本政府が導入を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が、北朝鮮が2017年8月に予告した米領グアム島周辺への弾道ミサイル発射の迎撃に使われる可能性があるという話もある。
僕は元防衛相らに、「自衛隊は、どこまで防衛戦略を推し進めるのか。特に対中戦略は、どうなっているのか」と聞いた。すると彼らは、「日本政府は、対中戦略をほとんど持っていない」と答えたのである。
最大の問題点は、ここからだ。
いただいたコメント
コメントを書く