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フリマアプリ大手のメルカリは2018年9月20日、グーグル主催のイベント「Google Cloud Next '18 in Tokyo」の技術者向けセッションに登壇。Google Cloud Platform(GCP)やAmazon Web Services(AWS)など、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウド戦略を説明した。
メルカリの久保達彦プリンシパルエンジニアによると、日本における2018年6月時点の月間利用者数は1075万人、同6月期の年間流通総額は3468億円という。7月13日には日本向けアプリの累計出品数が10億を超えた。「毎日100万点の出品がある」(同)。
日本以外に米英でも事業を展開しており、ITインフラは地域によって複数のクラウドを使う。日本は主に創業時から利用するさくらインターネットとマイクロサービスアーキテクチャーを実践するGCP、米国はAWSとGCP、英国はGCPといった具合だ。日本でもストレージなどでAWSを使う。「画像データはAWSのオブジェクトストレージである『Amazon S3』に保存する。ログや機械学習関連のデータはGCPの『Google Cloud Storage』に残す」と久保氏は話す。
スマホ向けとは別にWebアプリも展開する。ファストリ―が提供するCDN(Content Delivery Network)サービスを使い、各国で利用するクラウドのリージョン(広域データセンター群)に顧客からのリクエストを振り分ける。対象リージョンはURLのパスで切り換える。例えば「/jp/」であれば日本、「/uk/」なら英国、それ以外は米国となる。久保氏は「顧客に最も近い場所でサービスを展開できるので応答性能が高まる」と効果を挙げた。