ニューズピックスが米に本社機能移転も、世界で有料会員100万人へ

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  • 独自記事の有料配信ビジネスに自信示す-ユーザベースの梅田社長
  • 買収の米クオーツは無料会員2000万人、世界で記者100人超が取材

経済ニュースサイトの「ニューズピックス」などを運営するユーザベースは、7月の米メディア買収に伴い将来、本社機能を米国に移転する可能性がある。梅田優祐社長は19日のインタビューでこうした考えを示した上で、「世界で最も影響力のある経済メディアになりたい」と述べた。

  ユーザベースは2012年に創業した米ニューヨークにあるネット経済専門メディア「クオーツ」を最大1億1000万ドル(約120億円)で買収した。梅田氏は19日のインタビューで有料会員について、現在で約7万4000人いるニューズピックスと合わせ、23年には米国を含む世界で100万人規模に拡大したい考えを明らかにした。

ユーザベースの梅田優祐社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  世界ではインターネットを基盤に新たなタイプのメディアが台頭している。ユーザベースはその一角で、他の報道機関の記事をピックアップし、各業界の主要人物や読者がサイト上で論評できる機能などが人気だ。クオーツは独自記事などをビジネスマンにスマートフォンなどで提供、約2000万人の無料会員がいる。

  梅田氏は、家族も渡米し既に米国で大半の時間を過ごしていると述べた上で、当面本社は東京であるとしながらも、「CEOは常に最大の可能性やチャンスがあるところにいなければいけない。だから東京にとどまらなければいけない理由はない」と述べた。

  梅田氏はクオーツが記事の質を重視し、読者層も20-40歳代とニューズピックスとの親和性が高いことなどから統合効果が見込めるとの考えを明らかにした。ニューズピックスには取材記者が15人前後、クオーツでは世界に約100人おり独自視点の記事も配信。ユーザベースは法人向けに金融情報を提供する「SPEEDA(スピーダ)」も運営する。

  梅田氏はツイッターやフェイスブックなどSNS経由のニュースや情報が散乱する中、「ソーシャルメディアがメディアの将来像になるべきではない」と述べた。むしろ価値があり信頼できる情報に読者がお金を払う時代へのシフトを予想し、差別化には「コンテンツがとても大切」として、独自記事の質を維持していくという。

インタビューに応じる(左から)クオーツのケビン・デラニー編集長、ユーザベースの梅田社長、クオーツのジェイ・ラウフ発行人

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーザベースは08年に設立、16年に東京証券取引所のマザーズ市場に新規株式公開(IPO)した。1-6月期(決算期は12月)の連結営業利益は宣伝やマーケティングへの投資が増えた影響で前年同期比3.1%減の3億円だった。

  ユーザベースの20日の株価は一時前日終値を下回る場面もあったが、午前11時16分現在はプラス圏で推移している。

(第7段落を追加しました.)
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