内戦続くイエメンの子供「520万人」飢餓に直面=国際NGO
国際慈善団体「セーブ・ザ・チルドレン」は18日、内戦が続くイエメンで520万人の子供が飢餓に直面しており、さらに100万人が飢餓状態に陥る危険があると警告した。
2015年から続くハディ暫定政権と反政府武装組織フーシの戦闘で、国内の物価は高騰する一方、通貨の価値は下落し、食料が十分に入手できない住民がますます増えている。
加えてフーシ支配下にある主要港フダイダ周辺の戦闘が続く影響で、反政府勢力支配地域への援助物資が入りにくくなっている。
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セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルのヘレ・トーニング=シュミット事務局長は、「何百万人もの子供が、次の食事がいつ食べられるのか、そもそも食べられるのか分からない状態だ」と話した。
「イエメン北部で私が訪れた1つの病院では、赤ちゃんたちは泣く力もなく、空腹で体力をすっかり奪われていた」
「イエメンの子供世代そっくり、戦争の犠牲になろうとしている。子供たちは爆撃から空腹、そしてコレラのような予防可能な病気など、複数の危険にさらされている」と、事務局長は強調した。
セーブ・ザ・チルドレンは今月初め、2018年の8カ月間で5歳未満の約40万人を重度の栄養不良で治療したと明らかにした。このままでいくと年末までに3万6000人以上の子供が、栄養失調で死亡する恐れがあるという。
フーシは2015年に首都サヌアを含めて国の西部をほとんど掌握し、アブドラブ・マンスール・ハディ大統領は同年初めにサウジアラビアに逃亡した。ハディ大統領は同年9月に帰国したが、首都はフーシの支配下にある。
フーシをイランの手先と見て警戒を強めるサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など9カ国の有志連合は、ハディ政権の復権を目指して内戦に介入している。
国連によると、内戦で約1万人が死亡(3分の2が民間人)したほか、5万5000人が負傷した。
生活への影響は
内戦の影響で、教師や公務員の給料支払いが大幅に遅れている。中には2年近く給与を受け取っていない人もいる。
たとえ収入があったとしても、食料価格は内戦開始当時より68%上昇している。その一方で、イエメンの通貨リヤルはその間に180%下落したと「セーブ・ザ・チルドレン」は指摘する。
イエメン・リアルは今月初めに史上最低レベルに下落し、住民の負担はさらに悪化した。
(英語記事 Yemen conflict: A million more children face famine, NGO warns)