志望校、東大理科三類一本、以上。
これは実力者のみの専売特許ではない。むしろ実力が足りない受験生のための受験戦術だ。
実力が足りない受験生こそしっかり併願をしろ、これが受験の常識なんだろうが、そんな常識はクソ喰らえだ。シカトすればいい。
このブログの読者の中に第一志望一本と宣言できる人はどのくらいいるだろうか。第二志望、第三志望に目を向ければ向けるほど合格は遠のいていく。特に模試で第5志望くらいまでカリカリ書いて判定に一喜一憂している人は危険だ。例えば東大理科一類はD判定だったけど第二志望はB判定・第三志望はA判定!安心した、なんてのがヤバい。どんどん自分に逃げ道を作っていくわけだから。
人間の心理は川の流れと同じ。下へ下へと目を向けていってしまう。逆流に逆らって上流に目を向けようとはしない。学力が足りないなら尚更下を見てはいけない。バンジージャンプだって下を向いたらとても飛ぶ気になんかならない。ヤケクソ感がなきゃ飛べはしない。
第一志望一本の受験戦術をとる最大の目的は、余計な勉強をシャットアウトすることだ。ここで東大理科三類と慶應義塾大医学部を例にしてみよう。東大理科三類と慶應義塾大医学部を併願しダブル合格を果たす人は多いが、理Ⅲと慶應医学部の併願は実力者だけが勝手にやっていればいい。東大理Ⅲと慶應医学部にはかなりの違いがあるからだ。一例を出すと東大理Ⅲは出題傾向があまり変化しないため過去問を中心とした志望校対策が極めて有効だ。しかし慶應医学部は出題傾向が一定しておらず過去問対策があまり役に立たない。もちろん出題内容から頻出分野、配点から科目数まで違う。東大理Ⅲ・慶應医学部ダブル合格者がいる一方で東大理Ⅲには合格しても慶應医学部には落ちるという受験生も多い。東大理Ⅲと慶應医学部にダブル合格するには東大理Ⅲ合格のための勉強だけでなく慶應医学部合格のための勉強もしなければいけない。そんな時間はない。
慶應医学部に限らず併願校を受験すると併願対策に時間と神経を取られる。特にヤバいのが東大対策に集中すべき2月に併願校のために時間をごっそり取られること。仮に早慶などの一般入試を4校受験すると、受験・対策で軽く7日は取られる。僅か24日しかない2月の東大対策に充てるべき時間のうち7日を併願校のために取られるなんてあまりにもバカらしい。直前期の7日間は、通常の1〜2ヵ月分に相当する。そんな貴重な時間をドブに捨てておいて東大落ちましたはないだろう。そりゃ落ちるわ。併願に東大合格を潰された受験生はこれまでに腐るほどいる。実にもったいない。
何がなんでも第一志望に合格したいなら、他の大学に一切目を向けないことだ。第一志望以外の大学に進学し入学式に参加する自分を想像してみよう。そんな自分になりたいか?イヤなら第一志望一本でやるしかない。