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社会

岐阜県、豚コレラへの対応遅れ認める 中間報告発表

 岐阜市内の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、岐阜県が8月下旬に何らかの感染症を疑いながら「熱射病」と判断して防疫措置が遅れたことについて、県は18日、一連の対応を検証した中間報告を発表した。「早期に豚コレラを含む感染症の検査を実施すべきだった」などと不手際を認めた。

 陽性反応が確定し、県が殺処分に乗り出したのは今月9日になってから。古田肇知事は「反省すべきところはしっかり反省し、浮かび上がった課題に取り組んでいきたい」と語った。

 報告によると、市獣医師から病性鑑定の依頼を受けた県中央家畜保健衛生所(家保)は、8月24日に養豚場で豚が衰弱しているのを確認。下痢などの症状が見られなかったことなどから熱射病と判断した。

 その際に実施した血液生化学検査から、同27日には「何らかの感染症が起きている可能性がある」と認識していたという。しかし、熱射病としての処理を続け、豚コレラを疑って抗体検査などにあらためて乗り出したのは、今月3日になってからだった。

 同日から7日にかけては、約80頭が死んでいたとみられる。家保がそうした大量死を把握したのは7日深夜で、報告は「当初から養豚場と緊密に連絡を取り、早期に刻々と豚の死ぬ状況を把握し対応するべきだった」と指摘した。

 また、3日の県の検査開始から、9日の国による感染確定まで「かなり時間を要した」とし、対応が適切だったか、国と連携したさらなる検証をすべきだとした。

 県は当初、初期対応の遅れを伏せていたが、本紙が報じた翌日の12日に公表した。不手際の隠蔽(いんぺい)がなかったかについて、県の検証チームの担当者は「なぜそうなったのかを検証したい」と述べるにとどまった。

 問題の養豚場の周辺では14日以降、死んだイノシシ2頭から相次いで陽性反応が出ており、感染が広がっている可能性がある。

(中日新聞)

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