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長野麦ストロー、生産に限界 プラスチック製廃止問題で注目
海洋汚染が問題となっている使い捨てプラスチック製ストローを廃止する動きが飲食店などで広がる中、松本市寿豊丘の障害福祉サービス事業所・コムハウスが作る「麦ストロー」に注目が集まっている。七、八月だけで例年の一年分の問い合わせがあり、生産が追い付かない状況だ。 コムハウスは障害者の社会参加を助ける目的で、一九九九年に設立。現在は約二十人が利用しており、麦ストローやクッキーの製造で工賃を受け取っている。 麦ストローを作り始めたのは二〇〇一年ごろ。コムハウスの支援者で朝日村出身の歌手上條恒彦さんの妻が、交流のある三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)の関係者から、同美術館のカフェ「麦わらぼうし」で使う自然素材のストローを探していることを聞き、コムハウスに持ち掛けた。 松本市寿や内田地区で借りている畑で農薬を使わずに育てたライ麦の茎を使い、事業所の利用者六~八人が職員三、四人やボランティア四人と手作りしている。 一本二十円で生産は一日六十本が精いっぱいだが、決まった納入先は同美術館だけ。年間年約二万八千本を納めるほかは、年数回注文がある県外の飲食店に残った品を販売するだけで、飛び入りの注文はほとんどなく、これまで生産の限界を感じたことはなかった。しかし、今年七月以降は県内外の飲食店や自然素材の食器などを扱う業者などから麦ストローの問い合わせが急増。七、八月だけで、年間分に相当する五件ほどの問い合わせがあり、全て断らざるを得なかったという。 注文が相次いだ背景には今年七月から、米コーヒーチェーン大手スターバックスを皮切りに、国内外食大手が相次いでプラスチック製の使い捨てストローを廃止すると表明したことがあるとみられる。 生産増には、人手不足解消などが課題。コムハウスの上條郁子副施設長は「注目されるのはいいことだが、生産は限界。支援してくれる人が増えればうれしい」と話している。 (川添智史) 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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