「庶民は見た!私立中学校の日常」のコーナーは,私立中学校に通う親子の日常をご紹介いたします。
私立中学校を考えられている方の参考になればと思います。
私達の娘は,現在,私立中学校の2年生です。
我が家の中学受験は,小学6年生の夏休み明け,娘が「○○中学校に行きたい!」と妻に相談したことから突然始まりました。
このとき受験日まで残り4ヶ月弱!
それまでの勉強は,ごく一般的な通信教材のみで過ごしてきたため,急遽通うことにした塾でも合格は期待しないようにと言われていました。
ですが,志望校に入りたい一心で,娘は平日4時間,休日12時間以上の勉強を続け,難関私立中学校に合格することができました。
入学後,娘は念願の管弦楽部に入り,充実した日々を送っています。
一方で,親である私達夫婦は,ごくごく普通の家庭かつ公立校育ちであり,私立中学校はハードルの高いところでした。
ですので,入学後には家庭環境の違いや金銭面での格差を感じたりなど,庶民ならではの小さな悩みや驚き,ドラマがたくさんあります。
そんな庶民からみた,私立中学校の世界を,少しずつですがご紹介していこうと思います。(当コーナーは,中学受験の時期から,これまでの出来事をピックアップして振り返って書いていきます。リアルタイムな記事にはならないことをご了承ください。)
≪中学校2年生:8月下旬の出来事≫
現在,私はプロジェクト管理者として働いています。
プロジェクトを軌道に乗せるまでの作業は非常に大変で,精神的な負担は大きいです。
プロジェクトというのは,特定の人の能力に依存した体制ですと,大抵の場合は失敗してしまいます。(組織でも同じです)
各人がチームでの役割を意識し,必要に応じて助け合う,チームワークというものが重要なのです。
プロジェクトの人数が多ければ多いほど,チームワークの重要性は増します。
ですが,プロジェクトの参加者が多いと,横柄な態度をとる人が出てきて,チームを乱すことがあります。
このような態度は,能力の高い人に多くみられます。
いかに自分が優れた人間であるか,他のメンバーに対してマウンティングするのです。(一概には言えませんが,私の周りは学歴主義の人に多く見られます。)
その姿勢は,チームの雰囲気を悪くし,信頼関係を壊します。
一方で,チームの重要な要であることも確かで,その人の技術がなければ進まないのも事実です。
そして,そのような問題を解決するのは,心豊かで,チームの雰囲気を良くすることに長けた人なのです。
私は,技術力が高いことよりも,協働の精神をもってチームを上手くまとめる人の方がプロジェクトへの貢献度は高いと考えています。
ですが,こういった人材はなかなかいません。
彼らの話を聞くと,小さな頃から学校生活や部活を通じて,クラスメイトや先輩・後輩と係わり合い,団結力の大切さや,人を思いやる気持ちというものを学んできたのだな,と感じます。
私は,人間関係に起因するトラブルがあると,ストレスで眠りが浅くなります。
金曜日に揉め事があった私は眠りが浅く,土曜日朝3時頃に目が覚めました。
もう一度寝ようと思いましたが,寝付けなかったため,諦めて一階のリビングで映画を見ることにしました。
映画も終盤にさしかかった,朝6時,娘のスマホの目覚ましアラームがなったので,私は手に取ってアラームを止めました。
すると,ほんの一時,待ち受け画面が表示され,私は思わず見入ってしまいました。
待ち受け画面に設定してあったのは,娘が友達と一緒に写っている写真でした。
スポンサーリンク
中学2年生の娘は,管弦楽に夢中で,土日関係なく夏休みも返上で,日々部活に明け暮れています。
部活に一生懸命な娘は,妻からすると勉強が疎かになっているように見えるようで,いつも心配しています。(部活に疲れて,帰宅後の勉強の時間が少ないのです)
私は妻と教育方針が違い,学歴にそこまで拘りを持っていません。
教育に対する考え方の違いについて,妻が書いた記事はこちらです。
記事にも書いてあるように,私の考え方は以下のとおりです。
- 大学が全てではない。やる気になれば,いつでも人生は変えることができる。
- 学歴より本人がやりたいことに向き合って,伸び伸び成長させることも大事。
- 学歴に固執することこそが,子どもの可能性を狭めかねない。
「本人が夢中になれることを仕事にできることが幸せ」だと,お互い感じているのですが,妻はそのために学歴が必要と考えています。
私は,妻の言っていることを理解しているつもりではありますが,一方で,親の価値観(自分の成功体験なり失敗体験で得たことから導き出されたもの)を子供に押し付けているのではないか?とも感じています。
それは,妻だけでなく,私自身にも言えることです。
私の価値観からいうと,高学歴であることより,他人を思いやり,チームワークを大切にする人の方が,社会では必要な人材になり得るのです。
当然,能力が高く,かつ人間関係を良好に構築できるようになるのが理想的ではあります。
ですが,どちらが優先かというと,私は娘に大好きな部活を一生懸命頑張り,そこで協働の精神を学び,心豊かな人間に育って欲しいのです。
娘は小学生の頃,年下や年上の人とは仲良くなれましたが,一方で同学年の子とは,揉め事が多々ありました。(競争心が強く,我が強く,やや協調性に欠けるところがありました)
同学年の中では,自分の方が勉強も吹奏楽も優れている,自分の主張の方が正しいと思い込んでいるといったところでしょうか。
そんな娘が私立中学校に行きたいと私にお願いしにきたのは,小学6年生夏休み明けです。
どんな学校に行きたいのか,私は,妻と一緒に学校説明会に参加し,どのような雰囲気なのか学校見学や文化祭に出向きました。
進学校ではありますが,通常の勉強だけではなく,「心を豊かにする」教育に力を入れており,自己理解を深め,お互いの個性を認めて他者と共生する生き方を学ぶ,そういった方針です。
そこに通う学生達も,まさに,そのように育っているように感じました。
この学校であれば,理想とする教育を受けることができる,そう感じて,娘の中学受験を応援することにしたのです。
希望の私立中学校に入学して1年半。
管弦楽部の友達と一緒に撮ったと思われる写真は,私がこれまで見たことのない「最高の笑顔」を見せる娘が写っています。
校舎の前で自然な姿勢で立つ子どもたち。
娘だけでなく全員が,作り笑顔ではない最高の笑顔を見せています。
ほんの少しの間見えた,待ち受け画面。
それでも,私の心には娘の笑顔が焼きつきます。
少ししてから,妻と娘が寝室から降りてきました。
私は娘に「学校楽しい?」と聞きます。
娘は「うん,凄く楽しいよ。パパありがとう」と言います。
娘が進学校の私立中学校に通っていると知っている知人とは,勉強や進学についてが話題の中心になりやすいです。
ですが,私が娘の通う学校に期待しているのは「どれだけ心を豊かに成長させてくれるか?」という点です。
私は「心豊かな人」が社会に求められると考えており,本人の人生を豊かにしてくれるものと信じています。
娘の心の成長具合は,友達に囲まれた娘の姿や,私に対する言動で伝わってきます。
たった1枚の写真を見ただけで,この学校に行かせて良かった。
心からそう思うのです。
👇私立中学校の関連記事はこちら👇