最近のSEOで取り上げられることが多い概念の1つに「E-A-T」があります。
「YMYL」のジャンルでは、特に高度なE-A-Tを求められるという事をGoogleが明言していますので、YMYLジャンルで検索順位大きく変動した際には必ずと言っていいほど注目される概念です。
Google検索品質評価ガイドラインでも取り上げられるなど、このジャンルの取扱いは年々厳しくなってきています。なお、YMYLについては、次の記事にも詳しく解説していますので、合せてご参照下さい。
参考:【SEO対策】YMYL(Your Money or Your Life)とは? | ブログのちから
ただ、Googleの品質ガイドラインを読み解くと、YMYLジャンルに限らずE-A-Tは存在すると記載されていますので、今後のSEOを考える上で、E-A-Tを意識することが重要となっています。
参考:2018年7月20日版 Google検索品質評価ガイドライン
本稿では、この「E-A-T」について解説しています。
なお、2018年8月に行われたGoogleのアップデートとE-A-Tの関係については、次の記事に記載していますので、合せてご参照下さい。
参考:8.1 Googleのコアアルゴリズム・アップデートと検索品質評価ガイドラインから読み解く対策 | ブログのちから
E-A-Tとは
E-A-Tとは、Googleの検索品質評価ガイドラインに記載されている概念で、次の3つの要素の頭文字をとったものです。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
また、Googleの検索品質ガイドラインでは、サイトまたはページの品質を判断するための基準として「E-A-T」を用いるように指示しています。
なお、品質評価ガイドラインには「E-A-T」について以下の説明があります。
3.2. 専門性、信頼性、信頼性(E-A-T)
(中略)有益な目的を持つ他のすべてのページについて、専門性、権威性、信頼性(E-A-T)の量はとても重要です。
次を考慮して下さい:
●メインコンテンツの作成者の専門性
●メインコンテンツの作成者、メインコンテンツ自身、ウェブサイトの権威性
●メインコンテンツの作成者、メインコンテンツ自身、ウェブサイトの信頼性ゴシップサイト、ファッションサイト、ユーモアサイト、フォーラム、Q&Aページなど、あらゆる種類のサイトでさえ、高いE-A-Tをもつページやサイトが存在することを覚えて置いて下さい。
・コンテンツ作成者
・コンテンツ
・ウェブサイト
のそれぞれについて、E-A-Tが言及されている点。そして、専門性はコンテンツ作成者、権威性と信頼性は作成者、コンテンツ、ウェブサイトそれぞれに言及されている点ですね。
YMYLのトピックで「everyday expertise(日常の専門性)」を持つことさえ可能です。
(中略)
医療情報やアドバイスについては、医師または他の医療従事者から提供されるべきです。
E-A-Tは新しい概念ではない
ちなみに、E-A-Tは YMYL と同様、最近になって話題に上ることが増えましたが、実は新しい概念という訳ではありません。
2014年3月31日付けで更新された、Googleの検索品質ガイドラインには既に「E-A-T」が記載されています。
参考:Googleの検索品質評価ガイドラインが大幅改定、高品質サイトに求められるのは「E-A-T」 | 海外SEO情報ブログ
なぜ今「E-A-T」が取沙汰されているのか
では、なぜ今「E-A-T」が重要とされるようになったのか。
これも、YMYLと同様、2017年12月に実施し、今なお改善され続けていると思われる「健康アップデート」が大きく影響しています。
健康アップデートとは、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したアップデートの通称で、Google ウェブマスター向け公式ブログには以下の記述があります。
例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
2017年12月の健康アップデートでは個人が運営しているサイトの多くが検索順位が大幅に下がるなどの影響を受けました。
特に2018年8月のコアアルゴリズム・アップデートでは、それまで影響を免れてたサイトも大きく検索順位を下げられた印象ですね。
(医師が監修しているサイトや医師の運営するサイトでも大幅に順位を落としたという報告もあります)
Gooleは E-A-T をどう評価しているのか
以上のように、今後はE-A-Tを意識すべきだというのは分かりますが、問題はGoogleが
GoogleはE-A-T(専門性・権威性・信頼性)をどこで判断しているのか
ですよね。
現時点での答えは、
「ハッキリ言って解らない」
です。
実際、検索品質ガイドラインを読み下してみても、Googleが E-A-T をどこで判断しているのかを正確に読み取るのは難しいんです。
ただ、品質ガイドライン上にヒントなりそうな記述が見て取れます。
例えば、次の1文。
私たちは、特定の百科事典の記事の著者を常に知っているとは限らないので、記事のE-A-Tを決定するために、ウェブサイトの評判のリサーチに頼らなければなりません。
これは、評判の良いウェブサイトであれば、コンテンツにも良いE-A-Tを設定するということでしょうか。
また別の項目には以下の記述があります。
15.0 E-A-Tとニーズとの関係
E-A-T評価スライダはクエリに依存しません。 LPにE-A-Tレーティングを割り当てるときはクエリを考慮しないでください。
E-A-Tは検索クエリによって変動するものでは無いということですね。
E-A-Tを高めるには
という訳で、E-A-Tを高める施策も明確ではありません。
また、検索品質ガイドラインはGoogleが目指す品質ガイドラインではありますが、あくまで「品質評価者」と言われるサイトを目視でチェックする人たち向けのドキュメントです。
なので検索順位を機械的に決定するアルゴリズムにどれだけ組み込まれているのかまでは分かりません。
参考:コンテンツ作成者のレピュテーションをGoogleは検索アルゴリズムに本当に利用しているのか? | 海外SEO情報ブログ
結局のところ、
「ユーザーに有益」な「高品質なコンテンツ」を作り続けるしかない。
というのが今のところの答えになりそうです。
ただし、
- 「信頼できる情報源からの引用」を使って論旨に信頼性(エビデンス)を持たせる。
- 特定のトピックの網羅性を上げる。
- 特定のトピックで著名な方に寄稿して貰う。
など、高品質なコンテンツ作りに関しては出来る事は色々とありますが。
以上、参考になれば幸いです。