ダム操作のルールに固執して事前放流せず、「確信犯的な殺人だ」と住民怒りの声
横田一
2018.09.18
「記録的豪雨が来る」と知りながら、「ルール」にそって事前放流せず
9月3日の愛媛県ダム視察を終えた宮本岳志衆院議員(共産党)が、現地での国交省の説明を紹介したとたん、地元住民は怒りをぶちまけた。
「ダム下流域が浸水することが分かって大量放流をしたのなら、確信犯的な殺人やないか!」
超党派議員連盟「公共事業チェック議員の会」の国会議員5名は9月3日、大量放流で下流域に浸水被害をもたらした「野村ダム」(西予市)と「鹿野川ダム」(大洲市)を視察。国交省中国四国整備局のダム管理事務所からのヒアリングで、急激な大量放流をするに至った致命的な操作ミスが明らかになったのだ。
その致命的なミスとは、「中小規模洪水」を対象とした現行のダム操作規則が今回のような「大規模洪水」では急激な大量放流を引き起こすのは確実なのに、不適切な現行ルールに固執し続けてしまったことだ。
国会議員に配布されたダム放流量の推移(グラフ)を見ると、アクセルとブレーキを踏み間違えたような“自虐的操作”が浮彫りになる。
7月5日14時に気象庁が異例の記者会見を開いて「かつてないほどの記録的豪雨の恐れがある」という予測(警告)を出したのだから、ダム管理の現場でも当然、迫りくる記録的豪雨に備えて事前にできる限りの放流をして貯水量の余裕を持たせる体勢を整えるべきだった。
しかし実際には野村ダムでは、雨が激しくなっていく最中の7月6日22時から放流量を一定(300トン)に保ってダムを満杯に近づけてしまった。
治水機能がほとんど発揮できない“無防備状態”に記録的豪雨が襲って来た結果、翌7日6時20分から「異常洪水時防災操作」と呼ばれる垂れ流し状態に陥った。20分間で1000トンも急増する緊急大量放流で下流の水位が一気に上昇、死者5名。浸水650戸の大きな被害を出したのだ。
今この記事も読まれています
ハッシュタグ
横田一は、他にもこんな記事を書いています
ニュース・レジスタンス
分解スキル・反復演習が人生を変える
なんでこんなにアホなのか
現役愛人が説く経済学
安達 夕
清水建二の微表情学
都市商業研究所
コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」
不動産執行人は見た
炎上したくないのは、やまやまですが
「丸腰国家」コスタリカ次の戦略
ガマンしない省エネ
石橋叩きのネット投資術
橋本愛喜
たまTSUKI物語
老舗の智慧
月刊日本
一般人の知らない「クスリ」の事情
「ダメリーマン成り上がり道」
漫画で考えるミソジニー
ロボティア編集部
「パレオな男」の快適ビジネスヘルスハック
越境厨師の肖像
闇株新聞
”アーチャリー”松本麗華の視線
ブラック化する日本企業への処方箋
石原壮一郎の【名言に訊け】
ファイナンシャルフィールド
一年以内に離島・孤島でサブスリー!
あのサラリーマン漫画をもう一度
マッチョ社長の「筋トレで解決しない悩みはない!」
決算書で読み解く、ビジネスニュースの深層
アスリートのセカンドキャリア考察
草の根保守の蠢動
文系サラリーマンでもできる!iPhoneアプリ開発
仕事に効く時代小説
中学校武道必修化の是非を問う
江藤貴紀「ニュースの事情」
深読みビジネス書評
江川紹子の事件簿
税理士・道下知子の税金相談室
投資で稼ぐ力~男に依存しない力を身につける
現役財務官僚が語る日本財政の真実
香ばしい人々returns
農家の窓から
パーソナル戦略PR術
広告やメディアで人は動くのか会議