- アマゾンとアップルは、フリーランチなど食事の無料提供を社員特典として提供していない。
- 食事の無料提供は、シリコンバレーの大手企業では人気の社員特典。だが法律による大幅な規制が動きが出てきている。
- カリフォルニア州クパチーノにあるアップル本社の食堂は、会社からの大幅な補助を受けて運営されている。
- シアトルにあるアマゾン本社で働く従業員たちは、本社内の食堂か近隣のレストラン、いつも来ているフードトラックで食事を手に入れる。
アマゾンとアップルは、従業員に無料で食事を提供するというシリコンバレーのトレンドを捨てた。
そして今、カリフォルニア州の一部地域は、従業員への食事の無料提供を規制することで、地元飲食店を支援する法案の導入を始めている。アップルやアマゾンに追随するテック大手が出てくるかもしれない。
アマゾンとアップルのランチの様子を見てみよう。
カフェテリアの巨大なガラスドアはスライドして開く。晴れた日には太陽の光と新鮮な空気が楽しめる。
「この背景には、人は無料で提供されるものに対しては、ありがたみを感じないという考えがある」とアップルの元エンジニア、サマド・シディッキはQ&Aサイト「Quora」に投稿した。「無料だと、たくさん取って、たくさん無駄にする」。
だが以前伝えたように、ジョブスは社内で誰かと食事する際、自分の会社をだまして、無料で食事を手に入れる方法を編み出した。彼はCEOとして報酬を年1ドルしか受け取っていなかった。彼が自分の社員証で自分と同席した人の食事代を支払うたびに、会社がそれを負担することになった。
シディッキは、アップルのカフェテリアには「非常に高品質のメニューが、極めてリーズナブルな価格」で揃っていると記した。一例として、10ドルの新鮮な寿司セットをあげた。
また一方、ある部署、特に残業が多くなりがちな部署の従業員は、アップルの元ハードウエア・エンジニアでQuoraユーザーのエド・チャング氏によると、会社から払い戻しを受けることができる夕食をオーダーできる。
アップルやFacebookといった他のテック大手とは対照的に、アマゾンは食事関連の社員特典を提供していない。アマゾンのエグゼクティブ・リクルーター、ブリタ・アルティヒによると、そうすることで、アマゾンの従業員が街に出て、シアトルの飲食店を探すことを意図している。
アマゾンの広報担当社者は、ダウンタウン・シアトル・アソシエーション(Downton Seattle Association)の調査によると、アマゾンが2010年にサウス・レイク・ユニオンに移転して以来、「この地域には2000店以上の店がオープンした」とBusiness Insiderに語った。
本社ビルの1階には、複数のコーヒーショップが店を構えているとアルティヒ。一部は一般にも開放されている。
アルティヒの一番のお気に入りは、エルム・コーヒー・ロースターズ(Elm Coffee Roasters)。シアトルで「一番のマキアート」があると彼女は語った。「あそこでコーヒーを飲むためだけに、わざわざ本社ビルでミーティングすることもある」。
「非常にフレキシブルな」スケジュールのおかげで、彼女のランチのバリエーションはさまざま。食事をオフィスに持ち込む日もあれば、長いランチを楽しむ日もある。
ときには、近くのエバーグリーンズ・サラダ(Evergreens Salad)でサラダを買い、本社内のどこかに座って食べる。「暖かい日には、外で食べると楽しい」とアルティヒは語った。「ただ陽の光を楽しみながら、サラダを食べる」。
ゆっくりと食事を楽しみたい時は、バロロ・リストランテ(Barolo Ristorante)のイタリア料理がお気に入り。彼女の定番メニューは、ロメインレタスのグリル焼きと自家製ドレッシングを添えたチキンシーザーサラダ。
ラビオリもお気に入り。だが「食べた後に眠くなるので、時々しか頼まない」と付け加えた。
またときには、アマゾン従業員の“定番”も利用する。フードトラックだ。アマゾンの広報担当者によると、毎日、50台を超えるフードトラックが集まる。
アルティヒのお気に入りは「I Heart My GFF」のフードトラック。GFFは「グルテン・フリー・フード」の頭字語。彼女が良く注文するメニューは、フェタチーズ、レッドパプリカ、ブロッコリー、ネギ、そしてチキンが入った「サンシャイン・ボウル」。
出典:Yelp
ハッピーアワーになっても、本社には「アマゾン・バー」はないとアルティヒ。ただし、同社のブラジル・ビルなら、下の階に降りて、同じビルにあるサムズ・タバーン(Sam's Tavern)に行ける。近くには他にも、ローカル(Local)やブレイブ・ホース(Brave Horse)といった人気店がある。彼女によると「ブレイブ・ホースの「プレッツェルとビールは素晴らしい」。
アルティヒによると、ビジネスランチや「チームの成功」を祝うために、従業員がよく一緒に繰り出すのがアマゾンのカルチャー。「食事は人と人を結びつける」と彼女は語った。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)