海上自衛隊は17日、南シナ海で対潜戦訓練を行ったと発表した。
訓練は、平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊(護衛艦3隻「かが」「いなづま」「すずつき」及び搭載航空機5機)とベトナム海軍への親善訪問部隊(潜水艦1隻「くろしお」)が参加し、13日に行われた。
護衛艦や搭載航空機がソナーで潜水艦を探査し、潜水艦は探知されないように護衛艦に接近するという実戦的な形式で行われた。
情報元:対潜戦訓練の実施について
対潜戦訓練中の「かが」と「かが」搭載航空機、出典:海上自衛隊
今回の訓練は、フィリピン西側の公海上で、支那が引いた独自の境界線「九段線(きゅうだんせん)」の内側で行われたという。
実任務に就く潜水艦が、南シナ海で訓練したと公表されるのは今回が初めてである。
九段線とは、支那が南シナ海での領有権を主張するため、地図上に独自に設定した9本の境界線である。もちろん、国際法上は認められていない。
出典:アラフォー ブログ(W)
対潜戦訓練終了後、平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊(護衛艦3隻「かが」「いなづま」「すずつき」及び搭載航空機5機)は、更に各種訓練を実施しつつ、現在は太平洋を航行中である。
ベトナム海軍への親善訪問部隊(潜水艦1隻「くろしお」)は17日、南シナ海に面するベトナムの軍事要衝カムラン湾の国際港に寄港した。
海上自衛隊の潜水艦が同港に入港するのは今回が初めてで、支那との間で南シナ海の領有権問題を抱えているベトナムとの連携をアピールする狙いがありそうだ。
海上自衛隊が潜水艦の行動を公表するのは異例だ。
今回の南シナ海での対潜戦訓練と合わせ、支那をけん制する狙いがある。
支那はスプラリー(支那名:南沙)諸島に人工島を建設し、滑走路やレーダーも建設済だ。
更に、パラセル(同:西沙)諸島にも地対艦ミサイルを配備済だ。
これに対して、米海軍は人工島周辺の海域を通過する「航行の自由作戦」を3ヶ月に1~2回のペースで行っている。
米国と支那の対立は軍事面だけではない。
米国は現在、支那からの輸入品500億ドルに対して、追加関税をかけている。
近日中には更なる追加関税も予定している。
米国は現在「世界の覇権国家」であり、その地位を支那に渡す訳にはいかないのだ。
日本や台湾、ベトナム、フィリピンなどにとっても、支那の海洋進出は脅威だ。
シーレーンが危うくなる。
支那のこれ以上の海洋進出を抑えるためにも、対支那で各国が連携する必要がある。