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【政治】

グアム狙うミサイル 地上イージス「迎撃可能」

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 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法の成立から十九日で三年。集団的自衛権の行使が想定されるケースとして、北朝鮮が昨年八月に予告した米領グアム島周辺への弾道ミサイル発射に対応するため、日本政府が導入を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が迎撃に使われる可能性があることが新たに分かった。防衛省が本紙の取材に対し、見解を示した。 (新開浩)

 グアムを狙う北朝鮮の弾道ミサイル発射予告を巡っては、小野寺五典(いつのり)防衛相が昨年八月に国会で「米国の抑止力の欠如は、日本の存立危機に当たる可能性がないとは言えない」と説明。安保法に基づく存立危機事態と認定されれば、海上自衛隊のイージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM3で対応可能との認識を示した。

 グアムの米空軍基地は、北朝鮮の核施設攻撃を担う戦略爆撃機を配備。日本に対する核攻撃を抑止する拠点とされている。小野寺氏の発言は、グアムの戦略爆撃機が出撃できなくなれば核抑止が効かず、日本の存立を脅かす可能性があるとの考えを示したものだ。

 当時は地上イージスの導入決定前だったため、導入した場合の対処を本紙が防衛省に改めて確認した。同省担当者は「存立危機事態と判断した場合、迎撃のために使える武器は使えばいい。地上イージスで対応することも理論上は考えられる」と回答した。

 ただし、地上イージス配備の目的については「あくまで日本の領域を守る観点で設置する」と説明した。

 地上イージスは日本政府が昨年末に導入を決定。配備候補地として、陸自の新屋(あらや)演習場(秋田市)、むつみ演習場(山口県萩市、阿武(あぶ)町)の二カ所を検討している。

 

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