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異世界で交換日記してた元女勇者レベル99が、リアルで彼女になりました。 作者:SchwarzeKatze

サクラサク

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花見の約束

「…。」


僕は眠れずにいた。

リノンとシルビィは、どんな思いで裏エンディングに

挑戦したんだろう?

リノンはともかく…シルビィは?

僕もリノンと会うことが出来てうれしい。

でも…。


「トントン」

「リノン?」

「うん、入ってもいい?」

「いいよ。」


リノンがパジャマ姿で現れる。

…こうしてみると、まだ現実か疑いたくなる。

でも、なんだか慣れてきたような気もする。


「リノンも眠れなかったの?」

「うん、少し…ね。」


僕を巻き込んだからだろうか?

リノンは少し元気がない。


「…私ね…、ユウスケと同じ学校に行けるか、

不安なんだ…。」

「?」

「現代社会がうまく行かなくて…。」


…そうか、リノンはリノンで学校に行けるかが

不安なんだ…。

…僕が抱えてた不安もあるけど、リノンはまた別…。


「大丈夫だよ。

他の教科が良ければ、何とかなるから。」

「うん…。」


僕は自然とリノンの頭に手を差し伸べていた。

ゆっくり、リノンの頭を撫でる。


「それと…。」

「ん?」

「巻き込んじゃってゴメンね…。」

「いいよ…それよりも、明日の吉報を待とうよ?」


僕は巻き込まれてもいい。

だって…リノンと会えたのだから…。

もし、可能であれば、リノンと同じ学校生活をしたい。

…これはもう我儘なのかな…。


「…そうだ、大樹に連絡しなきゃ!!」


僕はスマホをとり、大樹にメッセージを送る。


・・・・・

今日はありがとう。

とりあえずは僕だけがモンスターとエンカウント

するみたいだから、大樹は心配しないで?

・・・・・


大樹へのメッセージにはすぐに既読が付き、

大樹からメッセージが届く。


・・・・・

いいんだよ。

モンスターと戦うのも楽しそうだしな。

あまり気にするな?

それと、彼女ちゃんと紹介してくれよ?

学校で…なんて言ったら、寂しいからな!

・・・・・


「あ、今日巻き込んじゃったお友達?」

「そうだよ。

黒田大樹って言うんだ。

リノンを紹介する約束をしてたんだよ…。」

「へぇ…。

じゃあ、早く紹介してよ!」


リノンは目を輝かせて、僕に言う。


「そうだな…明日、学校の連絡が来てからとかは?」

「うん!」


リノンの了承も取れたので、大樹にメッセージを送る。


・・・・・

彼女と話したんだけど、明日学校の連絡があってから、

遊びに行かないか?

そこで、紹介するよ。

・・・・・


・・・・・

わかった。

じゃあ、連絡待ってる!

あと、彼女にもよろしく伝えてくれ。

今日見たけど、可愛いな!

羨ましいよ。

・・・・・


「…可愛いって言われた…。」


リノンが顔を赤らめる。


・・・・・

うん、今彼女と見てるから、

もう伝わったよ。

じゃあ、また明日!

・・・・・


・・・・・

え?

彼女とって…。

…邪魔して悪い!

お休み!!

・・・・・


ん?

僕、変なこと言ったっけ?


「明日の楽しみ増えたね♪」

「そうだね。

そろそろ桜も見ごろだから、

3人で花見でもしようか?」

「花見?」

「うん、花を見て、食事しながら話すの。」

「なんだか楽しそうね♪」


リノンは嬉しそうに、自分の部屋に戻っていく。


「そうだ、ユウスケ。」

「なに?」

「…私の姿…目に焼き付いてる?」

「…!?」

「えへへ☆お休み~☆」


…そして、僕はまた眠れなくなった…。、


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