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【首都スポ】

[ラグビー]アルカス熊谷から移籍の末が三重パールズで活躍中!

2018年9月15日 紙面から

密集戦から展開プレーまで、フルタイムで働く末。パスも全力で!

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◇太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ第3戦・富士山裾野御殿場大会

 富士の裾野でラ組女子が奮闘! 女子7人制ラグビーの太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ第3戦・富士山裾野御殿場大会が8~9日、静岡県裾野市で開催された。5月の秋田大会に続き同カードとなった決勝は、三重パールズが日体大を破り2大会連続優勝。総合優勝争いは10月13~14日の最終戦、三重県鈴鹿大会に持ち越された。今春、埼玉・アルカス熊谷から三重パールズに移籍して優勝に貢献した末結希(すえ・ゆうき、24)ら、今大会で輝いたラ組女子の躍動を紹介する。(文・写真=大友信彦)

 表彰式。優勝した三重パールズにあって、喜びをひときわ爆発させていたのが背番号12、今季アルカス熊谷から移籍した末結希だった。

 5月の秋田大会に続く優勝だが、「春の大会のときよりも落ち着いてゲームをコントロールできました。準備してきたことが出せました」と笑顔をみせた。その言葉通り、大会では6試合すべてに出場。得点に絡んだのは、プール初戦の千葉ペガサス戦で決めた1トライのみだったが、グラウンド狭しと走り回ってはタックル、サポート、密集戦に体を張り…まさに獅子奮迅の働きだった。

 東京学芸大在学中にアルカス熊谷に参加。大学を卒業した2016年4月からは熊谷市役所に勤務し、男子15人制の19年W杯日本大会に関わる業務に就きながらプレーを続けていたが…。W杯まで1年半後という時期に、熊谷を離れた。

 「アルカスの仲間にも熊谷市役所のみなさんにもよくしていただいていたし、愛着もあったんですが…」

 移籍へ導いたのは、昨年8月の女子15人制W杯の経験だった。日本代表に選ばれ、フランカーとして全5試合に先発。果敢なタックルとワークレートの高さで奮闘したが、チームは目標の8強には及ばず、最後の11位決定戦で香港に勝ったのみ。世界の壁の厚さを痛感した。

優勝を決め、表彰式で喜ぶ三重の選手たち。後列右が末、前列左が斎藤主将=9日、静岡・裾野市陸上競技場で

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 4年後、世界で勝ちたい。そのためにはどうしたら…そう悩んでいたとき、声をかけてくれたのが、サクラフィフティーン(女子15人制代表の愛称)の主将でもある三重パールズの斎藤聖奈主将だった。

 「パールズでは、ニュージーランド(NZ)のトップ選手たちと一緒に毎日練習できる。自分を高められると聞いて、やってみたいと思いました」

 パールズは15年創設の若いチームだが、NZ代表クラス6人を擁し、招待チームとして出場した昨年11月の太陽生命シリーズ富士山裾野御殿場大会で初優勝。入れ替え戦に勝利し、今季からコアチームに昇格した。

 「NZの選手たちと身近に接して彼女たちの強さが分かりました。練習では言われた以上のことをやる。チームで決めたルールはしっかり守るけど、自分たちから新しいことも提案する。意識が高い。良いお手本になります」

 新たな発見もあった。自分は15人制向きの選手と思っていたが、「今はセブンズも楽しい。こんなに楽しかったっけ? と改めて感じています」とニッコリ。見据えるターゲットは21年の15人制W杯で揺るがないが、セブンズの経験が自分のプレーの幅を広げるならプラスだ。九州・長崎で生まれ、東京で学び、熊谷で働いたラ組女子が、新天地でさらなるレベルアップに挑む。

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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