「うきよのおはなし(はてな)」一周年記念企画、『男色比翼鳥』巻1の1読み直しの続きだよ!
取り上げて欲しい作品やテーマは引き続き募集中だよ!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】
奥村幸手軒(をくむらかうじゆけん)とゆふもの有是ぞ文あり武あり勇(ゆう)有(あつ)
てたのもしき男彼(かれ)を頼(たのま)ばなんじらが力共なるべき
ものぞかし殊に彼と無二の中に山下半平市川源蔵両
人ハそちたちに縁(ゑん)あるもの尋逢(あふ)て知契(ちけい)のむすび
をなしとも/\敵を討べし時に両人夢の内に謹(つゝしん)で
承りありがたき御つげしかしながら武蔵(むさし)迄ハはるか道へ
たゝりぬそのうへたくハへたる路銀も候ハずいかゝして
立越申さん時に御仏のたまはくその義も我能(よき)に
はからハん就(つい)てハなんしらにはなし聞する諸分
あり抑(そも)/\天竺(てんぢく)まかた国のかたはらに宝万(ほうまん)と云長
者(ちやうじや)難波(なにハ)のよどや二三十合せた程の分限(ぶんげん)福(さいわい)ハ家にあまり
殊(ことに)比翼姫(ひよくひめ)とて一人の娘(むすめ)持(も)てり近邊に并(ならび)なき美(ひ)人貴妃(きひ)もそこのけ
※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
【現代語表記】
奥村幸手軒(おくむらこうじゅけん)と言う者有り。
是ぞ文あり、武あり、勇(ゆう)有(あ)って頼もしき男。
彼(かれ)を頼(たの)まば、汝等(なんじら)が力共なるべき者ぞかし。
殊に彼と無二の中に、山下半平、市川源蔵、両人は、そちたちに縁(えん)ある者。
尋ね逢(おう)て、知契(ちけい)の結びを為し、共々敵を討つべし。
時に両人、夢の内に謹(つつしん)で承(うけたまわ)り、
「有り難き御告げ。
しかしながら、武蔵(むさし)迄は遥か道隔(へだ)たりぬ。
その上、蓄えたる路銀も候わず。
如何(いかが)して立ち越え申さん。」
時に御仏宣(のたま)わく、
「その義も我、能(よ)きに計らわん。
就(つい)ては、汝等(なんじら)に話し聞かする諸分け有り。
抑々(そもそも)、天竺(てんじく)マガダ国の傍(かたわ)らに、宝万(ほうまん)と言う長者(ちょうじゃ)、難波(なにわ)の淀屋(よどや)二、三十合わせた程の分限(ぶんげん)、福(さいわい)ハ家に余り、殊(こと)に、比翼姫(ひよくひめ)とて一人の娘(むすめ)持(も)てり。
近辺に並(なら)びなき美(び)人、貴妃(きひみ)もそこ退(の)け
【さっくり現代語訳】
[牛島の近くに]奥村幸手軒(おくむらこうじゅけん)と言う者がいる。
彼こそ文武両道で勇ましく、頼もしい男である。
彼を頼りにすれば、お前たちの力になるだろう。
特に彼の無二の親友の、山下半平、市川源蔵という二人は、お前たちに縁がある者だ。
訪ね会い、その二人と男色の契約をして、一緒に敵を討つのだ。」
音羽之丞と緑之助の二人は、夢の中で畏(かしこ)まって聞き、
「ありがたいお告げでございます。
しかしながら、関東までは遥(はる)かに遠く、その上、旅費も蓄えておりません。
どうやって行けばよろしいのでしょうか?」
文殊様は、
「その事に関しても、ちゃんと考えてある。
だが、先立ってお前たちに話して聞かせねばならぬことがある。
かつて、天竺(てんじく)[インド]のマガダ国の近くに、宝万(ほうまん)と言う長者(ちょうじゃ)がいた。
大坂の豪商の淀屋を二、三十合わせたほどの大金持ちで、ただでさえ家に有り余るほど富み栄えているのに、その上、比翼姫(ひよくひめ)と言う一人娘まで授かった。
比翼姫は、近辺では相手になる者がいないほどの美人だった。
楊貴妃(ようきひ)も「あっち行け!」と追い払われ、
【解説】
関東に行って奥村幸手軒という人物を頼れば、二人の願いが一挙に叶うというわけです。
奥村幸手軒って作者の奥村政信と同じ名字ですが、まさか、自分をモデルにして登場させたんじゃ???
関東までの旅費が無い二人ですが、文殊様はぬかりなく、ちゃんと何かしらの手配をしてあるようですが???
というか、その前に説法が始まってしまいました。
話が長くなければいいのですが。。。
次回予告とくずし字クイズ
文殊様のお話に新たな登場人物が!
三つ目コーナー
僕が主人公のBL作品のタイトルが決まったよ♪
「三つ目入道・輪入道・蛸入道! 三大入道大決戦!」
もう完全にBLじゃなくなってるし。。。
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