時々身内からも言われるのだが、
「お前は人々に夢を与えるのが仕事やろがぁ!」

あのな、一度しか言わないけど、

んなもん知らん。

日本国憲法の何条何項に書いてあるか教えて?
ていうかそれ、法的拘束力あるの?

お前の思い込みを他人に押し付けるのは是非やめてもらいたい。
お前のルールが全部押し付けられる王国でも作ったら別だが。


何度かこのブログでも触れた、もっとも尊敬する作家・綿矢りさの『夢を与える』。
僕はこれを読み終えた時、戦慄と興奮で寝られなかった。

「夢を与える」ことを期待されたジュニアアイドルが、次第に自分の役割に違和感を抱き、反抗心をむき出しにすることすらなく、あれよあれよという間に足がもつれ、世間からドロップアウトする話だ。

何度も言うが、僕はこれを読んで『WUG』の根底のコンセプトを固めた。
「人様に夢を与えられるなんて思い上がるんじゃねぇ!」ということだ。


『響』もそうだったが、表現の嘘など簡単にバレる。
仮にバレずに熱狂してしまうバカな観客は、やがて重荷になる。
そしてしまいには、自分のやりたかった表現を忘れてしまう。

今年全滅状況にある劇場アニメ、皆これだ。


所詮ムラ社会の方便でしかない「夢を与える」なんてプロ意識、そんなものは捨て去って、みんな真剣に、そして正直に、真実の表現に取り組むべきではないだろうか?
宇野さんやたつき監督は、確かに身を賭してその意志を貫こうとしている。
応援こそすれ、邪な「ムラ意識」で揶揄するバカは、今こそ白昼夢のような「夢」から覚め、業界の現状を目を逸らさず見つめるべきだろう。

でなければ、お前らいつまで経っても「夢の中」だ。
それを生きていると言えるのだろうか?植物人間と同じじゃないの?


夢は与えたり与えられたりして見るものではない。
自分で勝手に寝てから見るものだ。

目の前に広がっているのは、ただ現実だけなのだ。
起きていて見る夢は、ただの幻覚だ。
幻覚の中で生きていたい!と願うのは勝手だが、せめて健常者ぶるのはやめてほしい。
そして是非病院に行ってほしい。