イチローもこう言っている。
「僕らは好きなことを職業にしている訳で、実際それはそうなんだけども、周りが思っているほど楽しくはない。職業にして、技術や精神を磨く行為は、草野球の楽しさとは全然違う。だから、たとえば子供達に『楽しいから野球選手になれ』なんて、とても言えない」

未だにアニメ業界は「アニメが好きだー!」と言い続けなければいてはいけないような、新手のカルト宗教かよ、みたいな気持ち悪い同調圧力があるが、好きだからこそ苦労する。好きなものに人生賭けちゃったから苦しむ。これはどの業種でも当たり前なのではなかろうか。

真剣にやってない、手抜きばかりしている、苦しむまで自分を追い込んでいない、そんな中途半端なバカが「アニメやってて楽しい!」と言ってしまえるのだろう。
求道者の口から「楽しい」なんて単語が出る訳がない。

「好きなこと」に命賭けてるから、「楽しい」なんて口が裂けても言えないのだ。


アニメを現実逃避の道具にするのは勝手だが、現実逃避を強要するのだけはやめてほしい。
僕らにとって、アニメとは紛れもない「現実」だからだ。逃避したければ、アニメを辞めるしかない。