昨日9月16日をもって引退した
これは9月16日に沖縄・宜野湾トロピカルビーチ特設会場で開催された、安室への感謝を込めた花火ショー「WE ▼ NAMIE HANABI SHOW supported by セブン-イレブン」の前夜祭として行われたもの。安室のほか、
15日の前夜祭で1番手を務めたのは平井堅。アコースティックギターの伴奏による「ノンフィクション」でイベントの幕を開けた。MCで平井は自身が本イベントに招かれた理由について「やはり顔? 安室さん、僕を沖縄出身だと思われたのかな?」と分析して場内の笑いを誘った。トークを挟み、平井は安室の「WANT ME, WANT ME」をカバーし、スパニッシュギターふうのカッティングをバックに熱唱。自身の大ヒット曲「POP STAR」では着ぐるみ姿のダンサーも登場してフロアを盛り上げた。
2組目は地元沖縄からMONGOL800が登場し、「あなたに」「DON'T WORRY BE HAPPY」で勢いよくライブをスタートさせた。キヨサク(Vo, B)は「同じステージに立てる日が来るとは!」と感激した様子をにじませ、「僕たちで安室しーじゃー(先輩)に、何かできないか?と考え、今日のために"TRY"してきた曲をやります!」と宣言。そして彼らは「TRY ME ~私を信じて~」をカバーし、エイサーとスカの要素を取り入れたアレンジでオーディエンスの気持ちをつかんだ。ラストには「小さな恋のうた」で大合唱を巻き起こし、キヨサクが「安室しーじゃー、ありがとう!」と叫んでステージをあとにした。
続くBEGINは、「まさか僕らに声がかかるなんて! 油断してました……」と比嘉栄昇(Vo)が出演オファーに驚いたことを素直に話しつつも、「奈美恵ちゃんの大事な歌を、みんなで一緒に歌いましょう!」と呼びかけた。彼らは琉球王国を舞台にしたドラマ「テンペスト」の主題歌で、地元の人にとっても思い入れのある楽曲である安室の「Tempest」をカバー。合唱が生まれ、場内は感動的なムードで満たされた。続けてBEGINは「オジー自慢のオリオンビール」で「奈美恵ちゃんは地球では引退しますが、10年後に火星でライブやってるかも!」などとユーモラスなコメントを飛ばすなどして会場を沸かせた。
イベントの終盤、ついに安室奈美恵がステージ最上段に姿を見せると、場内からは割れんばかりの声援が巻き起こる。安室は2月から6月にかけて行われたドームツアー「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」でも披露した「Hope」を1曲目に届け、続けてざまに「Showtime」を歌唱して会場をヒートアップさせた。またスクリーンにこれまで安室と他アーティストがコラボレーションしたミュージックビデオの数々がランダムに映し出されたあとには、舞台に平井が登場。そして2人は2014年発表のコラボ曲「グロテスク」を披露し、ステージでの初共演を果たした。平井が握手と抱擁を交わしたあとにステージを去ると、スクリーンには再びMVが。そして画面から抜け出すように台湾の歌姫として名高いジョリン・ツァイが姿を見せた。2015年に台湾・台北でのコンサートにおいて共演した経験を持つ2人だが、日本でのライブ共演はこれが初めて。兼ねてより親交のある安室とジョリン・ツァイは息の合ったパフォーマンスで「I'm Not Yours」を歌い上げた。
その後、サプライズで山下智久が登場。山下の姿に場内は騒然となり、悲鳴にも似た黄色い歓声が響き渡った。安室と山下は2011年発表のアルバム「Checkmate!」から「UNUSUAL」でコラボ。初共演ながらも2人でポーズをしっかりと決め、観客を楽しませた。サプライズは続き、続いてはDOUBLEとのコラボ曲「BLACK DIAMOND」のMVがスクリーンに放映され、途中からDOUBLE本人が姿を見せ、安室と共にパフォーマンスを行った。DOUBLEは安室に向けて、「25年間いてくれて、ありがとう!」とねぎらいの言葉をかけて、抱きしめた。
4組によるコラボが終わったあと、ライブ終盤は再び安室がソロでパフォーマンスを行い、ラストにはこれまでのライブヒストリーをたどる映像をバックに「How do you feel now?」を歌唱。場内では安室の歌う姿に涙を流す観客の姿があちこちに見られた。全演目を終えた安室は右腕を大きく振りながら「ありがとうございます!」とファンにお礼の言葉を述べる。続いて、この日の参加アーティストをステージに呼び込み、「素晴らしいアーティストに大きな拍手をお願いします! 今日この会場に来ていただいた皆さま、本当にありがとうございました!」と挨拶し、ステージをあとにした。終演アナウンスが始まっても、場内では惜別の情に駆られたかのような「奈美恵」コールがしばらく鳴り止まなかった。
なお翌16日の昼には沖縄コンベンションセンターの劇場棟でライブ映像上映会「We ▼ NAMIE 応援上映」、夜には宜野湾トロピカルビーチ特設会場で安室の楽曲に合わせて1万2000発の花火が打ち上がった「We ▼ NAMIE HANABI SHOW」が開催された。花火ショーには3万人もの観客が安室の引退に思いを馳せながら参加。この花火ショーは安室本人も鑑賞しており、引退の日の夜に彼女は穏やかな表情で花火を見上げていた。