別にダメなことじゃないんですけどね。
前々から存在は知っていたんですけど、なんとなく読んでませんでした。
人間って、なぞの矜持みたいなの持ってません?
「これを面白いと感じたらダメ」みたいな。
「凄い気になるけど、逆に読みたくない」みたいな。
私の場合はこの「ヲタクに恋は難しい」がその対象だったんです。
謎の意地
我ながらめちゃくちゃアホらしい意地ですけどね。
心の中で「オタクは体のいい言い訳じゃないぞ?」と思ってるフシがあります。
自分がオタクなのを言い訳にしてハンディキャップみたいに使うのは見苦しい。
ついでに、そもそも自分をオタクというジャンルに入れてるのが個人的に好きではありません。
なんで
「好きなアニメがある人間」とか
「カメラに凝ってるサラリーマン」
みたいな区分けじゃなくて「オタク」にするんだろうと思ってまして。
好きなものがある、だからオタクだ
じゃなくて
自分はオタクだ、だから熱中するものがある
みたいに順番が逆になってる気がするんです。
オタクは言い訳じゃないぞ
先に「自分はオタクだからな〜」と言い訳するのは何か違うんじゃないかという気がします。
「オタク」というワードを自分の好きなように使って、セルフハンディキャッピングしてるわけですよね。
そうすると「オタクなのに恋してる自分凄くない?」みたいな卑しさをなぜか感じとってしまうんですよね。
別に自分に害があるわけではないので、大した問題ではないんですけどね。
ただ単に私が斜に構えてるだけなのかもしれません。
でもオタクという言葉を見るとこう考えてしまいます。
これは個人的な意見で、自分がそういう作品はあまり好きじゃないなってだけの話です。
ヲタクに恋は難しいのか?
というわけで読んでなかったんですけど、
先日なんとなくKindleで読んでみました。
隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、ルックス良く有能だが重度のゲーヲタである宏嵩(ひろたか)とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。 Amazon紹介文より
雑なあらすじとしては、「いわゆる"オタク"の理想を書いてみた」みたいなマンガでした。
まあ創作ってそういうものですかね。
長身イケメンで無口なイケメンゲーヲタと、愛嬌は凄いけど仕事が出来なくて貧乳でBL好きな同人絵師。
理想のオタク像みたいな感じですよね。
Twitterの絵でよく見かけて、今では嘘松って言われそうな感じの。
そんな隠れオタOLがなぜかイケメンでオタクに理解あるゲーマーに好かれるところからお話が始まります。
初出が2014年なのもあってネタが古めです。
モンハンの紅玉ネタとか久しぶりに見ました。
私にとってはドンピシャのネタです。
感想
正直、普通に楽しめました。
理想を体現してるアニメって見ててキツくなることないですか?
SAOとか結構そうなんですけど、見てて「うぉぅちょっとキツイ」みたいになることが私はあります。
この「オタクに恋は難しい」も「オタクの理想の恋を体現してみた!」みたいなマンガですけど、そのキツさをあんまり感じなかったんです。
作中にオタクだからこそのポイントが少なかったのが幸いしているかもしれません。
”理想の人間像”みたいな個性がたったキャラが「オタク」要素を介してイチャコラする話なので、妄想のような現実離れした感じがあります。
しかしまぁ、好き嫌いが分かれそうなマンガだなとは感じました。
「オタクの理想の恋」みたいなマンガなのでムズ痒さを感じる人もいるかもしれません。
「異世界転生で俺ツエー」みたいなライトノベルとかも流行ってますけど、創作の主人公に自己実現させるのがブームなんですかね。
オタクの妄想話
オタク云々の話もあって、なんとなく「この作品を楽しむのはな〜」と勝手に考えていました。
「オタクなのにカワイイ私が、イケメン幼馴染でオタクに理解あるクールキャラに好かれちゃった!」
みたいな、自慢話のようなノリを感じる作品なので距離を置いていました。
まぁ普通に面白かったんですけどね。
良くも悪くも軽い”オタク要素”をきっかけに恋愛してるマンガなので、ヘビーなオタクネタが無かったのが良かったのかもしれません。
Twitterでよく見かけるような「同人作家ネタ」とか「オタクが○○ネタ」みたいなのが楽しめる人には合う作品だと思います。
褒めてるんだか貶してるんだか。
ライトなオタクの妄想話って感じのラブコメが楽しめるなら、ぜひ読んでみてください。
kindleで一巻は無料で読めるので、試し読みだけでも。
レビューでも、一巻はとくにキツイみたいなのが散見されますね。
二巻以降は少女漫画路線に切り替えたと見かけたんですが、手を出して楽しめるかどうか…