Yahoo知恵袋で気になる質問があったのでコメント。
今回はFXには関係ない記事なのであしからず。
ホンダのパワーポイントエンジニアリング
ホンダは異常なほど報告資料や説明資料の
パワーポイント作成業務が多いです。
またホンダの研究所では技術開発をサプライヤーに
丸投げしていることが大半なので、
パワーポイントのみで仕事ができてしまいます。
そのため、パワーポイントでエンジニアリングができる
”パワーポイントエンジニアリング”という造語が
社内で揶揄されています。
このパワーポイントの資料作成時間は非常に多く
恐らく業務時間の半分以上はパワポの紙芝居を作成しています。
つまり上司や部署内への資料作成の時間がほとんどです。
私はこのパワーポイント エンジニアリングが大嫌いでした。
説明資料を一生懸命作るのではなく技術的なことが
したいと思ってホンダに入社しましたから。
プロジェクトXで見たCVCCエンジンの開発秘話、
16戦15勝で圧倒的な強さを誇ったマクラーレンホンダ、、
ホンダに入れば技術開発に命を賭ける仕事が
出来ると疑っていませんでした。
実際に入社して下請け企業に丸投げの指示や
パワーポイントの紙芝居が主たる業務と知って酷く落胆しました。
情報系の大学院を出て、自動運転や先進安全のソフト開発の部署に
配属されたのですが、数年間在籍して1行もコードを書かなかったです。
そもそもホンダにとって”ソフトを開発”するのが仕事ではないのです。
ソフト開発の部署なのに、、
実際の技術開発はサプライヤーがおこない、
システムの評価もサプライヤーがおこなう。
ホンダの社員はパワーポイントで紙芝居を作るのが主たる業務。
上司や同僚は技術開発を数年、数十年とおこなっていないので
ソフト開発のスキルが低いどころが、何も知らない。
それどころか、技術開発はホンダの仕事じゃないと
管理職が若手達に説教をしていました。
転職して技術開発ができる仕事になって実感しましたが
パワーポイントを一生懸命作成して良い製品が作れるとは思わないです。
やはりエンジニアとしては泥臭く技術的なスキル向上に
時間を費やすべきだと思っていますから。
パワーポイントエンジニアリングの一番の問題点は
プレゼン技術で技術的な課題をごまかせてしまうことにあります。
短時間のプレゼンでは評価者も
細かい技術的な課題に気づく事はなかなか難しいです。
そのため評価者も良いプレゼンに対して高評価を与えるようになり
資料作成者も見栄えの良いプレゼン資料を作成する事が目的となります。
本来は技術的な背景や課題について説明することに時間を費やすべきなのに
パワポのアニメーション・フォント・色使いといった
プレゼン資料の見栄えに時間を費やしていきます。
私はこのようなホンダのパワーポイントエンジニアリングの風潮が大嫌いでした。
ホンダで初めて資料を作成した時に技術的なことでなく
パワポの見栄えばかりに注意された事を今でも覚えています。
(技術的な意見を上司に求めていたのに、、)
現在もホンダでは技術的に優れた人ではなく、
良いパワポ資料を作成出来る人が出世していくようです。
また技術指向の強い若手達の多くが
入社して数年でホンダを去っていきます。
ホンダが復活するためにはこのような風潮を
改善しなければいけないと思うのですが、、
ホンダはこのようなパワーポイントエンジニアリングの他にも
システムや部品の”機能買い”という問題も抱えています。
機能買いについてはまた機会がありましたら記事にしようと思います。
(気になる方は”ホンダ” ”機能買い”でググって見てください)
【追記】
ホンダの機能買いについても記事にしました。
興味のある方はこちらの記事も見てみてください。
ホンダの機能買い【ブラックボックスの制御システム】
ホンダの機能買い②【ブラックボックスの制御システム】
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