こんにちは、しーたかです。
少し前にいただいたお酒ですが、今回はコチラ『裕恒 HIROHISA 純米吟醸 紅(あか)』を紹介します。
石川県小松市の西出酒造のお酒です。
2017年に横浜高島屋で開催された『こだわり千花繚乱日本酒まつり』で出会って一目惚れした銘柄(酒蔵)です。
1度は財政難により経営を手放したものの、平成26年に経営権を買い戻し19年ぶりに酒造りをスタートさせたことで話題になりました。
当ブログで西出酒造のお酒を紹介するのは、これで4度目。
低価格帯の『春心(はるごころ)』、高級ラインの『裕恒(ひろひさ)』のどちらも、穏やかで芯のある素朴な味わいで気に入っているんですよねー。
さて、今回いただく 『裕恒 純米吟醸』ですが、2017年までは1種類のみのリリースだったところ、2018年から『紅』と『白』の2種類で発売されるようになりました。
今回初リリースされた『紅』は西出酒造ではおそらく初チャレンジであろう『雄町』仕込み。『白』は従来通り山田錦を使用しています。
米違いで楽しんでもらいたいということなのですかねー。せっかくなので両方買いたかったのですが、予算の関係で今回は『紅』だけ購入しました…(笑)
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『裕恒 HIROHISA 純米吟醸 紅』超・超上質な日常酒といったイメージの1本。穏やかでしっかり旨味が乗ってるのに品のよさも感じられます。
『裕恒 HIROHISA 純米吟醸 紅(あか)』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料名 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 雄町 100% |
精米歩合 | 50% |
アルコール分 | 16度 |
精米歩合は50%、純米大吟醸を名乗れるスペックではありますが、裏ラベルの商品説明には「純米大吟醸つくりを迎えるために感覚を研ぎ澄まし清める儀式的なお酒です。」とありますので、あえて純米大吟醸とは名付けないんでしょうかね。
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、ややツンとしたアルコールの香り。かなりおとなしめですが、バナナ、白玉のようなニュアンスを感じます。
口に含むと、滑らかなタッチで柔らかい甘旨みが忍びこんできます。
SSIの4タイプ分類で言えば醇酒といったところでしょうか。やや爽酒寄りの爽やかな含みもありますが、ライト過ぎず、かと言ってキツ過ぎず、いい塩梅できもとしてますね。
雄町らしいコクを余さず表現しつつもデリケートなタッチ。舌に乗ってから飲み込んだあとの余韻まで、どのフェーズを切り取っても全くカドがありません。
きもと造りでスタイルの近いお酒だと『山城屋 1st class 純米大吟醸』がありますが、クオリティーとしては今回の『裕恒』の方が一枚上手のように感じました。
比べて優劣をつけるつもりはないんですけど、同じスタイルのお酒だとどうしても比較してしまいがちですね…。
マイルドで豊かな甘旨味の中から、やや強めの酸がくっきりと表れます。
酸味を感じたあとは、まるで優しくほどけていくように繊細で長い余韻が続きます。あーこりゃあいいですぞ。
そんなわけで今回いただいた『裕恒 HIROHISA 純米吟醸 紅(あか)』、深い旨味と品のよさを合わせ持った上質な日常酒でした。
純米吟醸のお酒としてはややお高めの価格設定ですが、全然値段に負けないクオリティーだと思います。
4合瓶で3000円以上のお酒というと、ハレの日に飲むであろう香り華やかな大吟醸タイプのお酒が多いですが、このお酒はデイリーで飲みたくなる味わいというのもひとつミソかもしれないですね。
こういう玄人好みするお酒がポンポン売れていくようになると、日本酒業界の未来は明るいのでしょう。
デイリー酒の価格ラインはもっと引き上がってしかるべきだと思います。
それではまた。
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