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【ゴルフ】

ラーメン、カツ断ちダイエット 8年目 香妻がツアー初V

2018年9月17日 紙面から

ツアー初優勝を決め、インタビューで涙を流す香妻琴乃=新南愛知CC美浜Cで(浅井慶撮影)

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◇マンシングウェアL東海C<最終日>

 ▽16日、愛知県美浜町・新南愛知CC美浜C(6446ヤード、パー72)▽曇り時々晴れ、27・1度、北北西2・6メートル▽賞金総額8000万円、優勝1440万円▽55選手(うちアマ2人)▽観衆9331人

 首位と3打差で出た香妻琴乃(26)=サマンサタバサ=が8バーディー、ノーボギーと、この日の最高スコアの猛攻で逆転し、プロ8年目でツアー初優勝を飾った。1打差にアン・ソンジュ(韓国)、新垣比菜(19)=ダイキン工業=、イ・ミニョン(韓国)、岡山絵里(22)=ニトリ=の4人が入り、鈴木愛((24)=セールスフォース=はアマチュアの安田祐香(兵庫・滝川二高3年)らと並ぶ6位に終わった。

 香妻は人生3度目のプレーオフを覚悟して、パッティング練習をしていた。「18番のプレーオフで今日のピン位置なら、フックラインのパットになる。そればかりやってました」。誰かが追いついてくると思っていたが「優勝、決まったよ」の声が届いた。賞金トップの申ジエ(韓国)欠場による繰り上げ出場の機会を生かした快進撃だった。

 プロデビューから気がつけば8年目。キャディーに「ゴルフしててよかったね」と言われたら、涙があふれた。会見場でそれを思い出すと、また頬がぬれた。「この2年、QT(出場予選会)の成績も悪くて、ゴルフがすごく嫌いな時もあった。だけど…こういう日が来た。すごくうれしかったです」

 プロ4年目の14年、敗れはしたが2度のプレーオフを経験し、初シードを手にした。しかしその年の10月、突然の腰痛に襲われた。「寝返りもうてず歩けない。せきをしても痛い」。翌年以降は何度も再発し、思うような練習ができずゴルフがおかしくなった。

 「試合に出られない。スポンサーに申し訳なくて」。所属、用品契約など7つの企業スポンサーを持つ香妻。今季はトレーナーのケアに加え、50万円の電気治療器を購入し、再発回避に力を注いだ。7月末からダイエットにも取り組み、大好きなラーメンとトンカツを断ち、毎日5キロのランニングを日課にした。

 14年の部門別で1位だったパッティングにも精を出した。インドアスクールでストローク解析を受け、過去のビデオで昔のグリップを見つけた。「ここ何週間で良くなってくれた。今日はアドレスでボールと体が離れないよう、それだけを意識しました」。パターの復調が初Vを後押しした。

 次の目標は最終戦のメジャー、LPGAツアー選手権リコー杯での優勝だ。一方でツアーきってのエンターテイナーとの評判もあり、本人に水を向けると「私、笑えないぐらいのオンチなんで、見よう見まねで何でも踊ります。少女時代とか…」と意外な一面ものぞかせた。 (月橋文美)

 

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