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2013年05月04日(土)

[][][]劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 大いなるネタバレ含む感想Add Starwenokikumattamofu_fusa

 シュタゲの映画。負荷領域のデジャヴ。盛大にネタバレしている。

 俺は悲しかった。いいところを挙げるならば、一つだけかもしれない。エンディング曲が良かったこと。

 悲しい。助手が可愛かったという前評判しか聞かなかったが、それも俺にとってはいいところではなかった。あざとすぎた。あまりに文学的すぎた。のっけからいきなり、運命の扉がどうのこうのとか独白してしまっていた。それだけでは別に悪くないが、のちに展開されるあまりにも文学的な性質には、どうにも辟易というか、俺が愛したクリスは、こういうクリスではなかったと思った。

 世界線を移動する話なのだから、それぞれの人物は、一切、人格が変容していったり、成長したりしないはずなのだが。ゲーム本編で見られたあの、普段は女性らしく振る舞いながらも、難解な話題とか問題が近くにあると、目の色を変えて興味を示し、すぐに解けないと躍起になって没頭し、周りのことがあまり目に入らなくなり、その様子を揶揄されると照れて怒り、やがて問題を解決したり理解したり解答を発展させたりするとドヤ顔をし、それをまた揶揄されると照れて怒ったり、拙く言い返したりするさまがクリスティーナの魅力ではなかったか。

 それにもかかわらず、言葉は悪いが、単なるツンデレ女に成り下がっていたように感じられた。そしてデフォルトオカリンのことを好きであり、相克も何もなく、失われたものを取り戻すという構図をこなすだけの筋書きであった。

 そもそもシュタインズゲート世界線にようやくたどり着いたのに、その近くに存在するR世界線に逆戻りしてしまうという課題は、腑に落ちな過ぎた。似たような世界線は無数に束として近接しているというイメージであったはずだが、なぜ、他の残酷な運命を奇跡的に回避した、ほとんど唯一といっていいらしいシュタインズゲート世界線の近くに、そんな恐るべき世界線が存在しているのだろうか。しかも、シュタインズゲート世界線でもクリスはタイムマシンタイムリープマシンも作成してしまっている。それは本当に理想郷のような世界線といっていいのか。原作の前提をも崩し、あの絶望的な苦難苦節は、やはり報われない、ダメな世界線にしか到達できなかったということを意味しないか。

 だって、オカリンに「ここは大丈夫な世界線なんだ」と思わせるためにクリスが施した処置が、まゆしぃを探し求めていた過去のオカリンに、バス停で、なんかよくわからん講釈をちょっとだけ垂れて、キスするというのは、何が何だかわからない。P氏いわく「とんだビッチ」である。

 シュタゲで俺が最も絶望的であり好きである部分は、オカリンが別の世界線に移動することで放棄した世界線は、ただオカリンと共に、画面の向こうの俺らも移動して、放映されなくなるだけで、依然として存続し続けるという点だ。千代田線でマジキチお嬢ちゃんに突き飛ばされてまゆしぃがグロくなった世界線も、鬼畜SERNにフラクタル化されてゲルしぃにされてしまった世界線も、ウワーッてなってオカリンがヘッドホンバリバリやったところで、どっかの世界線として存在しているのである。そんな悲しいことが許されていいのだろうか。

 オカリンの目的が、そんなクソクソな結末の中に身を置きたくなく、みんな健在で、未来ガジェット研究所で楽しくやりたい、ということであれば、話は非常に明快であるのだが、どうやらそうでもない。この映画でも、あるいはゲーム本編でもそうであったような気がする。

 映画は決定的で、クリスとまゆしぃが健在であるならばそれでよく、自分は消えてしまっても構わない、お前らは過去に戻って成功するまでのトライアンドエラーはするな、と言って消える。これは、オカリンの目的が、ユートピアへの到達ではなかった、あるいは、ユートピアを追い求めてもユートピアにはたどり着けず、ユートピアを追い求めていた主体の自分がぶっ壊れて結局到達した意味がないから追い求めるべきではないと悟り目的が変容したことを示していると思う。が、だいたいまゆりやクリスを救いたいっつったって、他の世界線ではバンバン死にまくってるんだから、移動したってもともと意味がない。悲しい世界線の存在が確認された時点で、既に悲しいはずだ。オカリンは、幸せな世界線に到達して、他の世界線へ思いを馳せることをやめるか、悲しい世界線をぜんぶ削除するぐらいのことをしなければいかんのだ。

 まあそこまで言わなくてもよいかもしれない。オカリンだって人間だから、一つの信念にのみ基づいて行動しているわけではなく、ぶれながら、その時々の強い感情で、矛盾する行動をとったり、矛盾する心理になったりするんだ、と擁護することもできる。目的が変容した説でも、別にいい。理想的な世界線の中に身を置きたいと思ってたが、それは無理ゲーだ、やんない方がいい、と宗旨替えしたという解釈もできる。

 しかしながら、そうだとすると、そういう物語を観たことになってしまうわけだ。ブレた男の物語。別にいいのだが。いや、よくない。俺がブレてしまった。大槻ケンヂ先生か。茶化しが過ぎるか。

 結局ブレた男の物語であれば、俺は悲しいという結論になる。

 だってやっぱり、棄ててきた世界線が、俄然、バリバリ存在してるっていうのがどうしようもない。消し去る方向で頑張るってのはどうだ。シュタインズゲートに到達したが、棄てられた世界線の亡霊が浸食してくるので、すべての悲劇の元を断つための過去への旅をするというのは。これがすべての救済にはならないか。筋書きを進言してもしょうがないか。

 街を歩いてる最中に、登場人物の股間のアップが10秒ぐらい続くというのもどうだ。フェティシズムに訴えかける京アニ手法じゃないんだから、と思って俺は一瞬顔を背けてしまった。気恥ずかしくなってしまった。助手のシャワーシーンも、まあいい……のだろうか? あざとさを感じないように努めたが、努めた時点で幸せにはならなかった。未来から来た鈴羽の動機も弱かった。でもありゃ出てこないとダメだもんなあ、鈴羽。苦しかったように思う。

 クリスがどこかで言っていた。「橋田とまゆりとの三人だけじゃ寂しい」みたいなことを。他のラボメンとは何だったのかと、その瞬間は思った。なんか、それぞれがかけがえなく思っている総体が、それぞれで違うんだよな。それはまあ、いいか。

 感動しなかった。叩きたいという気持ちは特にないが、ただただ悲しい。それほど悲しむこともないか。テクスト論的に、原作を独立のものとして、心に持ち続けていれば、何も悲しむ必要などないのだろう。そうだな。悲しくなどない。俺は悲しくなんてない。あるわけがない。

akabosiakabosi 2013/05/05 07:30 ほぼほぼ同意見です。
ただ、一点だけ
>棄ててきた世界線が、俄然、バリバリ存在して
ここは別の解釈をしました。

捨ててきた世界線はやっぱりなかったことになっていると思います。
何故なら世界線を移動するには因果を書き換える必要があるからです。
過去が変わったために、現在が書き換わる。それが世界線移動だからです。

劇場版の世界線移動は原作のソレとは異質で、
RSを持つオカリンだけがなぜかR世界線に引っ張られるという
超イレギュラーな設定に基づいています。
ゆえに、イレギュラーな今回に限り、
本来1つしか観測されないはずの世界線が、
オカリンと、それ以外に観測される2つの世界線に
増えてしまったのではないでしょうか。

puriketu99puriketu99 2013/05/05 13:37 そういえばDメール送信時の世界線の挙動とオカリンの挙動ってよくわからんな
1.送信元と送信先の世界線は同一であり、送信先の地点から新規のブランチが別れ、作中ではオカリンの観測対象は新規ブランチに移動
元のブランチはそのまま継続?
2.送信元と送信先の世界線は同一であり、送信先から世界線が上書きされ、オカリンはRSで記憶保持のまま送信時と同じ時点に移動
これは話がわかりやすいが、世界線の定義がよくわからなくなる
世界線を遡って改変することは不可能で、歴史的な事件によってブランチが別れるだけのものだと思っている
3.送信元と送信先の世界線は別であり、送信先の世界線が改変され、作中ではオカリンの観測対象は送信先のブランチに移動
元のブランチはそのまま継続?

rilakkumarilakkuma 2013/05/26 23:30 自分には難しすぎてさっぱりですわい┐('д')┌

YOUNGYOUNG 2013/06/02 18:45 Revinは日本のヘンリー・ダーガーだと思う!

名無しの観測者名無しの観測者 2014/10/16 23:43 >>puriketu99puriketu99
1年前のコメに失礼しますw
人が見ているのは、Xという時間軸です
Xの時間軸は、何年何月何日何時何分と理解できるでしょう。
では、Y方向の時間軸の場合どうか?
このY方向の時間軸こそ、ダイバージェンス数値なのだと思います。

普段、時間を一本の線でしか見れない。つまり、一次元でしか考えられない事を、二次元。
平面で考えた結果が、世界線なんだと思います。

Dメールによって過去を変えたという、一般的な時間とは別の流れの時間が生まれます。
よって、1y上のx軸から、2y上のx軸に時間が流れたと捉える事が出来ます。
Dメールを送信したのは、1y上のx軸
Dメールを受信し、過去が変わったことにより、2y上のx軸に移動します。

つまり、Dメールを送信したというのは、"過去"なんです。
オカリンはただ、Dメールを送信した後の未来へと、y軸の方向に時間が進んだだけなんでしょう。
この場合、1y上のx軸に、送信したという過去が存在しているので、祖父のパラドックスは起きないわけです。

アルファ世界線とかはもしかすると、タイムマシンが発明される、タイムマシンが来る、リーディングシュタイナーが目覚める。
そういった、y軸の時間移動が起きる時の、z軸上の移動なのかな? 多分。


本文さまへのコメ
「一切、人格が変容していったり、成長したりしないはずなのだが。」
劇場版作中では、SGに来てから、最低でも1年以上経過しています。
クリスがお酒を飲んでいた事から考えると、18から20になる程度には時間が経過してるんじゃないでしょうか?
今の時代、フィクションといえども、未成年の飲酒には厳しいので。
最高2年。最低1年ちょい。 それだけの時間があれば、精神的成長だってしますよ。

そもそもシュタインズゲート世界線自体がご都合主義ですよね・・・。

これはあくまで推測ですが、シュタインズゲート世界線とは、3次元の時間軸に存在してるんじゃないでしょうか?
x軸の時間を過去改変する事により、y軸方向へ移動する。
更にy軸を変えたことにより、z軸方向へ移動した。
血を流してるクリスを発見した岡部が重要であり、その時に死んでいるか、生きているかはわからない。
この時に、生きているように過去を変動させた(当時死んだと観測したわけではないので問題がない)
それにより、クリスが死んでいるy軸上のx軸から、クリスが生きているz軸上の、y軸上にあるx軸と捉えられる。

R世界線は、シュレーディンガーの猫ですかね
y軸とx軸を変えた先にあるz軸。
そこに岡部はいる。だが、誰もそれを観測しきれて居ない。
そして岡部も、その世界線を観測しきれていない。
常に、SG世界線と岡部共に、存在が揺らいでいる。
その世界線にしかない記憶を作る事により、岡部にその世界線を観測させた。
クリスが岡部と同じ状況に陥る事により、岡部を観測した。

よってSG世界線と岡部は存在することに成功した。
R世界線とは、その揺らぎじゃないかと推測します。

あ 2016/05/07 14:06 別に過去の世界線が並列に存在するわけではありませんよね。R世界線が特別という話です 
別にまゆしぃが残酷に死んだ世界線もいまなお存在するわけではないと思うのですが

ss 2018/05/27 19:34 理解力なさすぎて草
世界線は原則常に一つしか存在しないから
稚拙な理解でストーリーに文句つけてるのはほんと恥ずかしいからこの乱雑で体をなしてないテキストは削除した方がよくね

rev84rev84 2018/06/03 13:19 俺がお前なら恥ずかしくて自殺してる

今更ですが今更ですが 2018/09/16 01:28 話を理解できない人が偉そうに低評価をつけるのが悲しい
視聴するか否かの参考にしている人がこのレビューを参考にしたらと思うとまた悲しい
簡単に一つだけ指摘しておくと
世界線変動⇨世界は再構築される
世界線を移動することで悲劇は回避できた世界として作り直される
岡部倫太郎の主観だけの話ではない

rev84rev84 2018/09/16 10:44 俺も一つだけ指摘しておくと、俺は偉そうじゃなくて偉いんすよ

あきれたあきれた 2018/09/17 00:26 こんな意見もあるのか、と思いながら読んでたけど
コメント欄見てガッカリ
所詮、反対意見に顔真っ赤にしかなれない
ガキのような人間の浅い考えってことか

あきれたあきれた 2018/09/17 00:26 こんな意見もあるのか、と思いながら読んでたけど
コメント欄見てガッカリ
所詮、反対意見に顔真っ赤にしかなれない
ガキのような人間の浅い考えってことか

rev84rev84 2018/09/17 08:25 自分は殴ってもいいけど相手には殴り返されなくないってこと?

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