人工知能について知っておくべき6つのこと

テクノロジー

人工知能AIというキーワードを日々の生活の中で頻繁に聞くようになった将棋自動運転チャットロボットなど多くのシーンで利用されている これだけ人工知能AIが発展し身近で利用されるようになっているが人工知能AIの研究はまだまだ発展途上といってよいだろうこれからもっと多くの人たちが研究開発を進めていくことでより高度な人工知能AIが生まれてくるはずである

現時点では人間と同レベルの学習をおこない適切な判断をくだす人工知能AIはあらわれていないしかし特定の分野だけに絞れば人間とほぼ同レベルの能力をもつ人工知能AIは存在している これらが何を意味するかというと人工知能AIが人間を追い抜くのは時間の問題ということである何をもって人間を追い抜いたとするかが議論されるが子供が成長していくように経験したことから自ら学習し改善を試みさらに人間と同様に感情を持ち始めたら人間を追い抜いたとしてもよいのではないだろうか

コンピュータの処理速度は日進月歩で高速化され扱うデータ量も膨大になっているこのようなコンピュータが人間と同様の能力を手に入れたときコンピュータは人間を超えたといってもよいだろう

人工知能AIについては弊社でも専門的に扱う技術ではないが近い将来インターネットやスマートフォンが急速に普及したように人工知能AIがビジネスのベースとなる未来がすぐ近くまで来ていると考えている 人工知能AIが発展する時代に備えITに従事する人は人工知能AIに関する技術力を少しでも身につけそうでない人は少しでも人工知能AIについて理解しておいても損はないはずである

1.人工知能AIとは

人工知能Artifical Intelligenceという言葉を聞くと以前から聞いたことがある人が多いのではないだろうか しかし明確に何を表すものなのか具体的にどのようなものか詳しくイメージできないのではないだろうか

1.1. 人工知能AIの定義

人工知能(AI)はまだ一般的に明確な定義は存在していない

人工知能AIは簡単にいえば人間のように考え推測して判断することができるコンピュータのことを指しているこれだけを聞くとほぼ人間と同様な知能をもったものとおもいがちだが人間の知能に似せたものこれも人工知能AIに含まれるそもそも人間の知能や知性についても定義がないのであやふやであるが

例えばオセロゲームの対戦相手Computerであるこれも人工知能AIであるあたかも画面の向こう側で人間Playerが思考しているかのうようにオセロをプレイするのである

もちろんこのような人工知能AIには学習して強くなるといった機能はないが状況に応じてある一定の手をうつことができる これはComputer用の専用プログラムが組み込まれており特定の条件がそろった場合には〇〇に置くなどの条件分岐が事前にプログラミングされていのだ
これも列記として人工知能AIに分類されるのである

1.2. 強いAIと弱いAI

人工知能AIには強いAI弱いAIがある現在世間一般的に広まっている人工知能AIと呼ばれるものは弱いAIに分類される強いAIは世界でまだ誕生していないのだ

弱いAI特定の分野にだけ秀でた人工知能AIのことを指している 例えば将棋をおこなう人工知能AIである完全に人間を追い抜いているわけではないが一般の人よりもレベルが高いといえるだろう しかしプログラムされたこと以外のことはしない人間のように幅広い知識を持ち合わせたり自意識を持つことはないのだ このため弱いAIとよばれている

一方強いAIは人間に迫る知識を持ち自ら考え行動するような人工知能AI強いAIというこの人工知能AIは人間のように推論し価値を見極め判断し行動する 残念ながら現時点ではこのような人工知能AIは誕生していない

現時点では一見複雑におもえることは弱いAIとして実現できているが雑談話や人間の何気ない行動のように気まぐれととれるようなことは実現できていない 人間のようなゆらぎをもつ答えを導き出すのはコンピュータにとっては不得意分野であるゆらぎをより柔軟に表現し知能自意識を持ち始めたとき強いAIが誕生するのかもしれない

2. 人工知能の歴史

人工知能AIは近年になってはじめてブームが起きているわけではないこれまでの歴史の中で2回ほどブームは起きているどのような経緯を経て現在に至っているか知るためにも簡単に各人工知能ブームの概要を紹介していく

人工知能歴史

2.1. 第1次人工知能ブーム

1940年代前半人間の頭脳は電気信号と化学変化により動いているということからデジタル計算機に対してと呼ぶような記事が見受けられるようになった

1943年神経生理学者のウォーレン・マカロックWarren McCullochと数学者のウォルター・ピッツWalter Pittsはじめて人工ニューロンについて論文で発表をおこなうニューラルネットワークの基礎がすでにこの時点で出来上がっていたのである

1946年世界初のコンピュータ※ENIACが登場し報道ではこれを巨大頭脳と称された

1950年数学者のクロード・シャノンClaude Shannonチェスのためのコンピュータプログラミングという論文を発表している この論文は画期的でチェスの局面をすべて数値化して次のもっともよい展開を探索する方法について考察を行っているのだ
同年コンピュータ科学者のアラン・チューリングAlan Turingが考案したコンピュータに知能があるか診断する※チューリングテストの考案がおこなわれた

1956年アメリカのダートマス大学で開かれたダートマス会議で初めて人工知能という言葉が使われた

第1次人工知能ブームは人工知能AIにとって探索・推論の時代と呼ばれている

※ENIAC:アメリカで開発された黎明期の電子計算機コンピュータ
参考:ENIACとは(Wikipedia)

※チューリングテスト:ある機械が知的かどうか人工知能であるかどうかを判定するためのテスト
参考:チューリングテストとは(Wikipedia)

2.2. 第2次人工知能ブーム

第1次人工知能ブームでは単純な推論をおこなうものが主流であったその後1980年代から1990年代半ばは第2次人工知能ブームとされておりより複雑なことがおこなえるようになった

この時ブームの発端となったのは※エキスパートシステムである人工知能としてより人に近くなるように知識を与えるようにしたのだ専門家が持つ知識を一つ一つ人工知能に記憶させ該当する事象から徐々に対象を狭めていき回答を導き出すといったものであった 具体的には医療用に感染症を診断して推奨される薬物療法コースを示すというものだ※Mycin

日本国内でも当時人工知能AIに対する大きな期待が寄せられて第5世代コンピュータプロジェクトなるものが発足した約570億円もの費用がつぎ込まれたのだが結果的には大きな成果を得ることができなかった

そもそもとしてエキスパートシステムには欠点があった知識は与えられたが人間が持つような常識という概念をもたせることが困難であったのだ

医療は人の命を救うことが大きな目的になっているが人工知能は命を救うという大前提を理解していないいわば常識がないのであるこのような常識知識として教え込むには膨大な量があり限界があった さらに当時のコンピュータでは処理能力が低く高性能で高価なコンピュータが求められコストがかかるといった欠点も露呈したのだ

このような問題もあり第2次人工知能ブームも期待には及ばずブームは去っていった

だが何も残されなかったわけではない1980年代はニューラルネットワークについての概念・手法が提案されていたのであるこれが後に第3次人工知能ブームの立役者となる

※エキスパートシステム:専門的な知識を有し意思決定するものをさす
詳細は3.7. エキスパートシステムを参照

※Mycin:伝染性の血液疾患を診断し対象の抗生物質を推奨するシステム
参考:Mycinとは(Wikipedia)

2.3. 第3次人工知能ブーム

第2次人工知能ブームでは人工知能に知識を与えより人間に近くなるようになったさらにニューラルネットワークにも注目された だが当時のコンピュータの能力ではニューラルネットワークを完全に再現することが難しく入力中間出力の3階層程度しか実現できなかった

では第3次人工知能ブームは何を発端に再燃したのだろうか?

火付け役はディープラーニング深層学習が大きく影響している このディープラーニング深層学習は簡単にいえばニューラルネットワークの考え方をベースに深い階層まで入出力を繰り返す仕組みである こうすることで今まで以上に高い精度で学習ができることが判明している

ディープラーニング深層学習は2006年にジェフリー・ヒントンGeoffrey Hinton教授が論文で発表したことに始まるほぼ同様のアイディアは1979年の日本ですでにネオコグニトロン畳み込みニューラルネットワークという形で発表されていた

ではなぜ注目されたのだろうか?

  • ディープラーニング深層学習によって得られた画像認識精度が著しく高いことが知れわたったこと
  • 2010年代に入りインターネットや企業が扱うデータは莫大な量ビックデータとなり人工知能の学習サンプルを容易に手に入れやすくなったこと
  • コンピュータの性能が第2次人工知能ブーム時より比べ物にならないほど向上していること
  • 今までの機械学習とは異なり人の手をかえさずに人工知能が勝手に知識を蓄えていくこと

この4つが大きく起因しディープラーニング深層学習は大きく脚光を浴びるようになった

現在人工知能に関するニュースや記事を日々みかける事が多い 新しい発見や新しい事ができるようになったニュースをみて急速に人工知能は成長していっているように感じられる第3次人工知能ブームは本当の人工知能AI誕生に期待してもよいのではないだろうか

3. 人工知能を支える技術

一言で人工知能といってもさまざまな情報処理技術の総称が人工知能AIとされている この中には機械学習をはじめとする以下の情報処理技術を含んでいるここでは主要な技術を紹介していく

3.1. 遺伝アルゴリズム

遺伝アルゴリズムはその名から想像できるように生物の進化の過程を模倣したアルゴリズムである 生物の進化においては多様な個体の中からその環境に適した個体が生き残り次の世代の子孫を残す この生き残った個体達は環境に適した遺伝子を有しておりその子孫も確率的に環境へ適した個体が生成される これにより世代を重ねるごとにその種が環境に適していくことになる

アルゴリズムとしては自然淘汰の仕組みを真似て最適解を導く仕組みとなっている

※アルゴリズム:問題を解決するための方法や手順のこと

3.2. 音声認識

SiriCortanaGoogle Nowなどの名前を聞いたことはないだろうか音声アシスタントという人の音声を認識し会話をおこなうものだ

音声認識自体は昔から存在はしていたが正確性は感じられなかった自分が発した言葉を理解しない場合や誤認識が多かった

しかし近年音声認識技術は格段に進歩した この進化にはディープラーニングが大きく影響している音声認識システムに大量の音声データ聴かせて学習させたことによって得られた結果であるこれは音声データが増えれば増えるほど正確性が増していくことを意味している多くの人が利用していけばいくほど音声認識システムは認識レベルが向上していくのである

2016年10月にはMicrosoftが音声認識システムは与えられた人間の音声を誤認識率5.9%の制度で認識することが可能であるといっているこれは人間と同レベルもしくは上回る制度であるといわれており音声認識の進歩が著しいことがわかる

音声認識はスマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスに搭載されより一層活躍の場を広げていくのは間違いないだろう

3.3. 画像認識

画像認識とは画像や動画から文字などの特徴を認識して検出するパターン認識技術である

例えばある写真から文字だけを抽出してテキストにしたり動画からは人間なのかそれとも単なる建築物なのかを見分けたりする この画像認識技術はWebなどで多く利用されているイメージだが車の自動運転技術やロボットなどにも利用されている

中でも自動運転は多くの技術により支えられておりリアルタイムで道路の状況を把握している必要があるそこで眼の役割を果たすのが画像認識技術である 信号機を確認したり交差点を渡る人や障害物を認識する状況に応じて適した運転を行うのために必要となる

3.4. 感性処理

人工知能AIはいってみれば単なるプログラムでありコンピュータであるコンピュータは感性・感情は持ち合わせないと世間一般的に言われているその感性・感情を表現できる処理を感性・感情処理という しかし私が知る限りでは人工知能を利用して感性・感情を表現した例はまだ存在しないと思っている

人工知能AIが小説や作曲絵をかいたりするそうだがこれはあくまで学習した中から得たパターンの組み合わせであり人工知能AIが感性を持ち合わせて作り出したものではないと考えている

だが我々人間も過去の経験から得た知識より感性は磨かれていくとされている小説家なら今まで読んだ本や人生の経験により文章の方向性やアイディアが変わってくるはずである このことを考えるとコンピュータも学習を積み重ねることで感性が生まれてくるのかもしれない

3.5. 自然言語処理

自然言語は英語日本語など人々がコミュニティケーションをとるために普段から使っている言語のことである

自然言語は表現の幅が広く柔軟性が非常に高い 例えば数人で飲食店に行き注文するときAさんはスパゲッティ!Bさんは私はピザです!という飲食店にいるからこそBさんの言葉は普通に聞こえるしかし全く関係ない場所で私はピザです!といったらどうだろうか?不自然に聞こえるにちがいない

こういった場合コンピュータはどちらの意味の言葉か判断できないだろうコンピュータは1つの言葉から状況に応じて適切な意味を解釈するのが得意ではないいわゆる曖昧さを理解することに乏しいのだ

この曖昧さを理解させるため言語の構文や意味文脈などを分析させる処理を自然言語処理という

3.6. ゲームAI

ゲームプレイヤーの行動や状況に応じて敵キャラクターの動きを変化させることをいうゲーム内の人工知能AI決められたゲームの中で知的な行動をおこなうように設計されておりある程度決まったルールの中で動作しているより人工的で知能的側面は少ないのが特徴である

3.7. エキスパートシステム

エキスパートシステムは特定の分野の情報を詰め込み条件によって解答を導き出すといったものである データがこうだったらこう判断するという条件が全てのとおり記載してあるものだ大量の知識データと的確な推論能力をつける必要があり開発には高度な技術が必要となる

具体的な例については2.2. 第2次人工知能ブームにて既に記載しているのでここでは省く

3.8. ニューラルネットワーク

ニューラルネットワーク

ニューラルネットワーク自体は脳を模したネットワーク構造のことをあらわしている 脳内ではある神経細胞に電気が伝達されると関連する次の神経細胞に伝達される仕組みがあるこれを簡略化して再現しようとしたものである

脳内で電気が伝達されるとどうなるの?と思うかもしれない

人間はをみた時瞬時にこれはだと判断できるしかし脳内では複雑なことをおこなっている体型仕草...という情報を視覚から取得して脳内でと判断する この時脳内ではだけに反応したりだけに反応する神経細胞が存在するのだこのように個々の神経細胞が反応して最終的にという判断を下している具体的なメカニズムについてはまだ謎となっている

機械学習やディープラーニング深層学習でも使われ基本的な考え方となっている

3.9. 機械学習

機械学習は文字通り機械的に学習させることをあらわしている 問題をどのようにして解決するのかをコンピュータに教えるために数百または数千の学習データを入力させる学習結果を基に新しい状況で同様のデータが来た場合にどのような解決策を見つけ出し解決へ導くかをアルゴリズム化したものである

簡単にいうと学習データから繰り返し学習し人の手では到底処理できないようなデータ量や気が付きにくいことを人の手を介さずにコンピュータが発見できるようにしたものである

機械学習については4. 人工知能AIの機械学習により詳細に記載している

3.10. ディープラーニング深層学習

ディープラーニング深層学習大きな枠組みでいえば機械学習に属するものである

ではディープラーニング深層学習と機械学習と何が異なるのだろうか?

相違点は人の手を介さずに学習できることである 機械学習の場合はある学習データを繰り返し学習させそこからデータの特徴を人が見出しプログラムとして人が指示をだす必要があったこのように大量データから個々の特徴を見出すのは大きな負担であった

一方ディープラーニング深層学習この問題を解消している 大量のデータから人の指示を受けずに特徴を自己学習し抽出することが可能なのだ 複雑なデータから特徴を見出すにあたり人がおこなったものとコンピュータがおこなったものではどちらが正確かといわれればコンピュータがより正確であることは間違いないだろう

ではどのような仕組みでディープラーニング深層学習はできているのだろうか? ディープラーニング深層学習自体はそこまで新しい考え方ではないニューラルネットワークの発展形と考えてよいニューラルネットワークをさらに階層を多くしたものがディープラーニング深層学習である

ディープラーニング

画像動画などを見せることで人間建物食物どんなものでも認識できるようになるディープラーニング機械学習にデータを流せば特徴量を発見し学習するようになる これは膨大な情報社会である現代ではあらゆる事象をデータから分析・学習することが可能となり社会に大きく広がっていくことが予想される

難点があるとすればディープラーニング深層学習は特徴を抽出するために データを抽象化して何層にもわたって学習する必要がある このため学習に時間がかかりコンピュータの高い計算能力が必要となるのだ コンピュータも比較的安価で高性能にはなっているが家庭用コンピュータでディープラーニング深層学習をおこなうには性能が足りないのが現状である

4. 人工知能AIの機械学習

機械学習とは人工知能AIのジャンルもしくはカテゴリの1つに分類される

ここでいう学習とはコンピュータが大量のデータを処理しながらデータを分類するという処理をおこなうことである コンピュータがデータを分類することができれば規則性を見つけることができ判断をおこなうことが可能となるのだ

結果的に機械学習はコンピュータにルールを学ばせる仕組みのことでありデータ分析の手法である 入力データからルールパターン規則性をコンピュータが発見しそれに基づいて新たなデータの分類や認識予測をおこなう仕組みである

4.1. 機械学習の学習方法

一言で機械学習といっても学習方法には大きく分けて2種類存在する教師あり学習教師なし学習である

ここでいう教師とは人間の手を介すことを指しているとイメージしてもらえれば良い 逆に機械学習を行うコンピュータは生徒とイメージしてもらうとわかりやすい

2つの学習方法があるがそれぞれ得意分野が異なるので状況に応じて使い分けるべきである

4.1.1. 教師あり学習

教師あり学習ではまず人の手によって事前にデータ例題を与えられるこれは教師より与えられたデータ例題から生徒コンピュータは問題と解答の傾向をつかみ教師が生徒に例題を解かせる様に似ている正しい解答につながる公式関数生徒コンピュータが理解し作りあげていく

そこで実際のデータ応用問題生徒コンピュータに与えていくがもちろん教師が教えてくれるデータ例題は基本的な事しか教えてもらっていないので未知のデータ問題に遭遇するこのときは生徒コンピュータは今まで教師から教えてもらったことや自身の経験今まで解いた問題を糧にしてデータを処理解答していく

教師あり学習では生徒コンピュータに正しい解答につながる公式関数をどのように学習させ正答率を高めるか?この学習方法学習アルゴリズムをうまく設計することが重要となる 一般的によく使われる手法は分類回帰予測勾配ブースティングなどの手法が使われる

そうはいってもコンピュータに学習ってどうやるの?と思うかもしれない

具体的にオンラインショップを例にしてみる

教師あり学習

教師あり学習はオンラインショップに並ぶ商品を自動的にカテゴリ分けをするように学習させたいとする このとき事前データ問題と解答として全部のカテゴリを網羅するようにデータを与える
以下はオンラインショップの商品をどういう判断でカテゴリ分けするか示した例である

  • 野菜果物お菓子...etcという食品に関する文字列が含まれているものはFood食品というカテゴリに属させる
  • テレビ電子レンジ冷蔵庫パソコン...etcという家電に関する文字列が含まれているものはConsumer Electronics電化製品というカテゴリに属させる
  • 漫画小説...etcという本に関する文字列が含まれているものはBookというカテゴリに属させる

例では対象の文字列が含まれればそのカテゴリとするように記載しているが実際にはもっと複雑な考慮が必要であるがここでは詳しい内容は省くものとする

4.1.2. 教師なし学習

教師なし学習は言葉の通り教師なしの状態でデータ問題から生徒コンピュータが解答とおもわれるものを見出すことをいうもちろん教師からは何も教わっていないので教師あり学習のように正確な解答を期待するのではなくある一定の法則や構造を見出すことが目的となっている

教師なし学習

教師あり学習では人間がAのときはBのような一通りのデータ例題を与えていたこれにより特定の条件下での分類・仕訳に向いていた しかし教師なし学習が得意とするのは分類は分類でも未知のデータから規則性を見出し分類することを得意としている

一般的によく使われる手法は自己組織化マップ近傍法マッピングk平均法クラスタリング特異値分解などがある

5. 人工知能とプログラム

今までさんざん人工知能AIといってきたがどのように人工知能AIはできているのだろうか?

一言でいえば人工知能AIはプログラムにより作ることができる馴染みがない人にはプログラムといってもよくわからないかもしれないが人工知能AIをこれから理解しようとする方にそのような人はいないと思うのでプログラムとは?といった内容は省く

では人工知能AIの開発でよく使われるプログラミング言語は何が使用されているのだろうか? おもに使われるプログラミング言語はPythonR言語であるここでは現在活発に人工知能AIの開発がおこなわれているPythonについて簡単に紹介していく

5.1. 人工知能とPython

python-logo

Pythonは1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサムGuido van Rossumによって開発されたプログラミング言語である

Pythonという名前は日本語訳にするとニシキヘビであるその名のとおりPythonはヘビのかわいいキャラクターが採用されている かわいいキャラクターだが侮ってはいけない数多くの有名企業で採用されているのだ例えばGoogleFacebookDropboxなどである このほかにも多くの企業で導入されており最近ではロボットのpepperもPythonでつくられている

ではなぜPythonが採用されているのだろうか?それは以下のような特徴があるからである

  • プログラムの書き方がシンプル
  • 科学技術計算統計解析に関するライブラリが豊富
  • Pythonと他のプログラム言語を組合せ可能
  • WindowsMacLinux/Unixなど比較的どこでも動作可能

この中でも科学技術計算や統計解析に関するライブラリが豊富であることプログラムの書き方がシンプルで開発にかかるコストをある程度抑えられるという点で人工知能AIの分野では多く活用されている

6. 人工知能の未来

ディープラーニングの登場により人工知能分野にブレークスルーが起きたといって良いだろう 2012年あたりから人工知能関連のニュースを頻繁に見るようになったものすごい勢いで人工知能AIの研究開発がおこなわれているのがわかるロボット自動運転将棋囲碁など人間を超えることは出来ないだろうと言われていた分野でも成果を出し始めている これはSFの世界がいよいよ近づいてきたかと思わせるが一方で人工知能AIの進化を懸念する声も少なくないのだ

6.1. 人工知能が与えるもの

テクノロジーの加速度的進化

人工知能AIはテクノロジーの発展速度を加速度的に早めていくだろう 100年前のテクノロジーの発展速度と現代では驚くほど違う

例えば1900年から1910年にかけてミシンラジオ電話洗濯機などが実用化された一方2000年から2010年にかけてはインターネット・Wi-Fiの普及・速度向上情報格納技術の縮小化microSDカードなど液晶画面の縮小化コンピュータ性能の飛躍的向上ロボット技術の向上などがあげられる

こうしてみてみると1900年のテクノロジーのほうがより発展しているように見える2000年は既存テクノロジーの性能が上がっただけにしか見えないしかし縮小や性能を向上させるということは大きな革新が起きなくてはなし得ないことである フロッピーディスクもの何百倍もの容量をもつUSBデバイスを見れば大きな技術革新が起きていることは明白ではないだろうか

現代は100年前と異なりインターネット上から蓄積された情報にいつでもアクセスができるようになった研究開発は過去の知見を活かしながら高性能のコンピュータを使うこのことが技術発展にも大きく影響しているのではないだろうか この状況で人工知能AIが普及した場合はどうなってしまうのだろうか

おそらく本当の人工知能AIが現れた暁には人間に変わり研究開発の大部分を人工知能AIおこなうようになるだろうこれは現代と比べても今までにない早いスピードでテクノロジーが進歩していくことが予想できる

今までは考えられなかった利便性

1つ例をあげるならば自動運転技術がある

日本では政府により2020年には自動運転車両が限定地域のみで運用を開始するロードマップが作成されている実現はそう遠くない未来なのだ

車の運転といえば状況を的確に見極めて適切な判断をおこなうという非常に難解なことをしなくてはならないこのように複雑な事が本当に人工知能AIにできるのだろうか? 事実世界各国で自動運転の開発が進められているGoogleでは2010年より公道での自動運転車の走行テストを続けており現在もなおテストは継続して行われているこうした公道での走行テストによって不測の事態にも対応できる知識が蓄積されていくはずである 2016年現在では実用段階までは及ばないが10年もしないうちに公道を無人で走る車を見かけるようになるはずだ

もちろん人工知能AIがもたらす恩恵はこれだけではとどまらない パーソナルロボット物流農業受付コールセンター通訳・翻訳秘書医療などあらゆる分野で活用されるようになるだろう社会全体生活自体が今よりも便利なものになることは間違いないはずだ

6.2. 人工知能が奪うもの

人工知能AIの進化は夢みたいでワクワクする
しかし人工知能の進化=自動化が広がるという局面をもっているのである企業はできるだけコストを下げより正確に無駄なく商品をつくることを追求する人工知能AIこのような効率を重視した作業に適している

おのずと企業は人工知能AIを採用するはずなのだ結果的にいえば人工知能AIに職業を奪われる人が出てしまう可能性がある このような懸念が様々な方面から危ぶまれており各メディアでも同様の内容を目にすることが多い

だがどうだろう人は今までも技術の進化を幾度も経験してきているはずである歴史をみれば技術の進化とともに職業のあり方も変化してきていることがわかる

産業革命では製造業の機械化により大量生産の時代が訪れた職人の仕事は減り機械技師や単純作業が主流の作業員の需要が生まれた コンピュータの発展では製造ロボット制御がより高度になり工場の作業員の仕事はさらに減った家事お手伝いなどの仕事も家電に奪われていった 仕事を奪われていった人たちはどうしたのだろうか?仕事がなくなり途方にくれたに違いないがそれぞれの道を探し歩んだのだろう

人々は今までもテクノロジーの革新に伴い働き方の変革も求められてきた テクノロジーの進化あわせて職業の需要が変わるのはいままで幾度も体験してきているはずである人工知能AIによる影響が大きいのは確かだが時代によって需要が変わるのは当然といえば当然といえるのではないだろうか

6.3. 人工知能の脅威

人工知能AIの脅威としてよく語られるのがシンギュラリティSingularityである シンギュラリティとは日本語で技術的特異点という これは人工知能AIが人間の能力を超えたときテクノロジーの急速な進化に伴い人々の生活は様変わりし後戻りのできなくなる状態のことをいう

現在シンギュラリティは2045年に起こるといわれており2045年問題ともいわれている 2045年にはコンピュータ技術が進歩し驚異的なスピードでテクノロジーの進歩や発展が起こるとされているこのスピードは加速度的に早くなっていくだろうといわれている

2045年に起こるシンギュラリティを予測しているのは発明家でもあり人工知能研究の世界的権威あるレイ・カーツワイルRay Kurzweil氏である

ではなぜ2045年にシンギュラリティが起こるといえるのか?

一般家庭に普及するレベルのコンピュータで地球上全ての人間より能力が高いコンピュータが登場していると予想されている さらに人工知能AI現代のものとは比べものにならないほど高性能なものとなっており自ら考え行動し自己改善のサイクルを作り出す人類は今まで経験したこともないスピードでテクノロジーの進化を目の当たりにすることになり予測することも困難になる

つまり人間が生み出す最後の発明が最初の人工知能強いAIになり得ることを表している

6.4. 人工知能と人間のあり方

人工知能AIが完成したとき急速に人工知能自身も世の中の技術も成長していけば人間としてのあり方や仕事の内容も変わってくるのではないかと考えている

人工知能AIにある程度任せることができる仕事ならば人工知能AIに任せればよいのだでは人間として何をすべきだろうか

  • 人工知能AIの教育
  • 人工知能AIの使用用途の考察
  • 人工知能AIとの共同作業
  • 人工知能AIのチェック

以上のように人工知能AIと仕事をともにする場合新入社員を育てるがごとく教育をおこない能力に見合った仕事の内容を考え使用用途の考察人工知能AIと共に仕事を行う さらに人工知能AIが作り上げたものをチェックして指摘内容があれば指摘する このような仕事が人工知能AI普及後職業として出てくるのではないだろうか

7. まとめ

過去の歴史から人工知能AIがどれだけ進化し第3次人工知能ブームである現在は本当の人工知能AIが生まれる条件が揃ってきていることがお分かりいただけただろうか 現代に生きる私たちはこのような技術の転換期に直面しているといっても過言ではないだろう 私からすれば昔からプログラムが自己学習してさらに良いプログラムを生み出すようなシステムを夢みていたので大変興味のある分野である

この記事を通して人工知能AIに興味がなかった人は少しでも興味をもってくれたら幸いである 今後は実際にPythonを利用した機械学習ディープラーニングのプログラムにまで踏み込んだ記事を書いていくので興味があればまた見ていただきたい

阿部 憲太朗
by阿部 憲太朗

1986年3月5日生まれ。IT系ベンチャーでシステム開発や提案営業後、NextConnect inc.設立。コネも何もない状態から銀行システム開発やWeb開発など案件に携わる。2016年からはWebブランディングに力を注ぎ、Webプロデュースとクリエイティブディレクション、デザイン、システム開発をやっています。

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