VCと起業家の合宿プログラム「Incubate Camp」:ピッチ最優秀賞はD2CファッションブランドのIMCF
国内の有力VCと起業家による1泊2日の合宿型アクセラレーションプログラム「Incubate Camp」が、9月14日と15日の2日間で開催された。同プログラムは今年で11年目の開催だ。運営元のIncubate Fundは日本のスタートアップ投資業界を長らく支えてきた存在で、1999年の設立以来、GameWith、サイボウズ、gumiなど今や上場企業となったスタートアップを輩出してきた。
Incubate Campの特徴は、複数のVCファンドから招待されたキャピタリストが「メンター」となり、起業家と二人三脚で事業計画をさらに練り込んでいくという点だ。
メンターとなるベンチャーキャピタリストは、起業家による初日のプレゼンテーションと1対1のメンタリングを経て、合宿終了までタッグを組むことになる起業家を選出する。選出はドラフト方式だ。その後、メンターと起業家の両名は夜通し会話を重ね、2日目の最終プレゼンに備えるというシステムだ。この記事では、その最終プレゼンで最優秀賞を獲得したスタートアップを紹介しよう。
合計16社が参加したIncubate Camp 11thのピッチイベントで優勝したのは、D2Cモデルのファッションブランドを複数展開するIMCFだった。
IMCFは日本発のグローバルファッションブランドを創出することを目指すD2C型ファッションブランドだ。従来はファッションデザイナー自身が行っていた販促やセールスなどのビジネス業務をデザイナーから切り離し、それを自社で引き受ける。そうすることでデザイナーは本来のやるべき「デザイン」に集中でき、結果的に複数ブランドを素早く立ち上げることを可能にしているという。
IMCFはこれまでに3つのファッションブランドを立ち上げ、そのすべてが単月黒字化している。代表取締役の吉武正道氏は「どんなデザイナーでも、最低限のマネタイズを実現することはできる」と話す。現在はファッションデザイナーとの相性がよいInstagramを中心にマーケティング実施。2018年4月には6000万円の資金調達も実施している。
IMCF以下、2位は採用管理システムのHERP、3位は遠隔医療のAMI、4位は同点で在留外国人向け不動産プラットフォームの東京ハースと、睡眠データによる組織改善サービスのO:(オー)だった。また、前日のプレゼンからの“伸び幅”が一番大きかった起業家に贈られる「ベストグロース賞」を受賞したのは、サロン型ファッションブランドのモデラートだった。
Incubate Campに参加した全16社については、近日公開予定の記事で紹介する予定だ。