終末期病棟(ターミナル)の日常を描く『お別れホスピタル』
『お別れホスピタル』の第1巻は、小学館のサイトやAmazonなどで試し読みができます。
『透明なゆりかご』で描かれた産婦人科医院は私にとっては他人事でしたが、『お別れホスピタル』は自分の問題だったので、思わず買って読みました。
自分の問題というのは、私がいつか終末期病棟に入って一人で死んでいくという意味もありますが、それだけではありません。
10年ほど前に無くなった父の終末期が、終末期の患者を受け入れている病院だったからです。
大病院は回復する見込みのない患者をずっと入院させてはくれないので、脳梗塞で寝たきりになった父は、転院してその小さな病院に入りました。
陰ではゴミ捨て場と呼ばれている病院
インタビューでもあるように、「陰では“ゴミ捨て場”と呼ばれている」という表現は衝撃的でした。「姥捨て山」くらいは言われてるだろうと思っていましたが。
年金をたくさんもらっていて入院費を上回っている場合はできるだけ長生きさせたいと考える家族がいる一方、1話では人工呼吸を付けると「保険の点数が稼げる(儲かる)」と喜ぶ医師も描かれています。
全ての病院・医師・看護師がそうではありませんが、そういうところもあるでしょうねぇ。
インタビューでも触れているように、今後は尊厳死・安楽死についても突っ込んだエピソードを描いてもらいたいです。
私が見た終末期病棟
私が父の見舞いに行くのは週末だったので、外来の受付はしておらずとにかく病院は静かでした。
大病院なら患者がリハビリで老化を歩いたりするのですが、そういうのはほとんど見かけることはありませんでした。
毎日お見舞いに行く母が「最期くらい」と言って個室にしていたので、同じフロアに入院している他の患者については全くわかりませんでしたが。
その時に見た看護師・准看護師の人の仕事は、食事(と言っても胃ろうしたので点滴のようなもの)、痰の吸引、おむつの交換、寝返りなどで、看護師としてのスキルが上がらないと1話で描かれている通り。
大病院と較べると、若い看護師はいなかったと思います(;´∀`)
話が揃えばドラマ化?
まだ1巻のみの発売でエピソードは6つ。これがもう少し揃えばドラマ化もありそうですね。『透明なゆりかご』が話題になっただけに。
終末期病棟に勤務経験がある医師や看護師や取材をすれエピソードには事欠かないでしょうし、そう遠くないでしょう。