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ガラスシクネスゲージという名前。カクカクした響き。
ガラスの厚みを測る装置を買った。
ノギスではない。ガラスの表面にその装置をあてるだけでわかるのだ。ガラスを切ったり割ったりしなくてもいい。 買ってから毎日持ち歩いて目につくガラスの厚みを測っている。楽しい。お、5ミリ、10ミリきたか!ガラスの厚みに一喜一憂する日々だ。まさかそんな日が僕の人生にくるとは思わなかった。 ガラスの厚みなんて知らなくてもいいじゃん、という質問はご遠慮ください。いらんことに楽しさを見つけるこのサイトの存在意義が揺らいでしまいます。 ※2009年6に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。
前の記事:「スーパーの景色を作っている会社」 人気記事:「空中浮遊写真を撮る方法」 > 個人サイト webやぎの目 どうやって厚みが分かるのか正面から当てただけでどうやってガラスの厚みが分かるのか。まずはその原理からどうぞ。
このようにしてガラスにあてます。下が斜めに切れているのでその角度であてます。
板の延長線上から覗くと…
ラインが重なっているところが厚み! これは15ミリ
板のしたのほうに基準となる線が引いてあり、ガラスが厚ければ厚いほどガラスに反射した線が離れる。その距離で厚みが分かるしくみである。
装置、というか模様が描いてある板だ。 なるほどねーという思いとなーんだという思いが入り交じる板である。ドイツ語しか書いてないのできっとドイツ製だろう。やるな、ドイツ人。 (見る位置によって数字が変化するので、この記事に登場する数字はだいたいのものだと思ってください) 2500円でした東急ハンズでたまたま見かけて買った。たしか2500円ぐらいだったと思う。ずいぶん高い。買ってみたら板だった!ということではなく、その場で板であることを知って、でも欲しくて買ったのだ(売り場をひとまわりして頭を冷やして、でもやっぱり買った)。
この板を見せるとたいていの人が食いついてくる。なるほど!おもしろい、という反応である。だが、値段を言うと黙ってしまうのだ。 「………板なのに?」 「これ、つくれるよね」 でも土曜日に書いてるライター住さんは 「アイデア料も入ってますよ」 そうはげましてくれた。ガラスの厚みだけではなく、人間関係も測ってくれる板だと思って2500円に折り合いをつけたい。あときっとドイツ製だから交通費も入ってるに違いない。 こうやって客室に乗せて運んだら高いだろうけど、たぶんそうじゃない。
電車のガラスは意外に薄い電車でも当然ガラスを測る。山手線も京浜東北線も、りんかい線を走っている古い山手線もガラスは5ミリだった。ガラスの厚みにしか興味がない宇宙人がいたとしたら、JRの説明をするときは5ミリの電車だよと教えればいい。
唐突すぎてたとえ話になっていないが、5ミリである。もっと厚くなくていいのだろうか。 山手線も
古い山手線も
窓ガラスはみな5ミリ
記事のタイトルを「電車のガラスはみな5ミリ」にしようかと思っていたが、東急線の窓ガラスをはかったら3ミリだった。さらに薄くなってしまった。
ドアにはめ込んであるガラスは5ミリなのだが、そうではない部分は3ミリなのだ。なんという引っかけ問題。 衝撃の3ミリ
嬉しくて比較の写真を作ってしまうほどに
計測器で測ってまわるときの楽しさはなんてことのない数字が意味を持つ瞬間ではないだろうか。体重58キロ、打率.345、ビール最初の1杯200円、そんな数字の興奮をガラスの厚みに感じることできる。
「衝撃の3ミリ」なんていう誰にも伝わらないキャプションを書いてしまってそう思う。 電車のガラスは意外に薄い4月、大阪に行く用事があり、新幹線に乗った。ガラスの厚みを測るチャンスである。ついでに大阪の電車のガラスの厚みを測ってこよう。東西ガラスの厚み選手権である。
だけど
え、また5ミリ?
時速300キロ近くで走る乗り物が5ミリということはあるまい。インターネットで調べたら新幹線のガラスは何層にもなっているらしい。強化ガラスやフィルム、空気の層を重ね合わせて、手前のガラスが5ミリらしいのだ。
しかし、なぜ僕はガラスを測る装置を買ったと喜んでいたのにインターネットで「新幹線 ガラス 厚さ」で検索しているのか。しかも答えが出てる。 ガラスの厚みを測る装置はインターネットだったんじゃないか。 ………。 いや、いまのなし、なし! 読まなかったことにしてください。 電車(特に新幹線)のガラスは多層構造になっていてわかりにくい。だってホームのエアコンのまわりのガラスのほうが厚いのだから。次ページから建物のガラスでいってみよう。 大阪市営地下鉄 御堂筋線。やっぱり5ミリ
大阪といえば駅のホームのダイキンエアコン。その囲いは8ミリ。
次ページではいよいよ計測してまわります。
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