【サッカー】川崎、7人でクラブ最多タイ7発 首位広島射程圏の勝ち点6差2018年9月16日 紙面から
◇J1第26節 川崎7-0札幌2位・川崎が、ホームでの札幌戦で猛烈なゴールラッシュを見せ、7-0で爆勝した。前半28分に決めた家長を皮切りに、7人でクラブ最多タイの7ゴール。鳥栖に敗れた首位の広島に、勝ち点差6に迫った。プロ野球では独走しているカープのセ・リーグ3連覇が目前だが、サッカーは、広島にストップをかけるべく、川崎が食らいつき、追い上げる。 面白いようにボールがゴールに吸い込まれていく。2009年10月の広島戦以来、実に9年ぶりのクラブ最多タイ7発。主軸のMF中村は「良かった尽くし」とおどけて笑い、うなずいた。 序盤は危機の連続だった。前半7、9、14分と立て続けに決定機を許した。日本代表MF守田を欠き、「バタバタしてミスが多かった」とFW小林。でも、チームの歯車がかみ合わない中、粘り、踏ん張った。そこが大きかった。 転機は、前半28分だった。相手ボールになった瞬間、守備のスイッチが入った。敵陣中央で中村が素早く寄せ、球を奪い切る。ラストパスを受けたMF家長が放ったシュートは1度は防がれながら、左足でフワリと浮かせて左上隅へ流し込んだ。待望の先制点。中村が「肩の力が抜けた」と言えば、小林は「前に前に行くプレーが増えた」と勢いづいた。 2分後。小林の浮き球パスを、中村が体を倒しながら右足ボレーで沈めると、同40分には小林が放ったシュートのこぼれ球をMF阿部が左足で押し込んだ。わずか12分間でショートカウンター3発。攻撃も守備も敵陣で完結する川崎スタイルを遂行し、1得点1アシストの小林は「僕たちの理想型だった」と目を細めた。 前節のG大阪で想定外の敗戦を喫した。首位を追う立場としては痛恨だった。ただ、落ち込むどころか、「モチベーションは高かった」(小林)。試合前。鬼木監督の叱咤(しった)が飛んだという。 「ここから全部、勝っていくぞ」 後半12分に今季リーグ初先発のMF下田が初得点を決めた。同46分には20歳MF田中がJデビュー即初弾だ。7人で7得点の完勝劇。1試合消化が少ない中、広島と勝ち点6差に迫り、小林は「自分たちは勝ち続けるだけ」と力を込めた。 (松岡祐司) ◆7人で7発川崎のリーグ戦1試合7得点はチーム4度目。1試合でチームの7人が得点したのは鹿島が2012年5月19日のJ1第12節(カシマ)札幌戦(7-0)で記録したのに次いでJ史上2度目。
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