サイボーグインテリジェンスの実現に向けて

以下のキーワードについて考察します。サイボーグ、BMI(ブレインマシンインターフェース)、人工知能、シンギュラリティ、応用脳科学、意識の統合情報理論、 VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、身体拡張/フルダイブVR/テレプレゼンス

ニューロエンジニアになるには

お久しぶりです。

ブログを3か月ほど更新してなかったので久々の更新になります。

 

個人的な近況を少しお伝えすると、先日職場が変わりましていろいろバタバタしていたためブログ更新が滞っておりました。担当する業務が変わり、新たに「ニューロエンジニア」とでも呼ぶべき職に就くことができました。かねてより念願の脳科学に関連するエンジニア職になれたのは極めて運がよかったと感じます。

 

ニューロエンジニアとは

上のほうでニューロエンジニアとでも呼ぶべき職、という風に書いたのは、「ニューロエンジニア」という言葉が一般に定着していないからです。ニューロエンジニアとはどういう職なのかという定義すら定かでないです。一応「ニューロエンジニア」でググったところ以下のページが出てきます。

ニューロサイエンスからニューロエンジニアリングへ

 

ニューロエンジニアリングとはなんぞやということが少し書かれていますが、ニューロエンジニアという言葉は出てきてないですね。他にもググって調べてみましたが、「ニューロエンジニア」という言葉が使われているページは探し出せませんでした。

 

というわけで、「ニューロエンジニア」という言葉を使ったのは僕が初めてかもしれません。なので僭越ながら「ニューロエンジニア」という言葉を定義させていただきます。もちろんこれから先ニューロエンジニアという言葉が世間でどういう意味で使われるようになるかわかりませんが、僕はこのブログ内で以下の意味で使うことにします。

「ニューロエンジニアとは、脳とコンピュータを一つの統合されたシステムとして捉え、その脳‐コンピュータの統合システムに関する設計開発運用保守などのエンジニアリング業務を行う人のことである」

 

ニューロエンジニアの需要

さて、この記事のタイトルは「ニューロエンジニアになるには」なんですが、この記事を書いている目的はニューロエンジニアというものが広く認知されてニューロエンジニアに興味のある人を増やすことです。すでに述べたようにニューロエンジニアは世間でまったく認知されていない新しい職業です。なのでもちろんニューロエンジニアになりたいと思っている人もいないと思います。

ただ、確信を持って言えるのは、これから数年のうちにニューロエンジニアの需要が急増するということです。その理由は2つです。

 

理由1 ブレインマシンインターフェースの発達

このブログの他記事で再三述べていますが、BMIが近年急速に発達しており、もういつBMIを用いたシステムが一般のユーザー向けに売られてもおかしくはない状況です。そういうBMIを用いたシステムに関するエンジニアリングをするニューロエンジニアが必然的に必要とされるようになります。

 

理由2 AIの発達

言うまでもなくみなさんご存知と思いますが、今AIブームが起きています。みんなこぞってAIを使って何か便利なものを作ろうとしています。ここで重要となるのがニューロサイエンスです。ニューロサイエンスとAIの親和性は非常に高く、ニューロサイエンスの知見をいかにAIに応用できるかが肝となっています。これからどんどん脳とAIの垣根が無くなっていきますので、そこで活躍するのがニューロエンジニアというわけです。

 

というわけでこれから数年のうちにニューロエンジニアが需要過多になり、ニューロエンジニアの数が足りなくなるのは目に見えています。10年後くらいに、多数の企業がニューロエンジニアの募集をかけているのに、まったくニューロエンジニアが集まらないという状況が容易に目に浮かびます。逆に言うと、ニューロエンジニアになるということはこれからの時代に必要な希少価値のある人材になるということです。だから僕はこれを読んでいる読者に一人でも多くニューロエンジニアに興味を持ってほしいと思ってます。

 

上のほうでニューロエンジニアになりたいと思う人はいないと思います、と書きましたが、それはニューロエンジニアという概念を知らなかっただけであって潜在的にニューロエンジニアになりたいと思っていた人は多数いるはずと思っています。

なんとなくブレインマシンインターフェースに興味があって脳と機械をつないでみたいという願望がある人とか、なんとなくサイバースペースに入り込んで仮想世界で暮らしてみたいという願望がある人とか、なんとなく脳とAIを融合してみたらどうなるのか興味がある人とか、そういう脳とコンピュータを合わせて一つのシステムとして捉えられる人はニューロエンジニアに向いていると思います。

 

ニューロエンジニアになるには

で、やっと本題に入りますがどうすればニューロエンジニアになれるのかを、実際にニューロエンジニアになった僕が考えましたので説明します。

読者の中にいるかもしれない17歳のあなたに向けて書きます。17歳のあなたが7年後24歳になったときに引く手あまたのニューロエンジニアになる方法を考えました。もちろん17歳でない大学生や社会人のあなたにも参考になると思います。

 

まず、あなたが勉強すべきことを列挙します。

・プログラミング(重要)

・数学

 ー線形代数

 ー微分積分学

 ーベクトル解析

 ー微分方程式

・信号処理

電磁気学

・電気回路理論

・神経生物学

・生理学

分子生物学

・遺伝学

・数理生物学

 

大学では上記の内容を中心に勉強してください。上記の内容が勉強できそうな大学と学部をググって調べてください。それでなんとかしてその学部に入学してください。すべての内容を勉強できる学部のほうが少ないと思いますので、一部は独学でなんとかしてください。学部のうちにある程度上記の内容はできるようになっておくべきです。

 

修士には必ず進学してください。修士課程の研究室選びでは以下の研究室のどちらかを選ぶと良いと思います。学部4年の時から以下の内容を研究する研究室に入るのもよいです。学部4年で以下のような研究室に入れなかった場合は、修士から他大学に移るのもありです。

・ブレインマシンインターフェースを研究している

・Computational Neuroscienceを研究している

 

博士課程には進学しないことをおすすめします。博士課程に進まないほうがいい理由はこの記事では述べません。修士課程修了と同時に就職すべきです。残念なことですが、今の日本では博士課程に進まないほうがいろいろ有利なのです。ただ7年後くらいには博士号を持っているほうが有利な世の中になっているかもしれません。

 

7年後に世の中がどうなっているかを予想するのは難しいですが、あなたが修士課程を修了するころにはAIに力を入れている企業がニューロエンジニアを欲しがっているはずです。そういう企業に応募して、学部と修士で何を勉強してきたか説明すればニューロエンジニアとして即採用のはずです。

 

以上が僕が考えるニューロエンジニアになる方法です。もし僕が今17歳だったらこのような手順を踏みます。

 

ニューロエンジニアになりたいという読者がいれば全力で応援します。何かご質問等あればコメントかTwitterのほうにご連絡いただければ回答します。

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これからも不定期に更新していきます。

よろしくお願いします。