「トリオキニ」というサービスを開発・運営しているさちえといいます。トリオキニは「同人誌即売会」での「トリオキ」を管理できるサービスです。そこそこ大きなサービスになってきたのですが、まだまだ 「こんなに規模が大きくなるはずではなかった」 という顔になるのできちんとグロースに向き合おうと思い、思考を整理する目的でこの記事を書きました。
前述の通り、この記事は「トリオキニ」をグロースするにあたり「どのような軸を持つのか」という私の脳内を反映した記事ですので「うわめっちゃ参考になったわこの記事!」という体験をお届けすることはできません。でも他者のガチャガチャな思考にちょっと興味がある、という方はすこし面白いかもしれません。
で、トリオキニのグロースについていろいろ考えたんですが、お金がないのでめちゃくちゃPRや広告にお金をかけるってこともできないし、専門的な知識やノウハウの蓄積があるわけでもないんで(しかしたくさんいただいているアイデアや改善策、フィードバックは宝物です)、結局目の前の改善ごとをみつけてそれを愚直に実行して、PDCAを回していくというやり方しかないという結論に行きつきました。だいぶ前に。
じゃあ何でもかんでも不便なところを改善! ってやっていけばいいかというとそれもたぶん違うんですよね。方向性、軸がないといけないわけです。
トリオキニは個人開発で開発-営業-運営-広報-代打-俺という手工業サービスなので、並み居るあの会社とかこのサービスとかに金時間技術およびあらゆる面で勝つ要素がないのです。じゃあなんで今はぼちぼちシェアを頂けているかというとよくわかんないです。 なんでみんな他所いかないの。 ただ私がエゴサして見つけたツイで「こうありたい」と思えるツイートがありまして、
「トリオキニ、個人開発で頑張ってるし規約が変わらな限り類似サービスが出てもトリオキニ使いたいなあ」
これは開発側としてめっちゃうれしくて、このユーザのために頑張ろうと思えるツイートでした。つまり、「類似があってもこのサービスが使いたい」と思える何かを強めていくのが、私にとって一番いいだろうという結論に至ったのです。愛されるサービスを目指すのです。改善や機能追加の軸は「愛される」です。愛されたい。
何でしょうね、愛されるサービス。愛してるサービスはあります、マシュマロとかすごく好きです。機能(=サービスの思想)が明確で便利なこと、それからサービスに世界観があってそれがUXとなっていること。そしてもちろんそのサービスにしかない価値がそこにあること。たぶん分野によっても違うとおもうんですが、私が愛してるサービスをまず真似ることにします。
いくらデザインや体験が優れていても「取り置き予約管理システム」として機能してないなければ無用の長物です。機能の充足は基本として、わかりやすさ、アクセスのしやすさ、使いやすさなども改善していく必要があります。サービスの基礎となる部分ですので、改善してもしすぎるということはないはず。ここは地道にひたすらユーザからフィードバックをもらいながら良くしていく部分ですね。
トリオキニでいうと、単純に予約受け取りシステムなら何をつかっても代用可能なわけですが、トリオキニには「コメント」という機能があって、ここに取り置きするときのコメントを入れてもらうのがめっちゃうれしいのです(嬉しいよね?)。「ほしい人の可視化」「そこからのコメント」「実際にイベントで授受するときの交流」こういったものは「予約受け取り"システム"」の中には含まれない価値ですが、ここを強化していくことでほかのサービスにはないトリオキニだけの良さが生まれる (=愛される) のではないかと思っています。
例えばマシュマロはユーザからの悪口をマシュマロというキャラクタが防いでくれているという世界観を構築しています。ついでによくわからないキャラ設定もつけていますね(触手とか)。でもこのキャラクタがあることで、ユーザは「AIが自然言語を機械学習して処理している」ではなくて「マシュマロちゃんが悪口から我々を守っている」という世界観でサービスを利用しているわけです。ふせったーも同様に「ふせ太くん」が頑張って運営していますという世界観を作っています。~~うらやましい。トリもあの席欲しい。~~「同人誌印刷ペンタロー」では「ペンタロー」というキャラとLINEでやりとりし、問い合わせや予約を行うことができます。問い合わせや予約のハードルがめちゃくちゃ下がり、コンバーションも上がるということでした。「世界観」を作り「キャラクタ」を作ることで、そこにあるのがただのシステムではなく、日々を助けてくれる誰か・何かであるという 「愛着」 のようなものが生まれ、このサービスでなくてはだめだと思ってもらうことの助けになるわけです。たぶん。
以上を踏まえ、以下の3項を軸として改善・機能追加・PRを進めていこうと考えています。
さて、これが実際にグロースの軸として適してるかどうかはわかりません。でも仮にダメなら目標なり設定しなおしたらええやん。失敗はいいものです、失敗したということはまたチャレンジできるということです。何回でもやりなおしたらええやんの気持ちでやっていきたいです。
いくつかの法人様から広告をいただくようになったので、媒体であるサービスのグロースや価値を上げる責任みたいなものが生まれました。考えることが増えましたが、これはこれで楽しいです。知らないことを知るのはやっぱり楽しい。サービスを好きになってもらえて、価値や存在感を高めることができて、広告を掲載させてもらっている企業様にもたくさん良いことがあったら最高だな。
少しずつですが前に進みます、今後も「トリオキニ」をよろしくお願いいたします。