キーエンスという会社をご存知でしょうか?
実はDIET STUDYの経営陣4人のうち、私を含めた3人はキーエンス出身者です。
今回は受験からは少し離れてキーエンスという会社について書いてみます。
※2017年の記事の情報を更新した記事です。
新年度の入塾面談をしているとキーエンスを知っている生徒の保護者から
「キーエンスだったんですか!? 優秀なんですね」
「キーエンスだったんですか!? 収入下がったでしょう?」
「キーエンスだったんですか!? 体が辛かったんですか?」
とだいたい3パターンの反応をいただきます。
1番上はありがたい言葉ですが、下2つの質問にはいつも笑ってしまいます。
キーエンスは製造業に欠かせないセンサや測定器などの精密機器を開発・製造・販売している会社です。
BtoB企業ですので一般の人の目にはほとんど触れることのない会社ですが、事業内容とは関係のないところで結構有名です。
“キーエンス”と検索すれば目に飛び込んでくるのが
合理的経営で超高収益を生み出している
給料が超高い
激務と徹底管理で社員は疲弊している
こんなフレーズたちです。
だから、いま塾講師に転向している私のことを保護者の方々が心配してくれるんだと思います(笑)
散見される情報というか噂に対して、元社員として私見を書いてみます。
<超高収益>・・・ホント
細かいことはネットで検索すれば色々出てくるので興味のある方はそちらをご覧ください。
営業利益率が50%を越える高収益企業であることは明白な事実です。高収益なうえ無借金経営で、仮に売上がゼロだったとしても十数年間は社員を養えると説明会で聞いた記憶があります。
就職活動をしていた学生時代、無知な私は利益率50%越えという驚異の数字に大した凄さを感じていませんでした。
むしろ東芝とかSHARPとかよく聞く名前の会社の利益率が2%とか5%とか1桁%だと知って、あんな大人数で働いてそんな利益しか生み出せなくて一体何がしたいんだろうぐらいに思っていました。今になって見ると凄さが分かります。
キーエンスの高収益の理由は徹底した合理主義にあります。
営業・開発の双方が加速的に業務を遂行できるように様々な合理的ルール・仕組みが随所に用いられ、社員がそれに乗っかっていくだけで大きな利益が生み出せます。
また生み出された利益はこれまた合理的にしっかりと社員に還元されます。
離職者も少なくない会社ですが、この合理的な仕組みに乗れるかどうかがキーエンスという会社でやっていけるかどうかの分かれ目だと思います。
仕組みに乗っかることが出来ない社員は淘汰され、乗る気がない社員は自分から辞めていきます。
私に関しては乗っかりながらも辞めてみましたが、それについてはまた別の機会に書いてみたいと思います。
<超高収入>・・・ホント
東洋経済などの雑誌がたまに特集する「給料ランキング」で必ず上位にキーエンスはランクインしています。
前述の通りの高収益を社員に還元していれば、当然の結果とも言えます。
私がいた当時は入社4年目ぐらいの20代社員が普通に1000万以上のお給料を貰えました。今では1,2年目で1000万あるとかないとか・・・。
個人的にはそこまでの価値の仕事をしているんだろうか・・という疑問は常に感じていましたが、くれるのでもらってました。
ずっといれば8億もらえてたみたいですね。
<超激務と徹底管理>・・・半分ホント
誰が思いついたのか「キーエンスは30代で家が建ち、40代で墓が立つ」というなかなか秀逸なフレーズがネット上に流れています。
収入は高いが激務だということですね・・・
しかし、これは真実ではありません。
かなり昔にそういう体質があったという話は聞きましたが、自分が知っているここ10年ぐらいは、むしろホワイト企業の部類だと思います。
全国に営業所がありますので部署や上司の性質で環境の差はあるのかもしれませんが、全社的に21時頃には帰宅しなければいけませんし、客先との接待なども禁止されているため存在しません。本当にラクです。
過労死などがニュースなっている業界・企業もありますが、キーエンスよりも激務な会社は星の数ほどあると思います。
ただし、管理面には合理主義から来る細かさがあることは否めません。
営業マンは営業外出中の行動を分単位で記録して報告しなければならないなどとネット上には書かれていますが、それは事実です。
営業効率等に改善をかけるという意図から来るものですが、そういったマイクロマネジメントに閉塞感を抱く人には、確かに行き過ぎた管理と捉えられるのかもしれません。
あまり細かいことを書くのはいかがなものかと思いますのでこの辺にしておきますが、総じて良い会社だというのは断言できます。
給料が異様に高く、内情がオープンになっていないというところから憶測を呼び、世間でブラック企業的な噂が流れることも理解できますが、完全にホワイト企業です。
その証拠に、私は自分の生徒にもよくキーエンスへの就職を勧めています。
やりたいことが明確にある人、仕組みの一部になることが苦手な人には恐らく向いていない職場ですが、一般的なサラリーマンの中で言えば圧倒的に厚遇の良い会社です。
あれはきっとKING of サラリーマンです。
就職活動でも非常に人気があるらしく、たまに知人経由で就活生から相談を受けたりします。
採用面接も超合理的で、営業マンに必要な「第一印象・コミュニケーション能力・論理的思考力」をシンプルに問われているものだと思います。
学歴偏重の雰囲気は全くなく、営業マンは日東駒専から早慶・国公立まで、様々な人がいますので是非チャレンジしてみてほしいです。
ちなみに、営業マンが塾講師になるってどうなの?というところに対しては、下記動画で細かい話をしています。
個人的にもキーエンスにはどんどん発展してもらって、元社員の株も勝手に上がっていくといいな〜と思ってます。