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「日本人」とは誰か?大坂なおみ選手についての雑な議論に欠けた視点

新たな問いかけ、そして学び

全米オープンテニスで「日本人として」初めて優勝した大坂なおみ選手。

大坂選手は日本人の母とハイチ系アメリカ人の父のもと、大阪市で生まれた。4歳の時に父の仕事でアメリカに移住。

現在、テニスプレイヤーとしての選手登録の国籍は日本で、日本における住民票は北海道根室市の祖父の自宅に置かれている等、その他の彼女のプロフィールはさまざまなメディアからアクセスすることができる。

その大坂なおみ選手を巡って「日本人じゃない」「日本人に見えない」「二重国籍なら日本人とは言えない」という声がある。

一方で「謙虚さはさすが日本人」「心は大和撫子」といった、彼女の快挙が「日本人」であることに起因しているとする賞賛も行き交う。

どちらも彼女の勝利に「日本人」という軸でプラスマイナスの付加価値を加えているという点では、同じ問題を内在していると言えよう。

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大坂なおみ選手は「日本人」

「見た目が日本人ぽくない」「日本語がカタコト」「父親がハイチ人」「幼児期からアメリカで暮らしている」等々……。

大坂選手が「日本人じゃない」ことの主な論拠として上げられているものは法律上はいずれも通用しない。たとえ「日本語がカタコト」でも彼女はまぎれもない、日本人だ。

「国家」の三要素は言うまでもなく「主権」「領土(領海)」「国民」だ。そのうちの国民の範囲を決めるのが「国籍」に関わる法律である。「国籍」とは民主主義国家においては主権者の範囲を決める最重要事項である。と同時に国民の権利能力形成を行い、担保するものでもある。

 

「日本人」である要件を簡単に分別すれば以下のようになる。

① 父母、もしくは父母のどちらかが日本人のケース
② 親が日本人かは不明。遺棄された未就学前の乳幼児のケース
③ 日本人ながら本籍地が不明である者が「就籍」許可を申請して認められたケース
④ 外国籍だったものが「帰化」を申請し、認められたケース

大坂選手の場合、母が日本人なので①をもって日本人となる。