今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
おっ!きっと
10月スタートの
秋ドラマのタイトルですね
主人公はJKですか? ← JKって古・・・
・・・んなわけないか
85歳って言っちゃってるし
そんなドラマ誰も観ませんよね
9月13日 木曜日
ある同窓会 が
地元の老舗ホテルの一室で催されました
メンバーはというと・・・
85歳の母の同窓会ですので
全員、そんなものです
戦後ほぼマルッとの70年前
↑ 70年て、 なんかものスゴイ・・・
彼女たちが通ったこの女学校は
わたしや姉たちや従姉妹たちの母校である
県立の女子高等学校のルーツでもあります
この会合というか食事会は
年に2回ほどの割合で計画され
その都度
それぞれの健康状態と相談の上
有志が集っているとのことでしたが
今回は11名が参加することができたようです
最後に母が参加したのは
確か2年前でした
その時も準備で
てんやわんやだったのを思い出します
長く幹事を務められている奥さまは
実家の近所にお住まいということもあり
わたしも若い頃から顔を合わせたり
何かとお世話になってきました
繁華街に飲食店テナントビルなどをお持ちの
現役不動産オーナーでもいらっしゃる奥さまで
ハキハキとした物言いが気持ちよく
いつお会いしてもお化粧を欠かさない
とても美しい方です
・・・そう
ウチの母とは
似ても似つきません
・・・思えば
30代後半くらいまでは
お見合いのお話をいただいたり
就職の相談などにも伺った記憶があります
結局どのお話も
何ひとつまとまりはしませんでしたが・・・
9月9日の日曜日の午後
その奥さまから実家に電話があったそうです
同窓会開催の詳細を伝える電話でした
最近ではすっかり
電話の取り方さえも忘れつつある母が
珍しく自分で受話器を取りました
いつになく盛り上がった様子を訝しみ
お休みで家にいた姉が後ろで聞き耳を立て
その後
どうやら
同窓会があるらしい
その旨をわたしに伝えてきました
同窓会なんか
ボケてて行けるわけがない!
姉のおっしゃる通りです
もちろんわたしも同感でしたが
その後延々続く姉の弾丸スピーチによると
すでにそのことで母と
いつものひと悶着を起こしたあとのようでした
こういう場合の事後処理は
姉にはとうてい無理だと知っていますので
すべては明日の月曜日じゃ
今夜は対策だけ練るべ・・・
そう決めました
もともとあの8月の
恐怖のお墓参り狂想曲
あれ以降
精神的なものからなのか
謎のお腹ゆるゆるに
悩まされてきたこのわたし
その晩からは
謎の胃袋きりきりまで
追加加算されることになってしまいました
翌月曜日は朝から実家詰めです
今流行りの朝活を利用して
母をデイサービスに送り出してくれた姉と
わずかな時間を利用しての対策会議
なかば強引に
わたしの意見で方針を決定しました
とりあえずは
幹事さんに
会の詳細を確認しよう
電話を受けながら
手近にあった
トイレットペーパーに書いたらしい
母のメモには ← なかなか器用ですね!
集合時間がまったく触れられていません
そりゃそうでしょう
時間の観念など
とうに脳から抜け落ちていますからね
面倒なことは先にやっつけたいので
さっそく
幹事をされている奥さまに電話をして
受付開始時間や参加者について伺いました
そして現在の母の状況を伝え
この会への参加が
実際可能なのかどうか
ズバリ!
ストレートにお聞きしたのです
幹事役の奥さまの回答は
なんとか参加させてほしい
全員で助け合うから大丈夫
帰りはタクシーで送る予定
・・・だって
もうこれが最後かも知れないんですもの
そういう内容でしたので
ぐるぐるぐるぐる 🌀
頭の中で最悪の事態を想像しつつ
苦渋の選択で
参加させることに決めたのでした
当日の朝
なんとか外出の体裁を整えさせて
容量1000ccという驚異の紙パンツで完全武装
かなり早めにホテルに向かったのですが
すでに数名が到着されていました
ご挨拶して会費を支払って
写真一枚でも撮って失礼するつもりが
あれよあれよと巻き込まれ
なかなかどうしてススっとは帰れそうになく
とりあえず全員が揃ったところで
とりわけしっかりされている方に
母をホイッと預けることに・・・
その際には
母の症状の説明やわたしの連絡先を記入した
小さな簡単なお手紙を
コソッと渡してみんなに読んで頂きました
なんという気づかい!
なんという繊細な心づかい!
・・・わたしったら!
いったいいつから
自分はこんな人間になったのだろう・・・
あのかつての
傍若無人で自由だった自分は何処に?
そう、確か・・・
人は人!
自分は自分!
のび太のものは俺のもの!
俺のものは俺のもの!
俺はジャ・・・ いえ
そんな信念のもと
これまで生きてきたはずだったのに・・・
そんなことを考えながら
ススススス・・・と
その場をさりげなく離れようとしたところで
あらまあ!
どうしましょう!
・・・奥さまの悲鳴です
なんとどうやら
レトロ感溢れるカメラを持参したものの
めでたく電池切れ?だったようで
撮影係を頼まれた若いホテルマンも
どうやらお困りのご様子
ふうっ・・・しかたないな
混乱の現場に戻ったわたしは
わちゃわちゃ動き回って
なかなか位置についてくれない
85歳の小柄なトロールたちを ← ごめんなさいね
なんとかなだめすかして
はーい!
いい顔お願いしまーす!
足もとも映りますからねー
はいっ!おチーズッ!
パシャリッ!
このわたしが
アイパッドさんを持参してなかったら
記念の集合写真も撮れず
どうなったことやら・・・
実際問題
これがこの方たちの
ラストになるかも
知れないというのに!
そしてやっぱり脳裏をよぎるのは
わたしは
こんな人間ではなかったはず
・・・そこなのですが
↑↓ 失礼かとも思いましたがやはり女性ですので
大きな板っきれで綺麗な写真が撮れるなんて
みなさんビックリされていました
ただしわたしは
みなさんの誰よりビックリした自信があります
なぜなら
先ほどの電池切れカメラを持参された奥さまが
何気なくしれっと
老人用スマホを
ハンドバッグから取り出されたからです
いや・・・まさかね
写真撮れるってこと
よもや
知らないなんてえことは!
さすがに問いただすことも出来ませんし
90歳までは
なんとか続けましょうね
そんなお喋りが耳に入り
言い知れぬ恐怖にとらわれたわたしは
トータル940歳 に
たいへん感じの良い挨拶をして
逃げるように
その場をなんとか離れたのでした
ちなみにですが
こちらの地元老舗ホテルは
その長い歴史を
来夏には閉じることが決定しています
わたしが撮影に時間を取られている間
実家では父の訪問入浴が早めに来てしまい
勝手にサッサと作業して
サッサと帰ってしまっていました
え?
鍵はどうしたのかって?
なんと!
父が玄関まで行って開けたそうです
・・・たしか
ひとりでは歩けないはずなんですが
おかしいですねえ・・・
まあとりあえず
実家で待機して母の帰りを待ちました
約束どおり介護タクシーに同乗して
無事に機嫌よく帰還した母ですが
何を食べたとか
誰とお茶したとか
もうとうに忘れているようで
なんて記憶の上書きが早いんでしょう
近い記憶ほどすぐに消失していくようですしね
わたしが今回のことでもっとも憂慮したのが
トイレの粗相の問題でした
なぜなら前日の水曜日にも
デイサービス先でお漏らししてしまい
ズボンを汚して帰ってくる
そういうことがあったからです
もちろんお仲間のみなさま方には
お手紙や口頭で
トイレに行く際は
誘ってやってくださいね
そうしつこくお願いはして来たのですが
楽しいお喋りに夢中になって時期を逃し
粗相するのではないかと
本当にそればかりが不安だったのです
今回は
どうやら乗り切ってくれたようですが・・・
・・・しかし
ホントに
老人とは不思議な生き物です
ちなみにわたしは
ちょっとしたメッセージを添えたい時には
某100円ショップのこれらを使用します
とくに介護タクシーを頼む際には
豆ぽち袋に500円玉を忍ばせて
帰り際にお代と一緒に渡すことにしています
なんという大人の対応!
なんという心づかい!
なんという気・・・
さっきやりましたからもういいですね
珍しくセンスがいいというか
珍しく安っぽくないというか
何かにつけ便利なこともあり
新作が出るたんびについ買ってしまうので
ウチには未使用の在庫が山のようにあります
使ってないなら断捨離しろ?
いいえ
・・・絶対しませんよ!
やがて自分のアパートに帰る頃
疲れ果てていながらも
わたしはちょっとワクワクしていました
ここんとこ実家ばかりで
悪いネコちゃんたち放ったらかし気味
コソッと帰って
いっちょ喜ばしてやるか・・・
いっひっひっ!
そーっとドアを開け
コソコソと泥棒のように階段を登って
部屋に戻ったわたしを待っていたのは
三階建てケージの上から見下ろす
猛獣ごま子の
こんな冷たい視線だけでした