この4月から、北海道苫小牧(とまこまい)市の沖で実証実験「CCS」が始まっている。二酸化炭素を地下に圧入する実験である。
二酸化炭素ガスは地球温暖化の元凶とされている。このガスを減らすため、工業活動から出る二酸化炭素を深さ1000メートルを超える海底下に封じ込めるための実験だ。
100~200気圧といった高い圧力で圧入された二酸化炭素は、年月がたつと水に溶け込んだり、周囲の岩石と結び付くなどして安定化するとされている。
この実験は日本では二度目のものだ。最初のものは2003年から1年半ほど、新潟県長岡市の天然ガス田で実施した。圧入したのは合計約1万トンだった。
長岡で圧入された深さは1100メートルだった。液体を通さない層(キャップロック)が傘のような形をしていて、その頂上部の内側に圧入した。傘は学問的には「背斜(はいしゃ)構造」という。地層としては、ずっと深いところまで連続している。
苫小牧での実験はずっと大規模なものだ。年10万トン以上で、能力的には年20万トンまで可能という。長岡での実験よりも1桁以上多い。
しかし、人間が地球に何かをすることが、世界各地で地震を引き起こしはじめている。
地震学の教科書には、「米国では西岸のカリフォルニア州と北部のアラスカ州以外には地震は起きない」と書いてある。
しかし情勢は変わった。14年6月にはシェールガスの採掘がさかんな米国南部にあるオクラホマ州の地震数が全米一になったのだ。このほか、米国の東部やカナダなど、地震がなかったところでも地震が起きだしている。