日田彦山線の行方不安視 市長「議会も働きかけを」 日田市議会 [大分県]

 九州豪雨で被災し、一部区間(添田-夜明)で不通が続くJR日田彦山線について、開会中の日田市議会で行方を不安視する声が上がった。JR九州の青柳俊彦社長が鉄道以外で復旧する可能性に言及し、沿線自治体が不信感を募らせる中、原田啓介市長は同社と沿線自治体による復旧会議の経緯を説明。「市議会としてもJR九州に(対応の改善を求める)働きかけをしてほしい」と異例の要望をした。

 12日の一般質問で溝口千寿議員(市民クラブ)が、復旧会議について「来年4月までに議論を終え、速やかに復旧に着工する方針とされているが可能なのか」と尋ねた。原田市長は「会議では当初、3~4年かけてなんとかしようという話もあったが、本年度中に方向性を決めるということで進めている」として、鉄道での早期復旧を目指す方針に変わりないと強調した。

 JR九州は復旧後の運営形態について、線路や駅舎などを自治体が保有、維持し、同社が運行する「上下分離方式」の提案も示唆している。原田市長は「将来にわたってコストがかかる鉄道の運営に(市としては)コミットすることはない」と改めて明言した。

 青柳社長が鉄道以外での復旧を提案する可能性に言及したことを受け、沿線自治体は8月末、復旧会議をないがしろにしないよう求める緊急要請書を出した。溝口議員は、議会としての対応を求める原田市長の呼び掛けに対して「なんらか応えることができれば」と応じた。

=2018/09/14付 西日本新聞朝刊=