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さて、絵を仕事に!と本格的に考えると、悩むのが値段だ。
実は今まで何度か作品を購入して頂いたことはあるのだけれど、困るのは値段。
値段なんてあってないようなもの。だから、困る。
企業ではなく、個人でのやりとりになると、まずは価格帯のギャップである。
実質の材料費、紙、絵の具、額、筆などなどをひいてしまうと、個人様の思う値段での取引では、とても暮らしが成り立たない。
趣味ならばそれでもありがたいことなのだろうが、プロとして生計を立てると考えると、技術料を頂かないと時給は最低賃金を割ってしまう。
一時、ウェルカムボードを何件か引き受けたが、まず、やりとりに膨大な時間がかかる。
正直、素人さんの依頼は大変!注文を全部きいていたら、とてつもない配色の絵ができてしまう…。多分頭の中で言ってることが個々独立してあり、一枚の絵に置き換わっていないから、なのかな?
一回描いてから、カラードレスのデザインが変更になったから、コチラで、と写真が送られてきたり…( ̄▽ ̄)あぁ、もう描いちまったよ…と、ね。
酷いのは〇〇さん風に描いて欲しいってやつ。
ごめんなさい。〇〇さんに頼んでくださーい。って、なるよね…。
雑貨なんて、作ってもらえば安く済むとおもってる人もいる。
作ると、高いです!!(>人<;)
材料費+時給+技術料。
日本って暮らしの中のアートにお金を払う習慣がない国なのかなぁ、なんて思う。
化粧品やらブランドバッグにはお金を払えても花一輪買うのをもったいないって人、多いなぁ…。いや、でも本来の日本人は繊細な感受性をもつ世界でも有数の美を愛でる民族なはず。
ちょうど15年前くらいから北欧家具や雑貨がブームになった。
ブームというか、それはもう一時の流行ではなくて、一つのスタイルとなったが、日本人が憧れたのは、北欧デザインのカタチではない。
物を慈しみ、日々の暮らしのささやかな喜びを見つけて積み重ねていく。時間はゆったり流れ、大切な人と楽しむためのとっておきのもの達。
かつて日本人が持っていた暮らしの美学、いつのまにか簡単便利に置き換わって、どこかに忘れてきた暮らしを北欧デザインにみたのかもしれない。
私が買う器はそんなに高いものではない。
数千円で買えるものだ。
食器なんて100円で買えるよって言われたらそうなんだけど、工芸品は破格に安い。
なぜなら職人さんの作るものに対して、日本ではほぼ技術料が含まれないから。
土をねってろくろを引き、室に入れて乾かして、カビなんかも吸い込みながらカンナで削り、素焼きをして、釉薬をかけて、焼成して…無数の失敗、膨大な時間を経てこの美しい器ができてるのがわかるから、安い!と思うのだ。
だから、職人さんは大変。1日に何十個と作らないと、食べていけない。体力仕事でもある。
素晴らしいものができても、価格には反映されなかったりもする。
情熱がないとできないよなぁと思う。
学生の時、先生のお宅へ伺った際に、陶器まつりに出すという品物をみる機会があった。
数点あったうち、いいなと思ったのをじっとみていたのか、「アンタもこれがええと思うやろ?」といわれた。
間違いなくその中で、線のはしり具合、空間のバランス、中央の絵の力、細部の紋様の整い方、すべてが一番よかった。
でも、先生のご主人は売れない、と言ったそうで、驚くべきことに、それだけが売れ残った。
先生は売れ残りの理由を聞いたらしい。
そしたら明解。品物の表面積にたいして描いてる分量が少ないから、だったそう…。
先生は仕事にしていくには素人の目が必要な場面もあるなぁとしみじみ呟き、アンタも私もその点はあかんな!(^^;と苦笑いしていたのを覚えている。
ところで、物欲まみれのワタクシは、ついに、盆栽デビューを果たしてしまった。
お試し価格、千円!黒松のほんのチビちゃん♡
ちゃんと育てられるかなぁ…
ふきの妹にするでし!
そしたらちゃんとお世話できるでしよ?
ね、会長!
名前決めなきゃぁ(°▽°)
会長はなんでも名前つけるんでしよね。
ナナさんちのベタくん、名前は何ですか?ときいたら、名前をつける流れになり、ルルちゃんに!
青い宝石なんでし(*´ω`*)
うーむ、ベタもいいなぁ。