スマホをレガシーなものとして、新Apple Watchが引導を渡すかもしれない:アップル感想戦
東智美さん(cheero)とおおつねまさふみさん(MiTERU)が発表会見ながら語り合う
東:まさかのミッションインポッシブルのはじまり。紹介映像が凝りすぎててびっくりした。
おおつね(以下、お):円盤型の建物として有名な本社を紹介するビデオみたいだったね。
ヘルスケア・未病対策への本気を感じたApple Watch series 4
東:AppleWatch series 4の発表から始まった。実は使ったことないんだよね。Apple Payを使えるところもまだ少ないし、画面小さくて文字読めないし。いまいち使うイメージが見えなくて。
お:歩数計や心拍数計みたいなアクティブトラッカーとして使っている人の評価は高いよ。
僕は、AndroidスマホとMisfit VAPOR(Wear OS)を使っていて、普段からGoogle Fitで運動量を計測しているけど。明らかにApple WatchのリングUIにインスパイアされているね。
東:へえ、ディスプレイは32~35%以上拡大するのか。3割近くディスプレイ領域が増えるなら、初めてちょっと欲しいって思った。他社のトラッカーがスマホアプリを併用することで小型化していってることを思うと、Apple Watchは単体でアクションを完結させようとしている?
お:転倒したのをセンサーで検知して、起き上がらなかったら電話をかける時計ってかなり未来が来た感じがするな。
東:ECG(心電図機能)搭載とか、ヘルスケアや未病対策への本気を感じる。おかしな動きがあったら専門医へダイレクトに通知がいって病気を防ぐサービスができたらすごい。
CESでもヘルス系IoTのエリアが拡大していたけれど、保険が高く医者にかかれない人も多いアメリカは、日本以上にテクノロジーでどう健康を守るか、ということに対する対する本気度が違う気がする。
お:日常的に装着しているデバイスで、いつも身体のデータを計測できるのは今の所はスマート腕時計や専用のアクティブトラッカーだけだから、万が一のときにどんな心電図だったのかデータを記録しておくのは、治療にとても役立つんじゃないかな。
東:そもそも腕時計型デバイスって、腕が重くて邪魔だし、無くしそうだし、でこれまで買う気になれなかったけど、これだけ未来へを見せられると、かなりグラっときたな。セルラーモデルで499ドル(5万6,800円)だったら買いやすいね。9月21日発売(予約は9月14日)か。おちゅーんさんはiPhoneすら持ってないけど、Apple Watchはどう?
お:Androidユーザーとしても、Apple Watchがスマートウォッチで最高峰最先端なのは認めざるを得ないね。
東:スマートフォンをレガシーなものとして、Apple Watchが引導を渡すかもしれない。
東:ちなみにこのECG(心電図機能)、ヘルスケアだけじゃなくて、異性のドキドキを推し量るドキドキを測る婚活デバイスとかにもなるんじゃない? 出会い系業者に売れたりして(笑)
ほぼ前情報通りだったiPhone XS、XS Max。iPhone Xに比べて全体的に性能が上がった感じ?
東:ひとまず各メディアの予測情報(主にMACお宝鑑定団の記事)とは大きなズレはなかった。
お:ひとまわり大きいiPhone XS Maxが、なぜ今までのようにPlusという名前じゃないのかは謎だけど。
東:ここでMAX(最大)って使って、いざもっと大きな筐体を出すときどうするんだろう。MEGA MAXにするのかな(笑)『ワイルドスピード』のように(笑)
お:防塵防滴IP68になったのは前のiPhone XがIP67だったから、一段階防滴性能が上がった。
東:海を防水ケースつけずに潜って、海中を撮ってもOKっていうこと?
お:IP67が30分までの水没はOKという意味だから、IP68のiPhone XSはそれ以上水没しててもセーフという設計になったみたい。
東:前情報の答え合わせがメインだったから驚きが少なかったというのはあるけれど、より速く、より音の広がりのあるスピーカー、よりFace IDを正確に... といったマイナーチェンジに見えなくもなくて。私はエンジニアではないからプロセッサの話はよくわからないんだけどすごいことなの?
お:A12プロセッサのコア数は自慢するだけはある。処理速度もiPhone Xが使っているA11プロセッサの2割から3割は高速になっているようだ。iOSデバイスはAndroidスマホと比較するとGPUや機械学習の処理能力がかなり強いのでARや動画などの重い処理をサクサクこなせる。
東:ARの処理に処理速度が必要なんだ。ARについてはWWDCの発表で「未来!」って思いながら、実際はiPad Proを机にかざして動いてる内臓のCGを1~2回見たら、すぐ飽きちゃった。やっぱりよっぽどのコンテンツがないと、画面越しに見るのはリアリティに限界があって、VRゴーグルの広い画角で見て、初めて意味がでてくるんじゃないかなぁ。
お:とはいえ、ARは、高解像度のカメラがあって、自由にアングルを動かせて、立体をスキャンする計算力があって、リアルな画像を計算して合成する必要があるので、iPhoneが最も有利なジャンルではあるんだよね。
いまだとパソコンやPS4などのゲームコンソールではなくて、スマホでゲームをすることが増えた。普通のよくあるゲームもiPhoneで遊べますよとアピールしているね。ゲームマシンとしてのiPhoneは相当性能が高いよ。
東:たしかに、ARでエイリアンを殺していくシューティングゲーム「ギャラガAR」めっちゃ面白そうだわ(笑)やっぱりコンテンツとアイディアかぁ。カメラからのモーションキャプチャーでスポーツのフォーム分析や矯正をしてくれる機能(アプリ?)もなかなかすごいし、こうなってくるとARを使ってiPhone単体で遊んだり、できることが増えるから、処理速度の速さや本体スピーカー向上が効いてくるのか。
東:各センサー能力が向上しているから、電話やパソコン代わりに使っていた従来のスマートフォンのあり方から、高度な画像認識や機械学習マシンとしても機能しはじめた感じはする。もはや「フォン」じゃないというか。
お:A12プロセッサの飛び抜けた処理速度を生かして、Androidでは真似のしにくいジャンルを積極的に開拓していってる感じはするね。
東:カメラも少し性能があがってる。
お:撮影後に絞りを変えられる機能が搭載された。背景のボケ具合を後から変えられるのか。すでにファーウェイのスマホに搭載されている機能とコンセプトは似てる。
東:アプリでどうとでもなるボケみ位置の変更より、ポートレードモードの感度をもっとあげてほしい(笑)ちょっと近づいても遠ざかってもすぐ絞りがはずれる状態が改善されてるかの方がはるかに気になる。ボケみは綺麗だから食事や小物をとりたいのに、けっこうな光量が必要とか、ものすごく引かないと効かないとか地味にストレス(笑)
お:あと中国だけは2枚のSIMがさせるようだけど、他の国ではeSIMと物理SIMの組み合わせになる。日本のキャリアだとeSIMに対応していないので、我々にはあんまり関係ないね。
最後に発表されたiPhone XRの立ち位置とは
東:そして、一番ラストにもってきたのが、iPhone XRだったのは驚き。てっきりiPhone XS Maxが推しデバイスだと思ってた。iPhone XRは、3D Touchも無いし、すこし画面が広がったほかは、基本的に今のiPhone Xとできることは同じ?
お:iPhone 5cみたいなカラフルな種類が用意されているモデル。旧iPhone Xのような有機ELじゃなくて安価な液晶ディスプレイを使っているみたい。
東:安いのは嬉しいけど、デュアルカメラではないのは悩ましい...。そしてiPhone 5cを彷彿とさせる。ものすごく売れるのか、みんなiPhone XS、iPhone XS Maxに流れるのか、まったく予測がつかない。
東:今のiPhone Xへ手が出なかった人が、カメラと有機ELのところだけちょっと目をつぶって購入する感じなのかなぁ。749ドル(8万4,800円)は他社のスマートフォンに比べたら高額だけれど、現行のiPhone Xに比べると安いしねぇ。
お:去年iPhone 8とiPhone Xで2つの流れに分岐したiPhoneが、今後はXシリーズを主流の流れにしていくんだと思った。
東:iPhone XRだったら、今使っているiPhone Xのままで良いように思うし...。となると残るのは、iPhone XS Max + Apple Watch Series 4かなぁ...。Maxが1,099ドル(12万4,800円)からで、iPhone XRとの差額が305ドルしかないのであれば、最上位機種買うかなぁ...。いずれも高いっちゃ高いけどね。
お:iPhone 7や8なども併売するのは、格安Androidスマホとの販売的な対抗かな。iPhone 7なら5万800円でiOSデバイスが買えるというのは若い子にもありがたいだろうし。