今回は、ジャックダニエル シングルバレルセレクトを飲みます。

貯蔵庫最上段で熟成された一樽だけで構成

jd_sb_シングルバレルセレクトは、製造方法こそレギュラーのOld No.7と同じですが、使用される樽は貯蔵庫の一番上にある「天使のねぐら」と言われる場所に保管され、熟成されます。

7階ほどの高さのあるジャックダニエルの貯蔵庫では、幾重にも樽が重ねられて貯蔵されるため、天使の分け前と言われる樽から蒸発する原酒が、下の階の樽から集まりやすい場所にあります。
加えて最上段ほど気温が高くなり寒暖差も激しくなるため、より熟成が進みます。

シングルバレルセレクトは、こうした良好な熟成環境に置かれた樽の一つだけから原酒を取り出し、ボトリングしています。

また、シングルバレル(スコッチ、ジャパニーズで言うシングルカスク)が故に、樽によって個性が変わります。
一部には樽の番号と香りや味の特徴が明記された物も出回っています。

とても濃厚に感じるボトル

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は濃厚なアンバー、香りはメロンが大勢を占めています。

口に含むと、メロンと海藻の香りが口に広がります。その後はレモンの爽やかさも得られます。
味わいはアルコールからの辛さが強く、その後は強い酸味を感じます。

ロックにすると、レモン、ライムと言った柑橘系の爽やかな香りが主体に変わります。後からはバニラ、ナッツ、そしてメロンの甘い香りが続きます。
味わいは酸味が前面になり、ほんのりとビターも得られます。

最後にハイボールにすると、メロンとヨードの香りが先に訪れ、その後はバニラの香りが追いかけてきます。
味わいは若干酸味がありつつも、後からうま味もやってきます。

Old No.7やジェントルマンジャックと比べると、全体的には濃厚に香りや味わいが感じられ、特に酸味が強く感じられる印象です。

ただ、シングルバレル、樽一つからのボトルなので、別のボトルでは異なる印象になるかもしれません。他のボトルだと若干の変化があるでしょう。
今回選んだ物が、たまたま酸味が強めの物なのかもしれません。

750mL、アルコール度数47度、価格は8000円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り B: メロンと海藻が主体。後からバニラ、レモン。加水でライムが揮発。
  • 味わい A: ストレートでは辛さが目立つが、全体的に酸味が強く、後味は甘い。
  • 総評 A: まろやかさは少ない物の、Old No.7よりも熟成感が強い。