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「ブロッキングはインターネットの破壊への第一歩」 WIDEプロジェクトが反対声明

» 2018年09月13日 12時11分 公開
[ITmedia]

 「サイトブロッキングの導入・実施はインターネットの破壊への第一歩」――WIDEプロジェクトは9月12日、海賊版サイトのブロッキングに反対する声明を出した。ブロッキングの議論をめぐり、「関係者間に非建設的な対立関係を生み出してしまった」と指摘した上で、海賊版対策の議論を行う民間での体制作りや、正規版の流通促進に寄与する技術開発に協力するとしている。

画像 WIDEプロジェクトの声明

 WIDEプロジェクトは、企業や大学など100以上の団体が参加する情報技術研究ネットワーク。1988年、慶応義塾大学の村井純教授が創設した。

 声明では「インターネットは、各国の経済、行政・司法など、すべての社会産業活動を共通インフラとして支援している、グローバルな基盤。サイトブロッキングの導入・実施はインターネットの破壊への第一歩であり、インターネットの破壊は、日本はもちろん、周辺の国々のすべての産業活動に影響を及ぼす」と指摘。さらに、ISPによるブロッキングは「通信の秘密を侵害するおそれがある」と懸念する。

 海賊版サイトの問題は「速やかに解決されるべき喫緊の問題」だと認める一方で、政府が緊急対策として、海賊版3サイトのブロッキングを表明したことや、政府の知財本部の「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」の議論を通じて、「ブロッキングを前提にしている」とみられてしまい、「本来、連携・協力して解決策を見出すべき関係者間に、非建設的な対立関係を生み出してしまった」とみる。

 インターネットはこれまで「マルチステークホルダーによるオープンな議論と合意により、全体方針が決定されてきた」と指摘。海賊版対策についてWIDEプロジェクトは、「すべての利害関係者とインターネット業界が産業の発展を目的とした、民間での議論を進める体制を整えるべきであり、その場の形成と参加に協力する」とし、グローバルな関係者間でのオープンな議論を呼び掛けている。さらに、「正規版の流通促進に寄与する技術の検討・開発・検証活動の推進に協力する」としている。

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